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QUEENSRYCHEのボーカリストであるトッド・ラ・トゥーレがソロアルバム"Rejoice The Suffering"をリリース。これが素晴らしい!!どれぐらい素晴らしいかいうと、個人的にはトッド在籍時のQUEENSRYCHEのどのアルバムよりも好きだ(笑)トッドジェフ・テイトの後任を努めたQUEENSRYCHEはメタル路線への振り戻しをしているが、個人的にはどこか煮え切らない内容で歯がゆかった。QUEENSRYCHEのボーカリストでいる以上、ジェフ・テイトと比べられてしまうのは仕方ないが、このアルバムでトッドジェフと同等、いやもしかしたらそれ以上のボーカリストかもしれないと思った。


そんな想いをさせてくれたトッドのこのソロアルバムはここ数作QUEENSRYCHEに対して抱いていた悶々とした想いが吹き飛ぶ内容。QUEENSRYCHEを更にメタルにした内容であるが、トッドのボーカルの伸びやかさ、幅広さが遺憾なく発揮されていて聴いていて実に気持ちが良い。
メタルボーカリストと言っても様々な表現スタイルがあるが、トッドはグロウルからSANCTUARYウォーレル・デインを彷彿とさせる驚異的なハイトーンまで歌声の幅が非常に広い。
こんなに多様性があるボーカリストとは知らなかった。。QUEENSRYCHEではまだ彼の本領を120%発揮できていなかったことなのか・・・。
どの曲も良質で、1曲の中で様々なスタイルを見せるトッドのボーカルは非常に魅力的。正に彼のボーカルを堪能するためのアルバムと言えるかもしれない。


このアルバムはほぼ二人のみで制作され、クレイグ・ブラックウェルなるギタリストがギター、ベース、キーボードを担当。トッドはボーカルの他にドラムも担当。QUEENSRYCHEスコット・ロッケンフィールドがプライベートな事情で制作に参加できなかったバンドの現在の所の最新作"The Verdict"でもドラムを担当したトッドだが、ソロアルバムでも見事なドラミングを披露。名手スコット・ロッケンフィールドの代役を伊達じゃなかった。
ミキシングはQUEENSRYCHE"The Verdict"でも担当したZeusZeusは昨年リリースされたSANCTUARY"Into The Mirror Black"のリマスター盤でもリマスターを担当したが、シアトル関連メタルバンドと縁があるのかな?


ブックレットは少し印刷の甘さがあるのはご愛嬌だが、なんと外盤にも関わらず歌詞の日本語対訳が掲載されている!Google翻訳した適当なものではなく、キチンと対訳されたものなので、日本ファンには嬉しい配慮。なぜここまでしてくれるのかはわからないが、日本人関係者がスタッフにいるのかな?
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アルバムのオープニングトラック"Dogmata"いきなり緩急付いたトッドのボーカルが光る!



ロブ・ハルフォードを彷彿とさせるヒステリックなハイトーンからトッド本来のトーンに切り替わりがカッコいい!"Pretenders"



"Crossroads To Insanity"といったミッドテンポの曲では更に情感豊かなボーカルを見せる。曲調は今のQUEENSRYCHEに近いかな?
"Eyes Of A Stranger"を想起させるPVですね。


ダーティーな吐き捨て型の歌い方もカッコいい"Vexed"



ソロでこれだけの内容が作れるのだから、ぜひバンドに持ち帰ってほしい!スコット・ロッケンフィールドが事実上、脱退ている今、オリメンはマイケル・ウィルトンエディ・ジャックソンしか残っていないので、バンドの鍵を握るのはやはりトッド
トッドがいるQUEENSRYCHEが来日したのは2016年のLOUD PARKだけで、しかもこの時はビザかなにかの問題でエディ・ジャクソンが来日できなくベースはテープからローディが裏で弾いていたという内容。そして、スコット・ロッケンフィールドを日本で観ることができたのがこれが最後になってしまった・・・。
幸運にも彼が投げたスティックを受け取ることができたので、このスティックは家宝モノではあるが、ファンとしてはQUEENSRYCHEの新しいマテリアルで、またファンを興奮させてほしい!それができることを確信させてくれたトッド・ラ・トゥーレのソロアルバムであった。

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Rejoicing in the Sufferin
La Torre, Todd
Rat Pak
2021-02-05