トム・ギャレー、元TRAPEZE〜元WHITESNAKEのメル・ギャレー、そして元TRAPEZEのリチャード・ベイリーが中心となったプロジェクト、PHENOMENAの初期3枚がこの度、紙ジャケ&リマスター盤でリイシューされたのでそのうち、初期2枚を購入。お目当てはもちろん、1stアルバムの本編全てのボーカルを担当しているグレン・ヒューズが参加しているから。グレン・ヒューズファンとしては今まで気になっていたアルバムだったけど、いつかリマスター盤が出てほしいなぁと思っていたので、今回の再発は正にドンピシャ!
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豪華なメンバーが集まってのプロジェクトということもあり、まず、この1stアルバム"Phenomena"はトム、メル、そしてグレン以外の参加メンバーは以下の通り。

コージー・パウエル
ニール・マーレイ
リチャード・ベイリー
テッド・マッケンナ
ドン・エイリー
ジョン・トーマス(元BUDGIE)
リック・サンダース(元FAIRPORT CONVENTION)

基本はコージー、ニールのリズム隊にリチャード・ベイリーのキーボードという組み合わせが大半。 作曲にはパット・スロールも一部参加。

重厚かつ、じっくりと聴かせるボーカルが中心のメロディアスハードロック作品で、やっぱり主役はグレン・ヒューズ。TRAPEZE組が再び集結したようなメンツだけど、ファンク風味は皆無で、メロディアスなハードロックをグレンが熱唱。グレンの歌声はソウルフルかつパワフルなのはもちろんだけど、このPHENOMENAでは更にSF的浮遊感に富むような歌声も出てきて、グレン・ヒューズでしか表現できないボーカルワークが最高に素晴らしく、1曲目の"Kiss Of Fire"、そして5曲目の"Believe"はその最たるもの。今まで、グレン・ヒューズが歌う様々な曲を聴いていたけど、特に "Believe"のボーカルはその中でもピカイチだと思うので、この曲が聴けただけでもアルバムを買った価値があった!

ボーカルが中心であるため、コージーのドラムは後ろに引っ込んでしまったかのようなミックスが少々残念だが、ところどころでコージー節はしっかり出している。ギターも印象的なフレーズを弾くというより楽曲とボーカルを支えることに徹した感があるので、やっぱりこれはボーカル中心のアルバムですね。

オリジナルストーリーに基づくアルバムのため、このリイシュー盤には英国LP盤を再現し、各曲を表現したイラスト入りのブックレットが付いている。いきなり人間の頭からエイリアンのようなものが出てくる絵が出て来るけど(笑) どんな歌だ、これw
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惜しいのはこうしたストーリーアルバムだから、対訳を付けてほしかったこと。ブックレットにストーリーのあらすじが書いてあるので、それぐらいは対応してもよかったんじゃないかな。ライナーノーツには簡単なあらすじは書いてあるけどさ!

ボーナストラックは"Still The Night"を元TRAPEZE〜WISHBONE ASHのマーヴィン・スペンスがボーカルが取ったバージョンに、"Karma"という曲ではヒュウェイ・ルーカルが歌った曲、そして、3曲ほど後期TRAPEZE組によるリハーサルテイクが収録。特に面白かったのは"Coming Back Strong"のリハーサルテイク。これはWHITESNAKEの"Gambler"じゃん!と思ったら、デビカバがこの曲を聴いてWHITESNAKEで演りたいと言ったらしいですね。その"Gambler"っぽいところは1曲目の"Kiss Of Fire"に組み込まれているので、色々と繋がっていたことが判るのが興味深いかも。

メロディアスはハードロックを歌うグレン・ヒューズが好きなら抑えておくべき一枚ですね〜!キャッチーなサビが印象的な"Who's Watching You"や、全編フック満載の"Twilight Zone"も最高です。

"Kiss Of Fire"


"Believe"


"Twilight Zone"


フェノメナ
フェノメナ
WASABI RECORDS
2017-05-17