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ノルウェーのプログレメタルバンド、CIRCUS MAXIMUSの初の単独日本公演ツアーの東京二日目に行ってきた。彼らの来日は2012年のLOUD PARK出演依頼。あれから7年経ってしまったわけだが、2016年にリリースした"Havoc"での来日ではなく、3rdアルバム"Nine"の完全再現ライブ盤に伴う来日となった。ライブ盤に伴う来日なのに東京二日間はソールドアウト。400〜450人ほどのキャパの会場ではあるが、この結果は凄い!

その東京二日間の会場はHOLIDAY SHINJUKU。あまりいい話を聞かないハコだが(笑)、なるほど年季が入った感じで天井を見ると・・・あまりいい気分はしませんな^^;

オープニングアクトは日替わりで変わる今回のツアーだが、東京二日目はSILEX。2017年のデビューアルバム"Arise"は素晴らしい内容でライブは一度観てみたかったのだが、ボーカルのピート・クラッセンが母国のカナダに帰国してしまった結果、バンド活動は止まってしまい、この日が本格的なライブとして再始動だったようで。タメの効いたメロディを奏でるところはCIRCUS MAXIMUSと共通項があるので、よい組み合わせなんじゃないかなと思っていた。

新ボーカルはブラジル出身のダン・フィゲレイド。ベースとドラムはこの日限りのサポートメンバーの模様。ネオクラシカル系と思いきや、タメの効いたメロディやキャッチーな歌メロで意外とメロディアスハードの側面も強いバンドだが、やっとライブを観ることができた!以前のメンバーは中心人物のMASHAだけだったけど・・・。
新ボーカルのダンはピートと異なるタイプのシンガーだが、それほど違和感なく聴けた。ボーカルのなかなか。英語はそれほど達者でないのか、場馴れがまだまだなのかMCはとってもたどたどしくて、微妙な流れが出てしまったが、MASHAのギターはフックがあって、場内の反応もなかなか。最後の"Cansion da Amor"はCIRCUS MAXIMUS目当てのファンにも好リアクションだったようで、これは本当に良い曲だと思うし、ライブで聴きたかったナンバー。
バンドとしてはまた一からの再始動ということで、これからの活動に改めて期待したい!

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SILEX Setlist

01.Arise
02.Standing On The Grave Of Yesterday
03.Misery
04.Destiny
05.Cansion da Amor



SILEXの時は空調が効いていた会場だったが、メインのCIRCUS MAXIMUSの時はなぜか空調が効いておらず、蒸し暑さを感じる中でライブがスタート。"Nine"完全再現からスタートするのでアルバムのオープニングSEから"Architect Of Fortune"でライブがスタート。頭から観客の盛り上がりが凄い。LOUD PARKの時も結構盛り上がっていたが、今回の盛り上がりは違う。縦ノリナンバーの"Namaste"はさらなる盛り上がりを見せて、場内はますます暑くなる。しかもソールドアウト公演でギュウギュウに詰まった会場だから、この暑さは萎えるものがある(苦笑)
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観客のリアクションの良さにメンバーも嬉しそう。LOUD PARK出演から7年経過したわけだが、メンバーの風貌もそれほど変わっていない。あ、あれ〜〜?ボーカルのマイケル・エリクセンって、あんな熊さんのような人だったけ・・!?体型としては増量しているが、あの透明感がありつつもパワーのある歌声は健在。彼のボーカルはバンドにとっても無くてはならない存在。意外と観客とのやりとりを楽しむタイプの人で、ステージ上でのメンバー間のやりとりを楽しみつつも観客と積極的にコミュニケーションを取っている姿は印象的だった。

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LOUD PARK12出演時の映像はバンド公式でアップされているが、その時と比べると・・・^^;


楽器陣のパフォーマンスではベースのグレン・カト・モレンが存在感を発揮してグイグイと観客を引き込むところも印象的だった。長身でライブ映えするイケメン!
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ギターのマッツ・ハウゲン、髪型のせいかDIZZY MIZZ LIZZYティム・クリステンセンにちょっと似ている!?
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キーボードのラッセ・フィンブロテンの佇まいは地味ながらも、彼のキーボードサウンドはこのバンドに特徴を与える重要なもの。ドラムのトルルス・ハウゲンは元DREAM THEATERのマイク・ポートノイのようにドラムも叩きながらもバックコーラスで重要な役目を持っている。
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ライブは"Nine"完全再現のため、アルバム順通りに進んでいくが、ライブはそのタイトなアンサンブルでグイグイと観客を引っ張っていく。LOUD PARKの時もライブが上手いバンドだと思ったけど、東京二日目はサウンド面も良好で、"Nine"の楽曲はそれまでのDREAM THEATER的サウンドから少し脱局して、よりコンテンポラリーなサウンドやアレンジが出てくるなど、彼らのアルバムの中でもサウンド面でターニングポイントな位置づけかもしれない。それが特徴的な"Game Of Life""I Am"も会場の反応もとっても高く、私の後ろにいたファンはサビを終始歌っていたし!

アルバム順通りの流れで最後の"Last Goodbye"は感動が更に倍増!曲に入る前にラッセが弾くこのフレーズは・・・・QUEEN"Bohemina Rhapsody"だ!(笑)歌もトルルスが歌い初めて、観客全員で大合唱!このちょっとした遊びに観客と一体感が更に増したような気がするなー。

"Nine"完全再現のあとは新曲の"Phasing Mirrors"。初めて聴いたけど、再びプログレメタル路線に戻ったような印象かな?続いて、現在のところ最新アルバムの"Havoc"からのタイトルナンバー。"Havoc"は評判が一番良くないアルバムだが(苦笑)、このオルタナティブな縦ノリ系はちょっと違うな、、と思いつつもベースのグレンが関係者用通路から間近まで来てくれて、盛り上がってしまった!(笑)"Havoc"からだったら、"Chivalry"が聴きたかった。。
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2ndアルバム"Isolate"は日本でのCIRCUS MAXIMUS認知度を一気に高めた作品でもあるので、そのアルバムからのナンバーの盛り上がりは一段と大きくなる。"Abyss"の時の大歓声は凄かった。本編は"Havoc"からの感動的なナンバー"Loved One"で締め。

"Nine"完全再現以降のパートは公演によって曲を入れ替えたりしていた模様だが、東京公演二日目はアンコールになんと”A Darkened Mind"が出てきた!2ndアルバムの1曲目を飾るこのナンバーを演るとは完全に予想外!観客の反応も凄かったが、個人的には"Chivalry"が聴きたかったな。。。って、しつこいですねw


そして、最後はもちろん"Arrival Of Love"でライブは終了。CIRCUS MAXIMUSを初めて知ったのはこの曲をラジオで聴いて、TNTDREAM THEATERがミックスしたかようなサウンドはプログレメタル勢の中で一際輝いていた!この曲がLOUD PARKで披露された時は悲鳴に似たような歓声が起こっていたし、その場にいた私自身も身体がゾクゾクする感覚に襲われたことは今でも覚えている。今回の単独公演ではコーラス部分はもちろん場内大合唱!
それにしても、こんなに盛り上がるライブとは思わなかった・・・。
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ライブが終わってもなかなか帰ろうとしない観客に鳴り止まない拍手。とうとう、マイケルマッツが出てきて、「トルルスはドラムはこれ以上叩けないし、マイケルは喉が限界」とお詫びの言葉を述べるという展開に(笑)
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"Havoc"の評判が今ひとつなこともあり、LOUD PARK出演以降の来日のタイミングを逃していた感があったが、今回の単独公演ではその人気を取り戻したような気がする。次はもう少し大きい会場でも問題ないと思うな〜。せめて800人以上のキャパの会場でお願いしたい。

会場は大きくしてもいいが、マイケルはこれ以上体型は大きくしなくていいからね!(笑)


CIRCUS MAXIMUS Setlist

01.Architect Of Fortune
02.Namaste
03.Game Of Life
04.Reach Within
05.I Am
06.Used
07.The One
08.Burn After Reading
09.Last Goodbye

10.Phasing Mirrors
11.Havoc
12.Abyss
13.Loved Ones

〜Encore〜
14.A Darkened Mind
15.Arrival Of Love