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2017年ももうすぐ終わるということで、今年リリースされたアルバムの中で個人的お気に入りな10枚+αをご紹介。掲載順はうろ覚えではあるが、リリース順で。あと、ライブアルバムは対象外とします。↑は候補のアルバム達。


01.KREATOR "Gods Of Violence"
kreator_godsofviolence

メロディックなギターソロの比重が増えた今作だが、アグレッション、ブルータリティ、リフワーク、どれもが高次元で昇華されている。少しARCH ENEMYと方向性が似ているかもしれないが、KREATORはもはや孤高の存在と言っていいかも。スケール感が増したサウンドは大きなステージが一番似合うと思うので次回の来日はせめてクラブチッタクラスでお願いしたい。
 



02.BLACK STAR RIDERS "Heavy Fire"
blackstarriders_heavyfire
THIN LIZZYの何ちゃら・・という言葉はもう適切でない、現THIN LIZZYメンバーを中心にオリジナル曲をやるということで結成したバンドの3枚目。現在のライブでもTHIN LIZZYナンバーは2曲程度ということが示しているように、THIN LIZZYの音楽性は継承しつつも、独自のエッセンスをまぶしながら、更に独自性が高くなった今作は楽曲の質が最も充実していると思う。



03.MASTODON "Emperor Of Sand"
mastodon emperor of sand
過去2作はそれまでの反動からかシンプルさに比重を置いた感があったが、今作は長編曲が復活したり、元々内包していたプログレッシブロックの要素が復活。でも、きちんと過去2作で目立った歌メロの充実っぷりも反映されているので、また一段と突き抜けた作品になったと思う。



04.ANATHEMA "The Optimist"
anathema_optimist
前作のエレクトロニックな要素はスパイスとして残しつつ、ANATHEMAならでは空気感が満載で、更に進化した今作。コンセプトアルバムで、どの曲もストーリーの情景を思わず頭に描いてしまう。



05.STONE SOUR "Hydrograd"
stone sour hydrograd
よりアリーナメタル・ロックな方向にシフトしている今作。コリィ・テイラーのボーカルワーク含めてバラエティ豊かな内容となっているのでボートラ含めて全17曲というボリュームでも一気に聴いてしまう力がある。新加入ギタリストも見た目とは裏腹に80年代的なギターソロを弾くので、その辺もアリーナメタルの要素を強く感じたのかも。



06.LINDSEY BUCKINGHAM & CHRISTINE McVIE "Lindsey Buckingham & Christine McVie"
lindsey buckingham christine mcvie
バックもFLEETWOOD MACのミック・フリートウッドとジョン・マカヴィーがいるので、スティーヴィー・ニックス抜きのFLEETWOOD MACと言っても差し支えない(笑)リンジーとクリスティンのデュオ名義作。二人の良い所が全開で、フレッシュな印象を与える楽曲の充実っぷりに、まだまだソングライターとして衰えは無し!




07.THE NIGHT FLIGHT ORCHESTRA "Amber Galctic"
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SOILWORK、ARCH ENEMYといった北欧エクストリームメタル勢のメンバーが集まってAORをやるという異色バンドの3作目。前作はまだ70年代ハードロックの要素が強かったが今作はもっとTOTOを中心としたAORの作風が前面に。北欧勢にありがちなボーカルの発音の甘さや、R&Bの要素が皆無なところが無いのがポイント。ミック・ジャガーの"Just Another Night"のカバーは原曲の雰囲気を再現しているところが、象徴的かもしれない。



08.STEVEN WILSON "To The Bone"
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K-SCOPEレーベルから移籍したので、サウンドに大きな変化があると思ったら、意外とそうでもなかった。しかし、よくよく聴いてみるとコンテンポラリーな要素を前面に出しつつ、従来のSTEVEN WILSON流プログレッシブロックは健在!サウンドの刺々しさは減ってマイルドな口当たりとなった分、更にファン層が拡大してくれたかな・・・?



09.ARCH ENEMY "Will To Power"
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ジェフ・ルーミズ加入後初のアルバム。と言ってもWining team never changeの方針からなのかマイケル・アモットとダニエル・アーランドソンが中心となって曲作り。それが正しかったことを証明するかの如く、楽曲の充実差は傑作だった前作War Eternalに負けず劣らず。今作は例えばアリッサのクリーンボーカルをこのバンドでも入れたりと、より多様な音楽アプローチが目立っている。次作はジェフ・ルーミズも作曲作りに入ってもらい、更に高みを目指してほしい。NEVERMOREが復活することはもう無いだから、余計にそんな想いが。


10.TRIVIUM "The Sin And The Sentence"
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前作の"Silence In The Snow"で遠回り感があったが、今作はそこで培った歌メロの充実っぷりを昇華しつつ、TRIVIUMらしいアグレッションが復活。更にブラックメタルな音楽アプローチも入れつつ、非常に凝った曲展開が特徴。凝っているけど、耳に残るフックが沢山あり、前作は決して無駄ではなかった。新加入ドラマーの叩きっぷりと細かいテクニックにスパパッ!と抜けが良いサウンドも相まって聴いていて非常に気持ちいい。


というわけで、以上10枚でしたが、更に2作も入れたいのでご紹介。今年の後半はベテラン勢のアルバムが沢山リリースされたけど、どれも良い内容で安定している。しかし、何か物足りない・・・そんな中、アルバムを聴いて応援したい!、繰り返し聴きたい!と思ったアルバムが日本から登場。


11.LOVEBITES "Awakening From Abyss"
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女性オンリーの正統派メタルバンドで歌詞は全て英語歌詞。敢えて日本的な要素と言えるアニソン系、アイドル系、和風系、J-POP系の要素は無く、メタル直球勝負!そして、何よりも楽曲が良い!女性云々というは抜きにしてもタフでスリリングな曲は素晴らしい。歌詞と歌メロが練り過ぎ感があるけど、今後の活動は期待大ですねー。


12.SILEX "Arise"
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日本の実力派プレイヤー達にカナダのピート・クラッセンが加入してのこちらも正統派メタルバンドのデビューアルバム。ネオクラシカル系のギターだが、曲によってはメロハーだったり、メロディに趣きを置き、そこにピートのハイトーンボーカルが映える。こちらも楽曲の良さが素晴らしく、緩急入った展開とアレンジ力は既に経験豊かなメンバーならでは。



というわけで今年の後半は新しくデビューした日本のバンドで2枚強力なものがリリースされ、今後の活動が楽しみ。今年はベテランばっかり聴いていると・・・と思っただけにしかも日本のバンドでこういったインターナショナルな活動が期待できそうなバンドが出て来るのは嬉しいところ。

あと、10枚+αには入れてないけど、ROGER WATERS"Is This The Life We Really Want?"は歌詞だったりロジャーの言いたいことを読み解こうとして、かなり聞き込みした想い出が。最後は疲れてしまったのでその反動で、今は全く聴いていませんが(笑)また聴いてみようかなー。来日はやっぱり無しなんですかねー。。。