Heart Of Steel

買ったアルバムの感想を語る場

ARCHENEMY

「メタルファンは、死ぬまでメタルファンなんだ。パーマネントに『あ~○○年の夏はSLAYERをよく聴いたよな~』みたいな聴き方をする奴は一人もいないよ」byロブ・ゾンビ

【ライブレポ】ARCH ENEMY@ZEPP DIVERCITY TOKYO 2023.3.3

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ARCH ENEMYの日本での4年振りとなる来日公演(単独公演としては5年振り)に行ってきた。
東京二日目の3/3の公演に行ってきたが、その週の月曜日はMEGADETHの武道館公演があったわけで、そのライブの余韻がまだある中だったし、ARCH ENEMYは何度もライブを観ているから、今回はどこか集中していないフワフワとした気分で行ってきた。


しかし、ライブの頭から、そんなフワフワとした気持ちが吹き飛ぶぐらい、バンドのパフォーマンスは凄かった!鍛え抜かれた鉄壁の内容に背筋をピンと伸ばしてみないといけない気持ちにさせてくれる。

存在感あるアリッサのボーカル、ダニエルシャーリーによる非常にタイトなリズム隊、そして、異なる特徴を持つリードギターのマイケル・アモットジェフ・ルーミズのコンビネーション!
マイケルのタメを効かせた味わい深さがあって泣けるギターと、ジェフのスピーディーでテクニカル、そして、佇まい含めて絵になる弾く姿・・・こんなギタリストが二人いるバンドはそうそうない。
私がヘヴィメタルに求めるカッコよさの全てを兼ね備えているバンドだと改めて思った次第。
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今回は特にアリッサジェフがステージでの存在感を以前よりも更に増しているように思えた。アリッサも加入して10年経つし、ジェフも加入して7〜8年目だと思うから、このラインナップもコロナ渦の中断はあったにせよ長く続いていますよね。もうこの二人はバンドに欠かせないメンバーだと思うし、今がベストメンバーだと思う。

ジェフに関してはつい、NEVERMORE水準で観てしまうので(笑)、ARCH ENEMYだと彼の能力が120%発揮できないんではと思っていたが、ここまでライブでフィットしている姿を見たら、プレイヤーとして十分カッコよさを発揮できるバンドとしてこれほど最適なところは無いと思った次第。昨年のJackson Guitarでのインタビューでも本人はバンドに満足している模様。
まあ、地味にソロ活動だけだとこっちの方が勿体ないよな〜。
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今回は新譜"Deceiver"を引っさげてのツアーということもあり、新譜からは6曲も披露。
新譜は良い内容だし、バンドの現在進行系を感じることができるライブはアルバム曲の新たな発見もあるのでやはり良いですね。

アルバムでキーとなる曲と思っていた"The Watcher""Handshake With Hell"はもちろんのこと、ミッドテンポな"In The Eye Of The Storm"もライブで良いアクセントになる曲でライブだと更に魅力が上がっていたと思う。
"The Watcher"は中盤にリズムチェンジして展開していくアレンジの妙はライブだと更にダイナミックに感じて最高だし、アリッサのダーティーなクリーンボーカルとオペラちっくな歌声も堪能できる"Handshake With Hell"は今回のライブのハイライトでもあった。この2曲は今後のライブでも定番になりそうかな?
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セットリスト的にはアンジェラ時代以降から満遍なくピックアップされた内容だったけど、アリッサ加入後の曲もそれに負けず存在感があり、完全にバンドの中の代表曲の位置となっているそのドハマリ感も凄い。その中でも"Wages Of Sin"からの曲はやはり特別なポジションであることを示していた曲順だと感じた。
アンコールに"Enemy Within"からの"Buring Angel"の流れはズルいと思ったし、いつもならまた演るのー!?と思う"Dead Bury Their Dead"もアンコールだとそんな風には感じなかった。彼らのライブを観るのは4年振りと今まで一番間が開いてしまったから、そう思うかもしれないけど。シャーリーのベースの見せ場としても大事な曲だから、東京二日目公演で復活させたのかな?それにしても、シャーリーは更に大きくなったような気がする・・・・

"Wages Of Sin"も20年以上前の作品になってしまうから、彼らもベテランバンドですな・・・。でも良い意味でベテランぽく感じないアグレッシブな姿勢といつもステージをかっこよく見せるコダワリがあるからだと思っている。

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"Snow Bound"に入る前のジェフのギターソロコーナーはいかにもジェフ・ルーミズ!というサウンドで、こういうのが聴きたかったので、ぜひ次作は少しはマイケルダニエルの作曲チームに割り込むぐらいジェフも頑張ってほしい!としつこく書いておきます(笑)


そういえば、目の前でモッシュピットが起きていたが、久しぶりにモッシュピットを見た〜。
柵があるところでモッシュピットは好きじゃないが、段々とライブの日常も戻りつつあると感じた。

Setlist

1.Deceiver, Deceiver
2.The World Is Yours
3.Ravenous
4.War Eternal
5.In The Eye Of The Storm
6.House Of Mirrors
7.My Apocalypse
8.The Watcher
9.The Eagle Flies Alone
10.Handshake With Hell
11.Sunset Over The Empire
12.Blood On Your Hands
13.As The Pages Burn
〜〜Encore〜〜
14.Enemy Within
15.Buring Angel
16.Dead Eyes See No Future
17.Dead Bury Their Dead
18.Jeff Loomis Guitar Solo
19.Snow Bound
20.Nemesis
21.Fields Of Desolation (Outro)

2022年ベストアルバム10枚

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もうすぐ2022年も終わろうとしていますが、皆さんの2022年はいかがだったでしょうか。

2021年以上にコロナウイルスに振り回れた一年だったけど、2022年にリリースされたアルバムはそんな素敵な記憶を蘇らせてくれる。しかし、良い音楽との出会いがあったからこそ、大変な1年も乗り切れたと思う(笑)


そんな記憶を呼び起こす意味も込めて、私の2022年のベストアルバム10枚を発表します。
例の如く、EP、ライブアルバムや再発モノ(2022ミックスものも除く)は除く純粋な新作のみをピックアップ。あと、順位も拘って付けてみました。
候補をリストアップしてみたら、平気で20枚以上を超えてしまったが、敢えて10枚を選びなおかつ順位付けもした!偉い!


2022年は感覚的に2021年と比べてアルバムのリリースが多いように思うし、数に比例して良質なアルバムが多く出たように感じる。コロナ渦が明けたこの年に狙ってアルバムをリリースしたいという思惑もあることでしょうか。アルバム数が多いとサブスクの方が経済的?だけど、やっぱりCDかLPじゃないと聴く気が起きないんですよねぇ・・・。効率の問題じゃないんだよ!いかに自分の記憶に埋め込むというか・・・



話が違う方向に行きそうなので、
まずは10位〜4位を!





10.Perfume "PLASMA"
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コロナ渦の影響で純粋な新作アルバムとしては4年振りとなるPerfumeの8枚目。Perfumeは息が長い女性グループとなっているが、その理由の一つに音楽面の全てを手掛ける中田ヤスタカのタイムレスな作曲に寄るところは間違いなくあるだろう。前作も良かったが、今作はPerfumeだからこそ表現できる音楽によりフォーカスされていると感じ、ある意味原点回帰的な要素が多いアルバムと思っている。その象徴的な曲は"ポリゴンウェイヴ”、"さよならプラスティックワールド"だが、"Drive'n In The Rain""Spinning World"と歳を重ねた3人に合わせた大人の円熟味を感じさせる楽曲もあるし、彼女達の新たなアンセムとなるであろう"マワルカガミ"もライブで聴くとPerfumeとしてのShow Must Go On精神を感じられ、アルバムとしてみたら内容の充実っぷりはやはり感嘆させられる。


PLASMA (通常盤)(特典:なし)
Perfume
Universal Music
2022-07-27




9.SOILWORK "Övergivenheten"
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近年のSOILWORKは北欧のバンドらしく、北欧に感じさせる冷たさとメロディワークを強調したエクストリームメタルの内容だが、今作でその最終形に到達したと思える充実振り。そこにビヨーン"スピード"ストリッドデイヴィッド・アンダーソンがもう一つ組んで活動しているAORバンドTHE NIGHT FLIGHT ORCHESTRAに通じる80年代ロックのメロディエッセンスが加えられていると思う。そのおかげで、アグレッシブなパートとメロディアスなパートの対比が更に鮮明になり、そのギャップさ加減が更に曲としてのドラマ性を生み出している。しかし、今作リリース後にデイヴィッド・アンダーソンが亡くなってしまい、バンドはどうなってしまうのだろうか・・・。


オーヴァーギヴンヘーテン
ソイルワーク
ワードレコーズ
2022-08-19




8.DEF LEPPARD "Dimaond Star Halos"
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7年振り、そして12枚目となるアルバムは各メンバーが影響を受けた様々なアーティストの血肉が楽曲の中に息づき、それに伴う深みと同時に更にフレッシュになったサウンドが特徴的だと思っている。完全リモートによるレコーディングにも関わらず楽曲とサウンドのまとまりの良さは近年の中でも一番なのでは!?DEF LEPPARDMOTLEY CRUEとのアメリカのでスタジアムツアーも大成功で終わったようだし、また新たな全盛期を迎えていると思う。その流れで来日を是非お願いしたいし、その際はグレイテスト・ヒッツだけでなく、新譜からの曲も沢山聴きたい。そういったパワーある曲がこのアルバムにはあると思う。






7.ARCH ENEMY "Deceivers"
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メロディックデスメタル・エクストリームメタルの代表するARCH ENEMYの11枚目のアルバム。ボーカルのアリッサ・ホワイト=グラズを迎えては3枚目、元NEVERMOREジェフ・ルーミズを迎えては2枚目のアルバムとなる。大きな会場で映えるスケール感ある楽曲に更に磨きがかかり、1曲目にいきなりアリッサのクリーンボーカルを大々的に取り入れるなど、新たな挑戦も行っている。コロナ渦の影響でジェフマイケル・アモットと面と向き合ってギターを録音できなかったので、それは次作で爆発することを待ってます・・・!(笑)



Deceivers
Arch Enemy
Century Media
2022-08-12




6.TEARS FOR FEARS "The Tipping Point"
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2012年にSUMMER SONICで来日したが、なんと18年振りとなる新譜。TEAR FOR FEARSらしいエヴァーグリーンな内容は抑えつつも2022年に相応しい「重み」がサウンドにも現れている。その「重み」は歳を重ねた円熟味だったり、昨今の世界情勢だったりするわけだが(ローランド・オーバザルの妻が亡くなったことも影響がある模様)、ベテラン勢にありがちな焼き直しなところは一切なく、新しい境地を見せてくれている。「おかえりなさい!」と強く言いたい一枚。


The Tipping Point [CD]
Tears For Fears 
Concord
2022-02-25




5.YOUNG GUN SILVER FOX "Ticket To Shangri-la"
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ソウル系バンドMAMA'S GUNアンディー・プラッツエイミー・ワインハウス等のプロデュースも手掛けるショーン・リーによるデュオの4作目。AOR直球サウンドにHALL & OATESを彷彿とさせるブルー・アイド・ソウルを混ぜ合わせたような内容だが、今作は今までで一番メロディに力がある内容だと思う。今年SNS上で教えてもらったアーティストの中で、一気に過去作も集めて彼らの魅力に取り憑かれたが、そのキッカケが先行配信された"West Side Jet"で、曲調・歌メロ・ギターソロ等、求めていたのはこれだ!という想いで一杯です。



チケット・トゥ・シャングリラ
ヤング・ガン・シルヴァー・フォックス
Pヴァイン・レコード
2022-10-21



4.MEGADETH "The Sick, The Dying...And The Dead!"
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デイヴ・ムステインはバンドに逆境がある時はいつだってそれに負けんとして、素晴らしいアルバムを出していると思うが、今作もその例に漏れず。自身のガンを克服したと思ったら、今度はアルバム製作中に苦楽と共にしたデイヴィッド・エレフソンがまさかの下半身事情で脱退という中で作り上げた今作品はMEGADETHらしいアグレッシブさがまた更に激しくなり、前作以上に充実した内容となっている。キコ・ルーレイロのギターもMEGADETHという枠組みの中でも自身の個性をより主張してきおり、更にバンドとしてまとまりが生まれている。







以上が10位から4位まででした。
では3位〜1位を。この3枚は他の7枚と比べても思い入れが一番強いということでも差別かした意味合いがあります。




3.明日の叙景 "アイランド" 
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日本のポスト・ブラックメタルバンドの2作目。青春爆発ファイヤーな感情をブラックメタルの流儀と日本的なポップスな感性でエモく・激しく爆発させ、そして、どこかセンチメンタルな音像が魅力的なバンドだが、更にグレードアップ。先行配信された"キメラ"は四つ打ちリズムの曲だが、その疾走感溢れる曲はあらゆるエモい感情を呼び起こし、彼らのアンセムとなるだろう曲だと思う。胸をかきむしるようなギターソロも素晴らしい。。



アイランド [AJCD-005]
明日の叙景
2022-08-17


 
2.WUCAN "Heretic Tongues"
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ドイツの女性ボーカルを擁する70年代ハードロック回帰型バンドの3rdアルバム。前作はサイケな方面に寄った感があるが、今作は再びハードロックにシフトしつつも新たにファンクな感性が入って、この手のバンドの中でも一つ頭が抜き出た存在だと思う。ボーカル、フルート、ギター、テルミンを操るフランシス・トボルスキー嬢の暴れっぷりが目立つが、楽器陣のタイトで柔軟性ある演奏も特筆すべきところ。



Heretic Tongues
Wucan
Spv
2022-05-20


 

1.GHOST "Impera"
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私の2022年ベストアルバム1位はGHOSTの5枚目となる新譜"Impera"でした!
前作でアリーナ型ハードロック路線に切り替わり、今作はそれを更に推し進めより普遍的なアリーナロックへと進化したサウンド。音楽性が変わっても世界観だったり、パパ・エメリトゥス4世のノッペラながらも非常にキャッチーな歌声とあくまでもハードロックで繊密なアレンジには変わりはない。更にスケールを増した彼ら、ますます世界での評価を高めているが、日本で単独公演が行う日は来るだろうか・・・?



IMPERA
ゴースト
VMLAS
2022-03-11


 


以上、10枚でした!


他にも取り上げたいアルバムはあるということで、余裕があれば、もう10枚を次のエントリーで取り上げたいと思います。


皆様、よいお年を!

【レビュー】ARCH ENEMY "Deceivers"

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ARCH ENEMY
の5年振りとなるニューアルバム"Deceivers"アリッサ・ホワイト=グラズが加入してから3作目、ジェフ・ルーミズが加入してからの2作目に当たる。


北欧メロディックデスメタルのバンドだったが、長年の活動中においてのメンバーチェンジを経て、現在はスウェーデン、アメリカ、カナダのワールドワイドな編成となり、今やメロディックデスメタルに留まらないヘヴィメタルとしての普遍性を体現しているバンドになった。


彼らの元々のコンセプトはデスメタルに華麗で哀愁たっぷりなギターソロが唐突に入るそのギャップの面白さにあるところだったと思っているが、現在は活動規模の大きさやWACKENの重要なポジションでのライブといい、アリーナ会場が一番映えるエクストリームメタルを目指していると私は考えているが、どうでしょう!?
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世の中には様々なタイプのヘヴィメタルがあるし、ヘヴィメタルファンといってもその趣向は多種多様な状況は理解しつつも、メタルは基本、カッコイイ!と言える音楽ジャンルであってほしいの私の願望であり、その願望を叶えてくれシーンの最前線にいるのがARCH ENEMYであり、今現在、メタルを知らない人にヘヴィメタルバンドを紹介するとしたらこのバンドだと思っている。JUDAS PRIESTIRON MAIDENといった重鎮でも、もちろん良いけど、メンバーの佇まい、ヘヴィメタルの攻撃性・叙情性・ツインギターのハーモニーとソロの掛け合いといった、メタルの格好良いところをギュッと詰め込んでいるからこそ、そのポジションにARCH ENEMYが相応しい。


そして、この新譜"Deceiver"もその路線を更に突き進めた内容で、聴いた瞬間ガッツポーズものだった。
アルバムの枚数が増えると、かつてのようさスリルさはどうしても聞き手側として減ってしまうが、それでも常に高いレベルの楽曲を安定的に世に放ち続けるその継続性はマイケル・アモットダニエル・アーランドソンを中心としたメイン作曲陣の努力の賜物だと思う。


音楽的方向性の大枠は変わっていないものの、作品毎に細かなアップデートがあるバンドだが、今作で印象的なのはやはり1曲目の"Handshake With Hell"だろう。アルバムの冒頭曲から、いきなりアリッサのクリーンボーカルが一部フィーチャーされている曲でビックリ!
前作も一部彼女のクリーンボーカルを入れた曲はあったが、その比重を少し上げ、更にそれを1曲目に持っていくところは良い意味でのスリルさがある。クリーンボーカルといってもアリッサの少しラフでパワーが声のトーンのおかげで、デスボイスで歌っている時と違和感は感じない。


だが、クリーンボーカルを大々的にフィーチャーしたのはこの1曲だけで、後はデスボイス中心に変わりは無い。続く"Deceiver, Deceiver"は非常にアグレッシヴでライブだとモッシュピットが起きそうなエクストリームなナンバー。


今作は特に細かなアレンジの妙が光る曲が多い印象で、やはり細部に神は宿るといったものだ。そのディティールの細かさでいえば、"The Watcher"はちょっとクサ過ぎるメロディラインがこのバンドにしてはやり過ぎかな〜と思ったが、中間部のドラマティックな展開に切り替わっていく様はこのバンドならでは魅力に溢れている。



ミッドテンポの曲でも聴かせることができるのは優れたヘヴィメタルバンドであることの証拠だが、今作のサウンドプロダクションは前作とはプロデューサーを変えた影響もあるかどうかはさておき、更に音像はクリーンとなっている。人によってはもっとラフでダーティーな方が好みという人がいるかもしれないが、このバンドが現在目指している方向性・・・アリーナでも映えるエクストリームメタルということを考えると、一番理に適っている内容だと考える。


あと、PVは無いけど、終盤の"One Last Time"は非常に強力な曲!
サビが少し明るい感じがするところが新鮮だが、この曲もアレンジがカッコよくて大好きです。なんとなくライブではやってくれない曲になりそうな気がするけど、どうですかね・・(笑)


というわけで、今作も期待に応えてくれた一枚で大満足なのですが、その鉄壁な安定っぷりが逆に物足りなくなる時も確かにあるわけで(笑)、コロナが無かったら、ジェフ・ルーミズマイケル・アモットの作曲面のコラボが、もしかしたらあったかなと思うと、そこだけが惜しいところ。
インタビューでもマイケルも言ってましたが、対面で一緒にレコーディングする計画だったのに、コロナに関する規制等でジェフがヨーロッパに渡航するができず、結局はファイルだけのやりとりになってしまった模様ですね。直接的にお互いジャムれば、何か新たな化学変化があったかもしれないと思うと、その点は本当に残念。


まあ、マイケルNEVERMOREの大ファンを公言しているが、NEVERMOREのメインサングライターであったジェフと一緒に作曲するのは別問題とも言っているので、別バンドで音楽的にイニシアチブを担っている人が来ても、それが果たして上手く機能するのかは難しいところもあるんでしょうね。しかし、一度はきちんと突き詰めて一緒にやってほしいので、そこは今度こそ次作に期待!(笑)


なお、日本盤ボーナストラックにはPICTUREのカバー"Diamond Dreamer"が収録されており、この曲はアリッサは全てクリーンボーカルで歌っているので要チェック!普通に歌っても十分過ぎるほど上手いボーカリストだから、それを中心に歌ってほしいという声は納得ですwまあ、そこは上手くバランス取ってやってほしいですな。

↓オリジナルの"Diamond Dreamer"



なお、Tシャツ付きアナログ盤も購入。Tシャツはアルバムのアートワークがのデザインでバックプリントはアー写。アナログ盤は帯付き仕様でYellow-Red Splattered模様のものをチョイス。
最近はアナログのA・B面を想定した曲順だったりするところが多いが、ARCH ENEMYの今作もそれに当たるかな?曲順とA・B面の振り分けを見ているとそう思う。
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Deceivers
ARCH ENEMYアーチ・エネミー
(株)トゥルーパー・エンタテインメント
2022-08-12


METALLION(メタリオン) vol.74
シンコーミュージック
2022-08-22


痺れるギターソロが入った10曲

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Twitter上で、ギターソロをスキップする云々が話題になっている。

HR/HM好きでギターソロや、楽器のソロが何かしらあるのが普通の世界にドップリと浸かっている身からすると、けしからん!と言いたくなるが、そうでない世界(聴いている音楽に楽器ソロが出てこない)にいる人にとっては、逆になんでソロがあるのかワケワカンネーなんだろう。でも、これって、今に始まった話でないような気がするし、演奏者に興味がなくボーカルにしか興味が無い人は昔から多くいたと思う。今はサブスクで音楽は所有する必要がなくなり、以前のように3,000円払ったCDの元を取らないと!という意識が働きCDを何回も聴くという行為が少なくなってきたという話を読んで、その辺の背景もこの話題が盛り上がった一因かも!?と思っている。


でも、こんな話題が出てくること自体、みんなまだ興味があるという証拠だし、良いことなんでは。
え!?私ですか!?ギターソロなんかスキップなんかしませんよ!曲の一部なんだし、音楽は1から10まで全部楽しみたい人です。あっ、でも、AVはなんでスキップするんだ!?あれもお金を出して買っているのに、お目当てのシーンまでスキップしてしまう・・・


話が違う方向に行きそうなんで、この記事ではこんな良いソロがあるよね!と紹介したいだけなんです(笑)
2020年にFacebookで暇を持て余して個人的にそこまで有名どころでない曲で好きなギターソロについて語ったので、その時の内容を改めてブログでまとめてみました。


というわけで、本題の個人的にグッとくるギターソロが入った10曲を紹介。ただし、例えばJUDAS PRIEST"Painkiller"といった有名曲を敢えて外した上で選曲です。(なにが有名曲かは置いておいて)


1.GOTTHARD "Firedance"
スイスを代表するハードロックバンドの1stアルバムから。ギタリストのレオ・レオーニ、ドラマティックで非常にかっこいいギターソロ弾くじゃん!と思っていたが、あとになってこれはゲスト参加していた現DEF LEPPARDヴィヴィアン・キャンベルのギターソロとわかった(笑) 



2.METAL SAFARI “How To Die”
日本のエクストリームメタルバンドの2010年作で、2ndアルバムの最後を飾る曲。曲の終盤に出てくるHiroのギターソロはメタルのギターソロのかっこいい要素を全て詰め込んだ名演だと思う。スリリングかつドラマティックで、何度も聴いても飽きない!Hiroは今や、プロデューサー業が中心となってしまったけど、またギターで表舞台に立ってほしいなぁ〜 




3.THE DOOBIE BROTHERS “What A Fool Believes”(1996 Rockin’ Down The Highway : The Wildlife Concert)
後期THE DOOBIE BROTHERSの名曲でスタジオバージョンではギターソロは入っていないが、ライブだとパット・シモンズがギターソロを入れてくる。このギターソロがあるとないでは、私のこの曲の評価が大きく変わる(笑)ギターソロがあるからこそこの曲のドラマ性が増すので、スタジオバージョンは物足りないのですww
パットのギターソロは大枠のメロディは固めているものの、細かいフレーズなどは公演毎に変えている模様でアドリブ要素も多いソロではあるが、その中でも再結成後にリリースされた1996年のライブアルバム”Rockin’ Down The Highway : The Wildlife Concert”に収録されているバージョンはギターのタメが効いて最もドラマティックな仕上がりになっていると思う。その次に良いのは82年の解散直後のライブを収録した”Live At The Greek Theatre”のバージョン。スタジオアルバムよりテンポアップしている内容でこれも良し!
まあ、この曲にここまでギターソロに拘っているのは私ぐらいのものでしょうwwww 



4.EXTREME “Stop The World”
ここの曲でのヌーノ・ベッテンコートのソロは敢えてチープな音質にしている。どうやら、デモをそのまま収録しているらしいが、それが逆に良い!曲の場面転換的な効果を生み出し、ソロが終わったあとに少しの間があって、”Stop!”という掛け声が入り、夢のような世界から一気に現実世界に戻る一連の流れを見事に生み出していると思う。そんな効果は脇に置いても、ソロ自体のメロディも素晴らしく、短いながらも何度聴いて飽きない。あえてデモを使ったので、少し変わったトーンになっているのも逆に印象的。



5.MEGADETH “She-Wolf”(Rude Awakening)
MEGADETHのベストギターソロは”Tornado Of Souls”なんだけど、それは敢えて外した上でこっちに。”She-Wolf”はライブだとデイヴ・ムステインマーティ・フリードマンのギターソロ掛け合いからツインハーモニーに入る流れが主流だったと思うが、いつの間にかスタジオバージョンと同じ内容になっていたので、公式ライブ音源として、ギターソロ掛け合いからツインハーモニーの流れが収録されているのは2002年のライブアルバム”Rude Awakening”のみで、この時のギタリストはアル・ピトレリ。鋭角的なムス大佐のソロと情熱的なアルのソロの掛け合いの対比は熱量を感じられ、そこからのハモリ〜ドラムソロ(ドラムソロは別になくてもいいと思うけどw)〜メインのツインハーモニーという流れはやっぱりこれが本流であるべき!今はキコ・ルーレイロがいるから、”She-Wolf”はこの流れでやったらきっとライブでももっと映えるだろうと思うんだけどな〜。 



6.EUROPE "Forever Travelling"
リアルタイムのEUROPE体験は再結成後の"Start From The Dark"からなので、初期からのファンと比べたら再結成後の音楽スタイルへ違和感はそこまでなかったが、次の"Secret Society"は彼らが選んだ道は間違っていなかった!と確信するほど、歌メロが充実してヘヴィさ加減もバランスが取れた名盤だと思う。その中でもこの曲は歌メロの美しさとジョン・ノーラムの深い感動を呼び起こすギターソロが本当に素晴らしい。"Secret Society"ツアーの時しかこの曲はやっていないと思うけど、またいつかライブで聴きたいなぁ・・・ 



7.STEELY DAN "Night By Night"
ロックバンドらしさが残っていた最後のアルバムと言っていいかもしれないアルバム"Pretzel Logic"ジェフ・バクスターのギターが多くの曲で強い印象を残している。その中で、"Night By Night"はストレートな曲調ではあるものの、不安を与えるコードで始まり、やっぱり彼らは変なグループだ、と印象を与える中で、ジェフ・バスクターのドライブの効いた骨太ギターソロが非常に映える。
ジェフ・バスクターは同アルバムの"Any Major Dude Will Tell You"では打って変わって繊細でメロディックなソロを披露し、個人的にはこれも外せないのでここに書いてしまおうwこのアルバムの真の主役をはジェフ・バスクターだと思っている! 



8.ARCH ENEMY "In The Shallow Grave"
ARCH ENEMYのギターソロといったら、マイケルクリスアモット兄弟によるソロの掛け合い〜ツインハモリで最高のカタルシスを迎える"Fields Of Desolation '99"でしょ!なんだけど、個人的にはメジャー過ぎる選曲と思ったので(笑)"Rise Of The Tyrant"からのこの曲のソロを。ザクザクと刻むリフからドラマティックなアモット兄弟のソロの掛け合いは、このバンドならでは。
この曲、記憶が確かならライブでは1回だけしかやっていないよね?日本ツアーの次の韓国公演が急遽キャンセルとなってしまい、緊急で追加された今は亡き原宿アストロホールでのスペシャルライブの1回だけだったような。ファン投票でこの曲は選ばれてたので、今でもライブで聴きたいと思っている人は一定数いるはず・・・。またライブでやってほしい。
ちなみにこの原宿アストロホール公演は終演後、観客全員に対してのサイン会も行われて、本当にスペシャルな公演だったなぁ。



9.NEVERMORE "Enemies Of Reality"
基本的にはメロディがあるギターソロが好きだけど、スリリングさを感じるソロも好きということで、そんなソロでパッと思いつくのはやっぱりこれかなぁ。ジェフ・ルーミズはリフワークもユニークで好きだけど、テクニカルかつ鬼神の如き"氣"を感じるツインハモリソロにKO。
NEVERMOREライブを体験できたのは最後の来日となった2010年のTHRASH DOMINATION二日間だったが、二日目はSANCTUARYで出演予定が急遽、二日間ともNEVERMOREとしての出演に変わりましたよねー。後にバンドは活動停止となって、その後ボーカルのウォーレルも死んでしまったことを考えると、二日間ともNEVERMOREとして出演して良かったと思っている。ジェフ・ルーミズはそろそろARCH ENEMYでも本気見せてください(笑) 




10.RORY GALLAGHER "Follow Me" (Live from "Stage Struck")
最後の10曲目。ヤベ!あれもこれも取り上げていない、どうしよう〜〜〜と悩むところだが、ハードロックのギターソロのかっちょいいところが凝縮されたロリー・ギャラガーのこの曲のライブ盤(ライブ盤じゃないと駄目!)で締めます。
理屈はいらねぇ!と言わんばかりの暑さを感じる迫力あるソロは痺れる〜〜!!特に曲の終盤にかけての展開は最高っす。ロリー・ギャラガーはブルーズギタリストだけど、70年代後半はハードロック的な曲も多くなって、ソロもハードロックなアプローチに変化していっている。個人的にこの頃のロリー・ギャラガーが一番好きだなぁ〜。 
 


これらの曲からソロが無くなると物足りないよなぁ〜。つまり、そういうことなんです。

【ライブレポ】DOWNLOAD JAPAN 2019 Part1@幕張メッセ 2019.3.21


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日本初開催となったDOWNLOAD FESに行ってきました。ヘッドライナーのOZZY OSBOURNEはオジーの体調不良に伴い、開催1ヶ月前にキャンセルとなるが、フェス同日の南アフリカ公演がキャンセルとなったJUDAS PRIESTが急遽ヘッドライナーで出演決定という開催前に劇的な展開が起きていた。
2018年はLOUD PARKが開催されなかったこともあり、いざ会場に行くと予想以上に多い人!やっぱりみんな大型メタルフェスに飢えていたんだな。長くなるので3回に分けて書きます。

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まずはオフィシャルバーでビールを注入してから、AMARANTHEから見ることに。DYNAZTYのリードシンガー、ニルス・モーリンが加入してからの初の来日公演、フォトジェニックかつ歌の上手さも際立つメンバーが入って更にパワーアップした印象を受けた。エリーゼ・リードは健康的なセクシーさもあって一番目立つ存在だが、バンド全体にも見せ場があるのでバランスも良い。
新譜"Helix"はキャッチーさに欠ける内容だと思うがライブだとゴリゴリ系の楽曲は良いアクセントだなと思った。それでも、やはり、3人のボーカルが交代交代で歌っていくこの切り替えの上手さのカタルシスがこのバンドの持ち味だけど、ライブだとそのゾクゾク感が更に増す。願わくばそのカタルシスが最も強い"1.000.000 Lightyears"が聴きたかったなー。
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AMARANTHE Setlist
01.Maximize
02.Digital World
03.Hunger
04.Amaranthe
05.GC6
06.Helix
07.Drop Dead Cynical
08.Call Out My Name
09.The Nexus



AMARANTHEが終わった後は早いランチタイムとして、次に新譜"Vicious"を引っさげて来日したHALESTORMを観ることに。客入れの導線がよくわからないが、通路側に人が集まりやすいこともあり、通路の反対側まで移動。これ以降はだいたいそんなポジションで観ていた。

新譜からのオープニングナンバー"Black Vultures"リジー・ヘイルの迫力あるボーカルが響き渡り一気に世界観に突入させてくれる。
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事前にゲストが出演するという話だったが3曲目の"Lovebite (So Do I)"LOVEBITESasamiが登場。リジーとボーカルを分け合い、サビはコーラスを担当。場内は大いに盛り上がったが、リジーasamiの声質がまるで違うので違和感ばかり残ってしまったような。asamiがコーラスに回ると良い感じだったけどね。

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リジーの迫力あるボーカルがグイグイとライブを引っ張っていくが弟のエアジョイも負けていない。トミー・リーばりの豪華なドラミングにドラムソロコーナーは箸で叩くがこれはすぐにやめて、CHEAP TRICKバン・E・カルロスを彷彿とさせる巨大スティックで叩くなどエンタメ性も十分。
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新譜のボーナストラックに収録されている"Tokyo"も披露。ここは東京でなく、幕張・・・ということは野暮だが(笑)、東京への憧れを彼ら目線で歌った内容の歌詞は良いもんだ!曲としては面白みに欠けるけど歌詞が重要な曲なのである。

メタルフェスらしく、ハードなナンバー中心のセットリストだったが、コンテポラリーな"Here To Us""Dear Daughter"も聴きたかったなー。リジーのボーカルの上手さをもっと堪能したかったので単独公演が見たい!

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HALESTORM Setlist
01.Black Vultures
02.Mz. Hyde
03.Love Bites (So Do I) (with Asami from LOVEBITES)
04.Tokyo
05.Amen
06.Do Not Disturb
07.Drum Solo
08.Freak Like Me
09.Uncomfortable
10.I Miss The Misery



次は反対側のステージでARCH ENEMYを。彼らが日本のメタルフェスの13時台で登場するのは今となってはレアな光景。何度も観ているので休憩タイムにしてもよかったが、恐ろしく高いレベルで安定している彼らのパフォーマンスは気が付いたらずっと観てしまうほど。
4曲目の"Blood On Your Hands"は公演によってはやったりやらなかったりするが、他の曲はライブの鉄板というべきものなのでセットリスト的に面白みは無い(笑)ただし、初めて彼らのライブを観る人にとっては怒涛の内容だと思うけどファンとしては贅沢を要求しちゃうよねーw
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去年の来日と比べてアリッサは髪型は元に戻したかな?こっちの方が似合うと思う。

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セットリスト的には後半が少しイマイチかなぁ・・・。4曲目ぐらいでこの後に備えて離脱してしまったけど、個人的にはもう少しアッ!と驚く選曲があって、離脱しなければよかった!と思わせてほしかった(笑)

ARCH ENEMY Setlist
01.The World Is Yours
02.Ravenous
03.War Eternal
04.Blood On Your Hands
05.You Will Know My Name
06.Dead Eyes See No Future
07.The Eagle Flies Alone
08.As The Pages Burn
09.Dead Bury Their Dead
10.No Gods, No Master
11.Nemesis



そういえば、フェス前半はHR/HM界を代表する女性シンガーが集まっていたじゃないか!
と思ったら3人一緒に写真を撮っていた。うん?この金髪の美女は・・?アンジェラ・ゴソウじゃないか!今はAMARANTHEのマネージメントも手掛けているから来日していたんですねー。


いよいよ、次は今回のフェスの個人的大本命GHOSTが。
Part2に続く・・・

プロフィール

sekibow

熱苦しいハードロック、ヘヴィメタル、スラッシュメタル、ドゥーム・ストーナー系メタル、プログレ、そして70年代〜80年代のウエストコースト系ロックを愛するパフュメタラー。Sign of the Hammer Be My Guide

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