今年の9月に横浜赤レンガでで開催されるBlue Note Jazz Festivalにドナルド・フェイゲンがトリとして出演するので、行こうかどうか迷っているけど、彼のソロはそういや、"The Nightfly""Sunken Condos"しか持っていないから他も聴いておかないと・・・ということで色々と探していた。

彼が2006年にリリースしたソロ三作目の"Morph The Cat"は通常盤CDの他に5.1chサラウンドが収録されたDVD-Audio盤もあるので、それは某塔店のオンラインでオーダーしていたけど、2ヶ月以上待っても入荷の気配は無く、終いにはキャンセルされてしまう始末。中古でも探していたけど、通常盤CDしか無いし、もうDVD-Audio同梱盤は諦めようかな〜と思っていたら先日の大阪出張の時にユニオンを覗いたら、発見!!しかも、コンディション良好で値段もそこそこ安かったので、これはゲットするしかないでしょう(笑)

ということで、DONALD FAGENの "Morph The Cat"(CD+DVD-Audio盤)だが、通常盤ジャケと比べて5.1 SURROUNDED SOUND MUSICという文字が入って、ジャケも全体的に歪んでいるアレンジがされている。
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 ↓は通常盤のジャケ
Morph the Cat
Donald Fagen
Reprise / Wea
2006-03-07


1曲目の"Morph The Cat"でいきなり、重たく地を這うようなベースサウンドと派手さは全くないが非常にタイトなリズムを刻むドラムサウンドで幕を開ける。



そしてこの派手さは無いが、妙に自己主張を感じるリズムセクションがこのアルバム通じての肝だと思う。全身全霊、ひたすらビートを刻むことに集中しているかのようなサウンドは一番耳を持っていかれるし、誰がリズム隊なのかなー?と思ったら、そのドラムは現STEELY DANのドラムでもあるキース・カーロック(この人はいつになったらTOTOの正式メンバーとなるのだろうか?w)で、ベースはフレディ・ワシントン。この人も現STEELY DANのツアーメンバーですね。逆にギターはクレジットを見ただけでも6人レコーディングに参加しているのに、リズム隊はほぼ固定という内容、そして、そのリズム隊は現STEELY DANのツアーメンバーというのはちょっと面白いかも。

そんなリズム隊がドッシリと構えて、そこに何重のサウンドを重ねた都会的でオシャレかつひねくれたサウンドがこのアルバムの特徴。暗いサウンドまでといかないけど、都会のダークサイドをほのかに感じさせるところはSTEELY DANの"The Royal Scam"を彷彿とさせるかもしれない。"Morph The Cat"の方がもっとヘヴィな印象を与えてくれるけど。

アルバム1周目の時は全体的に淡々としていて、ちょっと地味かな・・と思ったが何回か聴いていくうちにスルメになるアルバム。わかりやすさで言えばソロ1作目の"The Nightfly"に軍配が上がるけど、この"Morph The Cat"の方が繰り返し聴きたくなるなぁ〜。

さて、肝心のDVD-Audio盤に収録されている5.1chサラウンドは96kHz/24-bitなんで、音自体も素晴らしい。元々録音状態は大変良いアルバムだけど、キース・カーロックとフレディ・ワシントンのリズム隊の音の重さはDVD-Audio盤だと更に迫力があるので、DVD-Audio盤を聴いてしまうと、通常CD盤が物足りなくなる(笑)
コーラス隊やホーンセクションはリアスピーカーに配置されている構成で、重ねたギターサウンドもサラウンドだと分離が更に良く聴こえ、正統派なサラウンド作り。このDVD-Audio盤はグラミーのBest Surround Sound Albumを受賞したようですね。5.1chだとサウンド全体的にグルーヴ感が増して、ノリが更に良く聴こえる印象。特に"H Gang"はパッと目の前の視界が開く印象で、思わず、「オオッ」と漏らしてしまうぐらい。


DVD-Audio再生時にはスクリーンには各曲毎のイメージ映像が流れるけど、やっぱり都会の暗い情景がこのアルバムにはとっても似合う。うーん、野外でDonald Fagenの曲やSTEELY DANの曲を聴いたらさぞ、気持ちいいだろうな〜、Blue Note Jazz Festivalに行っちゃうかーw

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Morph the Cat (W/Dvd) (Spec)
Donald Fagen
Reprise / Wea
2006-03-20