2015年に解散したはずのMOTLEY CRUEが2020年に復活(笑)と同時にDEF LEPPARDとのアメリカでのスタジアム公演が発表され、コロナ禍による延期があったが、アメリカ〜欧州と続いて、この日本でのこの2組によるライブが行われることとなった。
両バンドとも大好きなので、チケットは奮発してGOLD席を買ったが、今回のライブを観るまではMOTLEY CRUEには正直なところ期待をしていなかった。
2015年の来日公演で最後だったサヨナラツアーを観た後に自分の中で区切りが付いていたことと、サウンド面での肝であるミック・マーズが脱退してしまったので、彼等のウリである未だオリジナルメンバー!ということも無くなってしまったし・・。それより素晴らしい新譜を出してライブでも安定したパフォーマンスをしているDEF LEPPARDの前座という気持ちがあったかな〜と思う。
このカップリングによるライブは日毎に交互に順番を変えていくものだが、来日公演は横浜二日間のみ。そして、私が行ったのはDEF LEPPARDが最後を務める二日目を選択。
会場となるKアリーナ横浜は今年の9月にオープンしたばかりの新しい会場で最大キャパは2万人。
横浜駅から歩いていくと道に迷いそうな気がしたので、一番最寄り駅である新高島駅から行くことに。ここからだと道に迷わずに行くことができる。
物販の先行販売は12時からということで、会場に着いたのは11:15頃。そして、実際にグッズを購入できたのは13時。やく2時間弱待っていたということに。Kアリーナ横浜は物販ブースが広いこともあったが、この手の長時間並ぶ物販はやはり友人と一緒に行けば、楽しく待つことができる。
それにしてもTシャツの値段も年々上がって来ているが、それがここに極まり!という感じに。両バンドのコラボTシャツは6500円!!!ええ、それでも買いましたよwww 円安や戦争、コロナ禍のダメージが憎い・・・・。
開場まで時間があるので、近隣のレストランで食事をしようと思ったが、会場敷地内には数台のキッチンカーがあるのと椅子はないが、階段に腰掛けることができるので、会場敷地内で食事。値段は安くないが、この日は風も無く、気温も高かったので外で食べるにはちょうど良い天気。友人達といろいろお喋りしながら食べていたら・・・
MOTLEY CRUEのダンサー二人がちょうど会場入りするところに見かけた。メンバーと一緒に車で会場入りじゃなくて、普通にスーツケースを引きながら徒歩で会場入りするのかー、とちょっと驚き。しかし、化粧していない姿でも十分過ぎるほど美人さんですね。ヴィンス・ニールの歌がダメ過ぎたら、このダンサーさんをずっと観ておくか・・と思ったり。
さて!開場時間にもなったので、会場入り!席はアリーナだけど、なるほど確かにどこからでも見易い会場だと実感。伊藤政則のDJタイム中だったが、私が確認できたのはCHEAP TRICK、GHOSTを流していたが、メンバーの好きなバンドで選曲していたのかな?
このは川崎でKAMELOTのライブや、幕張でNEX FESTもあるなど複数の公演が被っていたので、さすがにこの強力な2組の組み合わせも今の日本だと集客はどうなんだろう・・?と不安に思っていたが、8〜9割ぐらいは埋まっていたので、まだまだ日本のHR/HMシーンの底力はあると実感。
客層は当然ながら40〜50代が中心だと思うが、それでも若いファンと思わしき人は結構目に付いたし、まだまだ開拓する余地もあると思ったけど、どうだろうか・・・??
MOTLEY CRUEにはほとんど期待していなかったが、初日を観た友人が見直した!と言っていたので、ちょっと期待も膨らんできたが、ライブがスタートすると、あの不穏で怪しい雰囲気で会場内の空気が一変。どんなことを見せてくれるんだろう?という期待感が出てくるところは流石!
結論を先に言うと、あまり期待してなかった分、余計にMOTLEY CRUE・・・まだまだやれるじゃん!凄いし、感銘を受けた!ミックが脱退した時にあいつらはテープを使っている云々・・でゴタゴタがあったが、少なくとも私が聴いた限りでは演奏をちゃんとしていたと思うし、ヴィンスも今まで観たライブの中で一番身体を絞っていたし、声もよく出ていた。まあ、曲によって歌メロを完全に崩してフリーダムな感じで歌っているのはあったけど(笑)、それでも今までで一番歌えていたのは嬉しい驚きだった。
ヴィンスに対してどんだけハードルを低くしていたのか(笑)ということはあるけど、歳を重ねてもまだあれだけ歌えるのは良い意味での誤算。
バンドのボスというべき、ニッキー・シックスは多少ふっくらしたとはいえ、その佇まいは非常に絵になる。2015年のフェアウェルツアーの時は明らかに弾いてない時があったが(笑)、今回はブリブリと凶暴なベースサウンドを奏でて演奏面も安定していたように思える。Kアリーナ横浜は音響の良さを感じる会場だったが、バンドのサウンドはそれ以上にダーティーでうるさい音になっていたように感じた。
ファンをステージに上げるのはこのツアー恒例の光景の模様だが、壇上に上げたファンと一緒に自撮りする時に「大丈夫?もう一回撮ろうか?」と気遣いするので、ファン想いという点では彼が一番ですね。
すっかり盆栽おじさんとなったトミー・リー(笑)来日公演を一番楽しんでいたのは彼なんでは?というぐらい公演の2週間前から来日し、趣味の盆栽を始め、日本各地を旅行していたのは各種SNSで確認できたけど、その日本に対する想いは彼のMCタイムで十分過ぎるほど伝わっていた。
普段ならすぐ次の公演地へ移動しないといけないが、今回は2週間に及ぶ日本での滞在で文化、食事、人々、その全て魅了されたことを彼ならでは表現で嬉しそうに喋っていてご機嫌でしたねー。「ヤバーイ!」という日本語も覚えたようで(笑)
そのMCタイムから直前で亡くなってしまったロードクルーに捧げる"Home Sweet Home"に行く流れは、まだまだバンドのマジックがあることを感じさせてくれた。
それにしても、叩いている姿が非常に絵になる、正に魅せるドラミングは彼ならでは。結局ライブにおけるモトリーサウンドの要はトミーのドラムとギターがしっかりしていれば後はボロクソでもなんとかなると思っている・・・。
そして、ミックの後任で加入したジョン5はマリリン・マンソンやロブ・ゾンビのギタリストとして活躍しているが、アクの強いアーティストと活動しているせいか、彼も非常に個性的なルックスで他の3人に負けず劣らずの存在感だった。
ミックのような豪快なギターサウンドよりは正確性を重視した印象を受けたが、テクニカルなプレイも得意なところは彼のギターソロコーナーで個性を発揮。それでも、プレイ自体に関してはミックのギターを完コピして彼へのリスペクトしているところが伝わった。
ニッキー同様、彼も衣装直ししていたし、身体的なハンドを抱えていたミックと比べると広いステージを縦横無尽に動き回ったり、この日はなんと!三味線を弾くシーン(さすがにバチではなくピックで弾いていたが)もあったりと、この辺の演出やアピアランス面で日本ファンの心を掴んだ気がする。
あと、今回はなんといっても女性ダンサーの二人がとにかく可愛かった!
前はもう少しケバケバしい感じだったが、今回のツアーに参加している二人はセクシーなヒップラインもさることながら健康的でナチュラルな感じがあり、日本人的には好みだと思う(笑)衣装替えも頻繁に行っており、どうしても目が行ってしまうのは仕方ないですねー。
セットリスト的には新曲らしい新曲は自伝映画Dirtの主題歌"Dirt"が入ったぐらいで後は王道のグレイテスト・ヒッツな内容。そんな中でもおおっ!と思ったのはカバー曲メドレー。モトリーのカバーといえば"Smokin' In The Boys Room"が毎回ライブで演っている定番曲だが、そこからカバー曲をメドレーで(しかも誰もが知っている有名曲)繰り出していくのは単純に盛り上がるし、効果的だったと思う。メドレーは個人的に好きじゃないけど、カバー曲のメドレーはアイディアとしてアリ。
非常に個性豊かな4人がステージ上でそれぞれ個性を発揮させるのがモトリーのライブの醍醐味だと思うけれども、ミックからジョン5に変わってもそれは変わらず。
そんな中。演奏面においては今まで観た中で一番しっかりとしていたのが印象的だった。その上でのグレイテスト・ヒッツな選曲は盛り上がらないわけがない!こんなに盛り上がってしまって、次のDEF LEPPARDに体力を取っておかないと〜と思いつつも、目の前のモトリーならでは妖しさと混沌が渦巻いたそのロックンロールショウに身体を止める術は無い(笑)
今回、MOTLEY CRUEが大好きな気持ちが再び湧いてくるなんて正直予想もしていなかった!
この日本〜オーストラリアツアーの前は休養期間があった分、メンバーも心身ともリフレッシュした上で来日していると思うし、このDEF LEPPARDとのジョイントツアーはお互い90分キッカリで終わることになっている分、内容も十分に詰め込んでいるのがバンドのパファーマンスにとって、良い影響だったのかな〜と考えている。
あと、演出面でもパイロ等はないから演奏に集中できた環境もよかったのかな。
ニッキーがMCで俺たちはあと10年はやるぞ!と言っていたが、この状態ならそれもあながちウソじゃないかも・・と思っている。70を過ぎたニッキー、トミー、ヴィンスの姿は中々想像できないが、ジョン5も加わってあとアルバム1枚とツアーなら十分あり得ると思うほど、バンドの状態は良いように感じた。
ミックがいないのは非常に寂しいが、バンドとして前進を続けることの意義については納得できた今回のライブだった!
土曜日の余韻が続いているので、MOTLEY CRUEからDon’t Go Away、Looks That Kill、NikkiとTommyのMCタイムの一部を撮ったものを。 pic.twitter.com/gnylgvrKak
— sekibow (@sekibow666) November 6, 2023
Setlist
1.Wild Side
2.Shout At The Devil
3.Too Fast For Love
4.Don't Go Away Mad (Just Go Away)
5.Live Wire
6.Looks That Kill
7.The Dirt (Est. 1981)
8.Guitar Solo
9.Rock And Roll, Part2 / Smokin' In The Boys Room / Helter Skelter /
Anarchy In The U.K. / Blitzkrieg Bop / Fight For Your Right
10.Home Sweet Home
11.Dr. Feelgood
12.Same Ol' Situation (S.O.S.)
13.Girls, Girls, Girls
14.Primal Scream
15.Kickstart My Heart
次のDEF LEPPARDに続く・・・・