tool_fearinoculum

TOOLの13年振りとなるニューアルバム"Fear Inoculum"、毎年今年こそは出る、いややっぱり来年かも・・という繰り返しだったので、まさに待望のアルバム。8月末にリリースされたが、CD盤は初回限定盤しかなく(!)、タワレコオンラインでオーダーしていた分は9月中旬に発送されるでないか!発売日から聴くにはストリーミングサービスやダウンロード販売を使うしかなかったが、ここはグッと我慢。こういう時は焦った方が負けなのよね!


そして、やっとCD盤が届いた!えっ、なんだこの梱包は・・・。
IMG_3464

もっと大きなものかと思ったが、予想よりはコンパクト。輸入盤しか無いのだが、日本のショップ経由で買うとソニーが輸入元として販売しているそうで、日本独自のラベルが貼られていた(国内盤は出す気が無いのか、本国から許可降りないのかどちらだろう?)
IMG_3465



注意書きを読むと、え!!??「パッケージを開くと、ビデオが自動再生され大きな音声が流れます」って、書いてあるけど、なんじゃ、こりゃ!?
少々ビビりながら封を切ってパッケージを開くと、パッケージにと一体化された4インチサイズのスクリーンに映像と音声が自動再生される。パッケージの中も含めて前作の"10,000 Days"のアートワークの流れを組んでいるかような異型のキャラと画面を覆い尽くす限りの目玉の映像に不協和音な音が流れるという内容。パッケージを閉めると自動的に再生が止まって、開くとまた最初から再生されるという仕組み。一応再生・停止ボタン、音量調整ボタンはあるが早送りはできないwまだ最後まで映像観ていませんww
IMG_3655

IMG_3656


内蔵のリチウム電池で動いているらしく、電池が切れたどうするの!?と思ったところ、中に充電用のコネクタとUSBケーブルが同梱されていた。こんな仕様のアルバムは初めてだ!(笑)
IMG_3476


映像を見ながらアルバムを聴くとよりディープに世界観に浸れるということなのだろう。しかし、CDを取り出すには必ずパッケージを開く必要があるから、CDを出し入れをする度に映像と音が流れるこの仕様は段々と面倒くさくなるw強制的に映像を見てほしいというバンド側の強いメッセージを感じる仕組みだ(笑)

あと、少し驚いたのがブックレットに全曲歌詞が掲載されていること!少なくとも過去3作は歌詞の掲載がなかったので、これは地味な驚き。 
そして、MP3ファイルがダウンロードできるDLコード付き。アルバムは全10曲だが、収録時間の関係上CD盤は7曲のみ。残りの3曲はストリーミングなどのサービスで聴く方法もあるが、ストリーミングを使用しない人もいると思うので、配慮としては嬉しいかな。

IMG_3468

試しにMP3ファイルをダウンロードしてみたが、320kbpsのビットレートだったので、せめてCD音質と同等のビットレートは欲しかったところ。。私はCDからリッピングできる分はApple Losslessで置き換えておきましたw

スクリーンショット 2019-09-19 0.56.23
さて、パッケージに関してはこれぐらいにして、肝心の音はどうか!?
アルバムを3周ほど聴いてうえでの感想としては、TOOLらしさに溢れた内容クォリティでまずは一安心。10分以上の曲が多いから全貌を掴むまでは時間がかかるが楽曲に馴染みが出てくると新たな発見が次々に出てくる、正に噛めば噛むほど味が出るアルバム。

アダム・ジョーンズのキレのあるリフワークに、ダニー・ケアリージャスティン・チャンセラーの鉄壁のリズム隊は相変わらず素晴らしい。特にダニーのドラムは気持ち良いぐらいのドラムサウンドと怒涛のドラムフィルの入れっぷりは過去最レベルかも。音質も過去最高によく、各楽器のナチュラルな音作りの鳴りっぷりが実に気持ちよく、このバンドでしか生み出せないグルーヴが120%表現されていると思う。ボーカルのメイナード・ジェームス・キーナンは少し後ろに引っ込んだ感がある印象だが、それは単に曲が長いからそう感じるのかなぁ。


特に皆が驚くようなサウンド面の変化はないが、動と静のコントラストが今まで以上に際立っておいると感じた。今までと少し変わったなと思ったのは"Descending"の中間部分のインストパートはTOOLにしてはかなりキャッチーな内容だったり、"Chocolate Chip Trip"はTOOL版"Moby Dick"といった感じでダニーのドラムソロが堪能できるところかな。
そんな変化球も多少ありながらも、CD盤も最後を締める"7empest"はアルバムの中で最も長い15分弱の曲でその重厚っぷりに圧倒!
 

アルバム3周以上してもこれが傑作かどうかはまだ断定できないが、何度も聴いてアルバムの全貌を知りたくなる中毒性の高いアルバムであることは間違いない。取っ付きやすさは前作の"10,000 Days"が一番だと思うが、"Fear Inoculum"はどうかな・・・?アルバムの中盤辺りから本気を見せる感じの内容だが、聴き終えた後は・・・・・・やっぱり傑作だな!と思う。最初はイマイチと思っても最低3周は聴いてください(笑)私は3周目にパッと視界が開いた感で、そこからもうこのアルバムはたまらんです。


それにしても、こんな濃厚でディープなアルバムがテイラー・スウィフトのアルバムを追い抜いてアメリカのビルボードチャート1位獲得はエピックメイキングな現象だと思う。
アメリカの音楽シーンの懐の深さを感じる現象で、羨ましいなぁ。。


TOOLの名に相応しいこの新譜を引っさげてツアーを開始する彼らだが、来日公演もぜひ期待したいところ。TOOLライブ初体験は2007年のZEPP TOKYO単独公演で、独特のスクリーン映像とスポットライトを全く浴びないメイナードの姿が強烈だったが、それ以上に楽器陣の繰り出すアンサンブルの素晴らしさにKOだった。その次は2013年のOZZFEST JAPANで観たが、次に出るトリのBLACK SABBATHに集中したかったので、ちょっと印象が薄くなってしまった^^;


というわけで次は単独公演を是非!!アダム・ジョーンズ、実はなかなかの日本通と判明したので、来日公演は確実でしょう!!(笑)