Heart Of Steel

買ったアルバムの感想を語る場

GUNS N' ROSES

「メタルファンは、死ぬまでメタルファンなんだ。パーマネントに『あ~○○年の夏はSLAYERをよく聴いたよな~』みたいな聴き方をする奴は一人もいないよ」byロブ・ゾンビ

【ライブレポ】GUNS N' ROSES@さいたまスーパーアリーナ 2022.11.5

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GUNS N' ROSESの5年振りとなる来日公演の初日に行ってきた。
前回はスラッシュダフ・マッケイガンが復帰して、誰もが望むラインナップとなったが(イジー・ストラドリンスティーヴン・アドラー or マット・ソーラムはいないけど)、今回もラインナップに変更は無し。

正直に言うと今回の来日は前回2017年の公演も観ているからパスしようと思っていたが、妻が今回も観る!と息巻いていたので、チケットを一緒に取った。
結論を言うと行ってよかった!ライブ後の余韻も長く、やっぱりいつだって刺激的なバンドだったと実感。

前回2017年のアクセル・ローズは風貌こそ歳を感じさせたが、衰えない歌声が非常に印象的だった。今回は新曲のリリースや、Use Your Illusionの30周年ボックスセットがリリース間近といった話題もあるが、どんな内容になるのか!?

↓2017年1月の来日公演時の写真
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さて、さいたまスーパーアリーナに着いたのは15時頃だが、物販列を覗くと物凄い長蛇の列。前回はけやき広場をフルで使った物販ブースだったので回転は早かったが、今回はBゲート付近にブースを設置してそう広くない。これは回転率が悪いはずだと思い、物販は早々に諦め。さいたま新都心駅にはコクーンシティがあるから時間を潰すには困らない。
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開場時間となり入場。アリーナ席のやや後方だがそこまで遠くは感じない。さいたまスーパーアリーナは公演規模に応じて広さが変わる会場だが、前回の時よりもやや狭い感じもしたけど、気の所為かな?
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まずはオープニングアクトのLOUDNESS
日米を代表するギタリストが一度に観れるのはなんて美味しい組み合わせなんだ!前座にしては音がかなり大きいし、高崎晃のギタートーンはいつだってクリアで音が分厚く、そのスリリングなギタープレイは初めて観る人を釘付けにする。

ライブは彼らの代表曲ともいうべき"Crazy Night""Crazy Doctor"のCrazy2連発でスタート。ここにいる観客なら彼らのことを詳しく知らない人でも一度は聴いたことがある曲だと思うから、前座とは思えない盛り上がりがあったと思う。

そこから、第三期LOUDNESSからの"Black Widow"で、これはライブでも時折やっているらしいが、ちょうど第三期LOUDNESSのセルフタイトルアルバムの30周年盤が出たこともあって、個人的にタイムリーな曲。新作からの2曲も入れ、最後は必殺の"S.D.I."で30分弱のステージは終了。

LOUDNESSのライブを観るのは久しぶりだったが、短い時間の中でも変わらぬ凄さを再び体感できて楽しかった!
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LOUDNESS Setlist

1.Crazy Night
2.Crazy Doctor
3.Black Widow
4.Stand Or Fall
5.大和魂
6.S.D.I.



そして、いよいよGUNS N' ROSES
ライブ前にとなりのブロックにいた外国人の集団が叫びまくっているわ、日本人の観客でもガンズコールをするわで、このカオティックな雰囲気こそガンズだね!と思うので、日本もまたこうした雰囲気のライブができるようになったのは嬉しいところ。この前の週に同じ会場で観たPerfumeとはその辺が大違いだったが・・・・^^;


開演の18時になってもライブは始まらない。すっかり時間通りにライブを開始するバンドになったが、この日は20〜30分遅れでスタート。ま、たいした問題では無いな(笑)

ライブは"It's So Easy"でスタートしたが、音が小さくてしょぼい!そして、アクセル・ローズの歌声は
出ていない!(涙)バンドの音は徐々に改善されていったが、アクセルの声はこの曲ではなかなかエンジンがかからないので、やはり60歳にもなったから20歳の血気盛んな時に作った曲を当時のままで歌うのは難しくなってきてしまったとか、色々考えていたが、ライブが進む度にボーカルの調子も上がってきたと思う。歳を取ったことが更に顔に滲み出てきているが、身体は前回よりシェイプアップして、動きも軽やか。そして、笑顔でいることが非常に多い!
アクセルがこんなニコニコしながらライブをしているなんて、驚きだが、良い意味で更に丸くなってきたことか。
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そんなアクセルと別に抜群の安定感を見せるスラッシュ
前回の来日公演で初めてスラッシュのギター・プレイを生で体感でき、その時にも思ったのは、彼のギタートーンは本当に聴いていて本当に気持ちが良い。今回は更にそのギターを堪能。テクニックを超越したそのギターの音色は余分な装飾がなくナチュラルにギターの音を奏でてくれる。もうスラッシュがいないガンズなんて想像も付かんわ。

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そして、ダフ・マッケイガンの変わらないカッコよさはさすが。ダフがボーカルの担うTHE STOOGESのカバー、"I Wann Be Your Dog"の時は「コンチワ、マザーファッカーーー!」の掛け声がとんでもなくかっこよくて痺れた(笑)

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そして、途中で着替えたMOTORHEADのTシャツ姿もカッコイイ!
どうやら日本人タトゥーアーティストがデザインしたTシャツらしいが、ネットで売っていたので思わず購入(笑)
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おおっ、ステージ横にはダフの奥さんも見えますな。遠目からでも目立つ(笑)さすがセレブ。
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さて、肝心のライブの中身としてセットリスト的にはライブで必ず演らないといけない曲は固定化が続いている状況ではあるが、その中でもやっぱり注目すべきは今年リリースした新曲。"Absurd""Hard Skool"がライブの中盤辺りに出てきて、さすがにアクセルも新曲だと歌い易いのか、違和感なく伸びやかに歌っていたのが印象的だった。この辺から完全に本調子になり、ライブ序盤で感じたアクセルの歌声の違和感はもうなかったような気がする。

新曲はどちらも"Chinese Democracy"の製作期に作った曲が元にということらしいが、"Hard Skool"は往年のガンズらしさ溢れる内容でかっこいい曲だと思う。



他にもVELVET REVOLVERの曲から"Slither"も演ったりと、かつてバンドから脱退したスラッシュダフが結成した別バンドの曲もやるなんて、アクセルも丸くなったね・・・
ついでにライブ中も何回もTシャツお着替えがあり、少し会場がどよめいたのはがAKIRAのTシャツで登場した時。日本だから着てくれたということかな?
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ライブ後半になると、この後に出てくる曲はわかっていても盛り上がりが凄いところがこのバンドが数々の名曲を持っていることを物語っている。体感的には"Civil War"以降は会場の熱が更に一段と上がったと思う。

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終盤の展開はどれもハイライトだが、一番印象的だったと言えるのは、例え冷たい雨が降っていなくても"November Rain"を11月に聴けたというところかな!前回はDEREK AND THE DOMINOS"Layla"をちょっと弾いたりと遊び心もあったが、今回は原曲通りに進んだのでそこは何か入れて欲しかった気もする。しかし、会場内のスマホライトによる灯りも相まって、更に雰囲気が出ていた。
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本編最後は"Nightrain"!序盤に出るより、終盤の大事なところで出てくるといつも以上にテンションが上がる!この曲はやはりこういう位置でこそより映えると思うので今回は曲順はかなり良いと思っている。

と思ったら、アンコールの1曲目は"Coma"(笑)
前回も演っていたし、アクセルは結構好きな曲なのかな・・。個人的にこの曲はレア曲扱いの方が嬉しいがw
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そして、弦楽器陣が集まりTHE BEATLES"Blackbird"を弾いて、"Patience"という流れに。もうアクセル"Patience"が必要という話でもないですね(笑)ここから"Don't Cry"に行くのかな?と思ったら、この日は無しで翌日公演に入れ替えていた模様。
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最後はお約束の"Paradise City"で締め!
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アクセルの声は年齢による衰えは見えてしまったものの、ライブ後は行ってよかった!という高揚感で一杯。後で映像を観たら、印象が変わるかもしれないが、現場にいた身としては、出てくる音・雰囲気含めて、楽しかったという気持ちに嘘は無い。

METALLICAIRON MAIDENといった大物バンドが日本と海外の人気差・ギャラの開き等色々課題があって来日公演に繋げることができない中、5年周期?で来てくれたガンズには感謝しかない。やっぱり大きな規模でのHR/HMライブはテンションが上がるし、今後はますますこの手のライブの少なくなっていくかも・・と思っている。そのことも考えると、ガンズの現状の安定感で言えば、もうこのメンバーで固定されたままでいいのかもしれない。

となると、新しいアルバムをリリースしてくれたら、また来日公演の確率は高いと思うので、今度こそは新しいマテリアルが多い中でのライブが観たい。往年の名曲だらけも最高だが、今回は新曲も出てきたし、そういう意味でも彼らが現在進行系であることは少しを感じることができたので、今度こそは多くの人が望む形での新作を出してツアー、そして来日公演という流れでのガンズが観たいのです。これはリアルタイムは"The Spaghetti Incident?"の頃という40代のファンの切実な想いです(笑)




ところで、ライブ前に大騒ぎしていた外国人の集団だが、ライブが始まったら皆、静かにライブを観ていた!(笑)あの大騒ぎっぷりはどうしたのだろう。ずっとライブを凝視していたので、その行動の落差がずっと気になって仕方がなかった!w




GUNS N' ROSES Setlist

1.It's So Easy
2.Mr. Brownstone
3.Chinese Democracy
4.Slither (VELVET REVOLVER cover)
5.Welcome To The Jungle
6.Double Talkin' Jive
7.Live And Let Die (WINGS cover)
8.Reckless Life
9.Estranged
10.Shadow Of Your Love
11.Rocket Queen
12.You Could Be Mine
13.I Wanna Be Your Dog (THE STOOGES cover)
14.Absurd
15.Hard Skool
16.Civil War
17.Slash Guitar Solo
18.Sweet Child O' Mine
19.November Rain
20.Knockin' On Heaven's Door (BOB DYLAN cover)
21.Nightrain
〜Encore〜
22.Coma
23.Patience
24.Paradise City 

【レビュー】GUNS N' ROSES "Appetite For Destruction"(Super Deluxe Edition)

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今年のリイシューもので一番の話題はおそらくGUNS N' ROSES"Appetite For Destrution"のリマスター盤でしょう!アルバムとしては初のリマスター化ということで、様々な形態でリリースされているが、個人的に気になったのは5.1chリミックスが施されたバージョンを収録したBlu-ray Audio盤。ただし、このBlu-ray Audio盤が入っているのはSuper Deluxe Edition盤と超豪華BOXのLocked N' Loaded Edition盤のみ。

値段的に手が出せるのはSuper Deluxe Edition盤のため、そっちを購入したがそれでも十分高かった(^_^;)あの豪華なブックレットで値段の半分を占めていそうな感があるけど、国内盤の解説はBurrn!誌できっと載るだろうと予想し、HMVのセールを駆使して、少しでも安価な輸入盤を。

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本編や未発表曲が収録されたディスクについてはBurrn!やら様々なメディアで解説が載っているのでそちらを参照した方が良いと思うので、今回はBlu-ray Audioディスク収録されている5.1chミックスのみについて書こうかな。
メーカーからBlu-ray Audioディスクの説明は以下の通り。

ブルーレイ・オーディオ・ディスクには、伝説のプロデューサーであるエリオット・シャイナー(スティーリー・ダン、イーグルス)による壮大な96kHz/24bit5.1サラウンド・サウンドのオリジナル・マルチトラックと、シャイナーとフランク・フィリペッティ(ビリー・ジョエル、エルトン・ジョン)による5.1サラウンドでミックスされた5つのボーナス・トラックが含まれる。さらに、ブルーレイには、リマスタリングされたステレオ・オーディオと新たに5.1サラウンド・サウンドでミックスされた4本のガンズ・アンド・ローゼズを代表するミュージック・ビデオと、さらには1989年に撮影されながら、完成を見なかった「Its So Easy」の新しいビデオがオリジナルの16mmフィルムから4K-HDに生まれ変わったものも含まれている」

ということで本編リマスターのみならず5.1chミックスに関しても気合が十分入っていると思われる内容。この手のバッドボーイズロックに関して5.1chミックスは珍しいが、そこはさすがガンズ!!早速、DOLBY TRUE HD5.1で聴いてみる。

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Blu-ray Audio盤も本編リマスター盤と同様にスラッシュとイジーのギターの分離が良くなり、ダフのベースとスティーヴンのドラムの音がより豊かに。そしてアクセルのボーカルは生々しいを強調した内容となっている。その5.1ch盤は特にアクセルのボーカルの生々しさが強烈!ちょっと、この生々しさは思わず「オオオッ・・」と唸る内容やっぱりこのバンドはアクセルのボーカルが肝なんだな・・と当たり前のことを改めて認識させてくれる。

曲によってはギターの位置がフロントだったり、リアに配置されているなど、曲毎に各パートの位置も変更している内容だったけど、サラウンド感として最も際立っているのは"Sweet Child O' Mine"かな。 イントロのギターがリアスピーカーから流れ、グルッとメンバーに囲まれている中で聴く配置となっている。他の曲はオーソドックスなサウンド配置としている分、このサウンド配置に思わずハッ!となる。
 
どの曲も音の鮮度の良さという意味ではさすがさすがハイレゾのBlu-ray Audio!と言える内容のため、数えきれないほど聴いたこの超名盤をまた新鮮な気持ちで聴け、なおかつより生々しく聴けるこの盤は一聴の価値あり。まあ、ちょっと音の分離が良すぎて、逆にラフな一体感という意味では物足りなくなるのところはあるかもしれないがw 繰り返し5.1chミックスを聴いているけど、何度聴いても飽きないなぁ。ロック史上の重要な一枚をこうした贅沢な内容で聴けたので、個人的には買ってよかったかな!と思っている。

なお、再生中には映像も曲に合わせて流れるが歌詞の大半はアレな内容なので、お子さんと一緒に聴く時は要注意!(笑)
※映像のON/OFFは選択できます
↓は"Rocket Queen"の時の映像
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未発表テイクを集めたディスクは曲の制作過程を知るという意味では興味深いが、1回聴いただけで十分といった内容(笑)でも、その中で最も興味深いのは"Novemeber Rain"のピアノバージョンとアコギバージョンが収録されているところ。87年にはこの名バラードがほとんど完成形の状態だったのか!とちょっとした驚きが。
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おまけの数々はちょっと勿体なくて使いづらいなぁwポスターは貼ろうかな?と思ったがサイズが大きいので、貼る場所は要検討。
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ブックレットは分厚いくてボリュームとしてはタップリ!
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APPETITE FOR DESTRUCTI
GUNS N' ROSES
GEFFE
2018-06-29

 
プロフィール

sekibow

熱苦しいハードロック、ヘヴィメタル、スラッシュメタル、ドゥーム・ストーナー系メタル、プログレ、そして70年代〜80年代のウエストコースト系ロックを愛するパフュメタラー。Sign of the Hammer Be My Guide

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