Heart Of Steel

買ったアルバムの感想を語る場

SAXON

「メタルファンは、死ぬまでメタルファンなんだ。パーマネントに『あ~○○年の夏はSLAYERをよく聴いたよな~』みたいな聴き方をする奴は一人もいないよ」byロブ・ゾンビ

【レビュー】SAXON "Carpe Diem"

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SAXON
の純然たる新作としては4年振りとなる"Carpe Diem"

前作の"Thunderbolt"もガッツと威厳さ溢れるSAXONらしいアルバムでグレートな内容だったが、新作はそれを更に上回るウルトラグレートな内容!ここ数作の中では一番の出来かも!?

プロデューサーはここ数作一緒のアンディ・スニープが今作も担当し、ギターサウンドのキレがよく、全体のサウンドバランスの良さもそのまま。そして、決して古臭く感じさせない。


となると、内容がどうなるか!?ということになるのだが、SAXONは常にレベルの高い作品を作り続けてきていた。80年代後半から若干、迷いがある内容になったが、2000年以降はどれも名盤となりうるアルバムをリリースし、80年代初期より2000年以降が全盛期と言ってもいいのでは。
特に2004年の"Lionheart"から2011年の"Call To Arms"の間のアルバムはSAXONを代表するアルバムと思っている(ちょうと再び来日公演があったのもこの時期)。


以上も踏まえて、自然と彼らに対するハードルも上がってしまい、若干厳しい見方をしてしまうことも多かったが、そんな贅沢な悩みを吹き飛ばす内容がこの新作である。最近の数作と比べるとギターリフに一番魅力も感じるような気がするし、歌メロの魅力もここ数作の中で一番だと思う。そして、SAXONらしいエピックでガッツがあり、ヘヴィメタルでしか味わえない高揚感が満載。


アルバム・タイトルの"Carpe Diem"はラテン語で「その日を掴め(転じて、今日を精一杯生きろ)」という意味で、歌詞もコロナ渦の情勢について歌った"Remember The Fallen"があり、また人生で困難な時に力に与えてくれそうな歌詞に思わず目を通してしまう。特に"The Pilgrimage""Living On The Limit"はこの世界情勢の中でのアセンムのように聴こえる・・・。


SAXONは長い歴史があるのでもし、初めて聴く人がいたらどれから聴けばいいのかわからないことが多いが、この新作からまずは入ってみても良いかもしれない。それぐらい、ここ数作の中では最も繰り返し聴きたくなる一枚だと思っている。










それにしても、ボーカルのビフ・バイフォードは1月で71歳となったが、とても71歳とは思えない風貌(長髪でステージ衣装にも拘っているところがポイント!)で、歌唱力にも衰えないが見えない。初期からのメンバーであるギタリストのポール・クィン始め、作曲能力の衰えが無いところも凄いし、長年メンバーが変わらずにいるところが大きいのかも。
2022年1月のライブでもその健在ぶりをアピール。イギリスはコロナ感染者が多くてもこうして普通のライブをしているのは羨ましいものである・・・・



 
国内盤はキングレコードではなく、ルビコンからリリース。解説ではなく、ビフ・バイフォードのインタビューを掲載。 ボーナストラックは"Killing Ground"のライブ音源で2016年のロンドン公演のもの。

【レビュー】SAXON "Thunderbolt"

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SAXON
の3年振りとなる新譜"Thunderbolt"

何のヒネリも無いストレート過ぎるタイトルも話題に(?)なったが、それよりも今作は9年振りとなる国内盤リリースということ。つまり、2009年の"Into The Labyrinth"以降は国内盤がリリースされなかったという由々しき事態!理由は色々あるかもしれないが、嘆かわしいことに変わりは無い。

SAXONはコンスタントにアルバムをリリースしており、 2009年の"Into The Labyrinth"以降も"Call To Arm"(2011年)、”Sacrifice"(2013年)、"Battering Ram"(2015年)と順調に製作していたが、なぜか国内盤が出なかったため、この辺は聴いていなかったという人は多いかもしれない。SAXONファンなら当たり前のことだが、SAXONの凄いところは常に良質なアルバムをリリースし続けているところだ。80年代中期は低迷期と言えるかもしれないが、90年代後半からは迷いが一切無いブリティッシュヘヴィメタルで、どのアルバムも最高なことである。その流れも今も続いており、国内盤がリリースされなかった"Call To Arms"以降もそれは変わらない。特に"Call To Arms"は本当にカッコイイアルバムなので、未聴の人は聴くべし!!!いや、聴け!(笑)

Call to Arms
Saxon
Udr
2011-07-25



話を"Thunderbolt"に戻して、このアルバムも例に漏れず、もちろん最高である。
タフでドラマティックで威厳があって、リフ、ソロ、ボーカルどれも素晴らしいヘヴィメタルアルバム。凄い!と思わせるバンドは沢山あるが、こうして常に良質なアルバムを作り続けて活動が継続できるバンドは本当に少ないと思う。

今作も前2作に引き続き、アンディ・スニープがプロデューサー。ミッドテンポの曲になると、ACCEPT〜?と思ってしまうのは仕方ないか(笑)ギターを気持ちよく聴かせることを主軸にしつつも、ベース、ドラム、ボーカルもよいバランスで、カッチリとした音作りは今作も健在。そして、ビフ・バイフォードは67歳になるが、衰えは全く感じさせないVOICE OF SAXONを今作も見せつけている!
アルバムもボーナストラック除くと全11曲42分弱とちょうどよい。

PVにもなったタイトル曲"Thunderbolt"は威厳に満ちたナンバーだが・・・・

"Thunderbolt"


今作、キーとなる曲は憂いを帯びたメロディが特徴的な"The Secret Of Flight"、"Motorcyle Man"の2018年バージョンとも言える"Speed Merchants"(この曲は特にギターソロが素晴らしい!)、MOTORHEADの"(We Are)The Road Crew"のSAXON版というべき"Roadies ' Song"といったところ。

そして、亡きレミー・ケルミスターとMOTORHEADへのトリビュートソングの"They Player Rock And Roll"この曲の出だしがMOTORHEADの某曲ソックリなところと、途中でレミーの"We are MOTORHEAD、We play rock 'n' roll!"というあのMCも入っているところが泣ける。SAXONならではの粋が詰まった素晴らしい曲!

"They Played Rock And Roll"
 

常に良質なアルバムを作り続けているSAXONだが、ビフ・バイフォードも67歳(まだ衰えが無いのは凄い!)となったので、あとアルバムは何枚作れるのか、ツアーはどれだけ回れるのだろうか・・?JUDAS PRIESTのグレン・ティプトンがパーキンソン病を患っていることを公表したり、70〜80年代から活動を始めたバンドやアーティストの引退・訃報が続く昨今、SAXONも久しぶりの国内盤がリリースされたので、ここはぜひとも、2011年以来の来日公演を行ってほしい!ここで来ないでいつ日本に来るのだろうか?(笑)


サンダーボルト
サクソン
キングレコード
2018-02-02


 
プロフィール

sekibow

熱苦しいハードロック、ヘヴィメタル、スラッシュメタル、ドゥーム・ストーナー系メタル、プログレ、そして70年代〜80年代のウエストコースト系ロックを愛するパフュメタラー。Sign of the Hammer Be My Guide

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