Heart Of Steel

買ったアルバムの感想を語る場

LOVEBITES

「メタルファンは、死ぬまでメタルファンなんだ。パーマネントに『あ~○○年の夏はSLAYERをよく聴いたよな~』みたいな聴き方をする奴は一人もいないよ」byロブ・ゾンビ

【ライブレポ】LOVEBITES@TSUTAYA O-EAST 2018.6.28

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2月にLOVEBITESの単独ライブを観たにも関わらず、半年も経たずにに彼女達の単独ライブにまたもや参戦。今回、場所はTSUTAYA O-EAST、そして最新EP"Battle Against Damnation"を引っさげての公演。
前回の公演はバンド自体に問題があったわけでなく、ライブを観る環境があまり良くなく不完全燃焼なところがあったので、今回はキチンと全体を観たいな、と思ったので参戦した次第。

平日にも関わらず、O-EAST公演はソールドアウトということで、相変わらずこのバンドに対する人気の高さを感じる。お客の大半はオッサン(私も含めて)なんですけどね(笑)会場の後方の見易い場所をゲットしたので、ここならじっくりとライブが見れる。
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今回のライブの開場BGMは2000年代初頭の曲を中心にした内容。ベースのmihoの拘りはファン目線であるため、音楽ファンのミュージシャンにはやっぱりシンパシーを感じてしまうなぁ〜。
 

おなじみのオープニングSEが鳴り響き、ステージを覆う幕にはメンバーのシルエットが投影されるという演出でライブがスタート。幕が降りてステージの全貌が明らかになったが、O-EASTということもあり、立体的なステージセットとなっている。

ライブはリリースされたEPからのリーダートラック"The Crusade"でスタート。ブリティッシュメタルなファストチューンで会場は一気にフルスロットル状態。ただし、音が潰れた感じでそこはなんとも残念。しかし、曲が進む度に音は改善されていったので、ライブ全編通しては良い音響状態となっていた。

というわけで、2曲目の"Warning Shot"ではほぼ音響は改善され、続いての曲は新EPからの"Break The Wall"。スラッシュメタルなリフを主軸としたLOVEBITESの曲の中でもエクストリームな部類に入り、asamiのボーカルも低音に趣を置いた迫力ある声を聞かせる。ハイトーンだけが彼女の魅力じゃないということはファンなら既に承知済みだが、この曲は更にまた幅を広げてくれる曲だったんじゃないかなぁ。ヘヴィな曲調の中間はムーディーでメロディアスなインストパートが入ってこのあたりはARCH ENEMYっぽい。


続いての"Scream For Me"mihoのベースから入り、midorimiyakoのギターが順に入っていく構成は相変わらず格好良い。asamiのリズミカルなボーカルも少しR&Bの香りが感じられ、終盤のギターソロの掛け合いもあるなど、ライブでは非常に盛り上がる曲。ニコニコ顔でフラッシーなソロを弾くmidoriと対照的にクールな佇まいだが、奏でるのはメロディアスなソロが多いmiyakoとこのギターコンビも良い感じになってきた。miyakoはライブだとポニーテールとなっていた。それ以上に歓声が上がったのは"Shadowmaker"だったけど、個人的には"Scream For Me"がもっといい曲だと思うなぁ。


最新EPからは"Above The Black Sea"も披露し、これは最新EPからは全曲演るということか?(最新EPは4曲のみだが)"Above The Black Sea"以降はライブ後半戦といった趣きで1stアルバムからの曲で怒涛に攻めていく。ここからは前回観た時よりも演奏面・パフォーマンス面でも説得力が増したように思える。どの曲もギラリとした魅力があるが、音数が詰まった曲よりもやっぱり、ある程度の間がある曲、"Inspire""Liar"といった曲の方がより魅力的だなぁーと改めて思った次第。"Liar"miyakoのキーボードから入るが、アルバムと違ってシンプルなアレンジもまた良い。話を戻して、その辺のバランスがしっかりと取れているのが"Burden Of Time""Don't Bite The Dust"といった曲だが、このあたりが最後に来ると本当にライブは盛り上がる!盛り上がるといえば、一人絶え間なくクラウドサーフしている客がいたなぁ(笑)他はあまり定位置から動かない客がほとんどだったので余計に目立つ。


そして、てっきり、"Don't Bite The Dust"が本編最後だと思ったらもう1曲あった。それは最新EPの最後を飾る"Under The Red Sky"!エピック的でスケール感あるナンバーでギターメロディに合わせて観客のシンガロングも発生する曲で確かにこれは最後に相応しい曲かもしれない。LOVEBITESは客が一緒に歌えるシーンはそれほど多くないので、もっとこうした曲があるといいかもしれない。


アンコールでマーチャンのTシャツに着替えると思いきや、特に今回はそういったものは無しで、バラードナンバーの"Edge Of The World"でアンコールがスタート。この曲もasamiの表現力が特に映える曲で、前回観た時よりもボーカルに説得力が増したように思える。最後は"Bravehearted"で締め、ライブは終了。


今回の公演でまた、不完全燃焼な感じのライブだったらもう、このバンドのライブを観るのはやめようかな、、と思っていたが、前回2月の公演より遥かに良いライブだったので、これなら人に勧めるに値するバンドだと思った。音響の良さもあって、各人のパートにおける個性も堪能できたし、前回はかなりイマイチに思えたharunaのドラムもよかったと思う。彼女にはSAXONのナイジェル・グロックラー的なポジションを目指してほしいw

前回も書いたと思うが、良い曲を沢山持っているバンドのため、今後はライブで楽曲をいかに映えるかがポイントだと思う。各メンバーのキャラに注目を浴びがちなこの手のバンドだが、何よりも肝となるのは楽曲!あとはアンサンブルで物足りない点やステージアクションもまだまだなところがあるので、そこは今後に期待。大人の事情か各メンバーの他の活動などいろいろあると思うが、ライブの回数をもっと増やして、バンドとしてタイトになってほしいな。8月にはWackenといった大きな舞台が待ち受けているが、そういった舞台でブレイクスルーが起きるのか?それとも「まあ、こんなもんでしょう」となるのかわからないが、前者であることを望みたい!


Setlist
01.The Crusade
02.Warning Shot
03.Break The Wall
04.Scream For Me
05.Shadowmaker
06.Above The Black Sea
07.Inspire
08.The Apocalypse
09.The Hammer Of Wrath
10.Liar
11.Burden Of Time
12.Don't Bite The Dust
13.Under The Red Sky
〜Encore〜
14.Edge Of The World
15.Bravehearted


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バトル・アゲンスト・ダムネイション
LOVEBITES
ビクターエンタテインメント
2018-06-06

【ライブレポ】LOVEBITES@duo Music Exchange 2018.2.23

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Burrn!紙のBrightest Hope部門で1位を飾り、そして、今年のWackenに出演決定と今、一番勢いがあると思う女性オンリーのヘヴィメタルバンド、LOVEBITES。Wackenの件はまだアルバム1枚しか出していないし、ライブもまだ数本しかこなしていないのにいきなり出演するなんて、色々とビックリ!

様々な思惑や働きかけがあったにせよ、アルバムの内容が素晴らしいから、こうして取り上げられるのであって、さてライブではアルバムをどこまで再現できるのか!?それをぜひとも確認したく、「Re-Awakening From Abyss Live」と銘打ったライブを観に行った。

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今まで様々なライブに行ったが、女性オンリーのバンドのライブはこのLOVEBITESが初めて。そのせいなのか、客の8割〜9割は男性でしたね(笑)私もオッサンですが、それ以上にオッサン率高し!そして、他のライブとは違う何か殺伐とした雰囲気が・・・。ライブ中は私のイヤな予感があたり、周りのことをまるで気にしない態度の悪いオッサン客がいて非常にストレスMAXでしたが、まあ、そんなヤツのことはどうでもよくなるほど、ライブは色々と見所満載だった!


アルバムのオープニングSE"The Awakening"が流れ、アルバム通りの"The Hammer Of Wrath"ではなく、"The Apocalypse"でライブはスタート。のっけから客も盛り上がりが凄い!少し後ろで観ようと思っていたけど人の波に飲まれて前の方に来てしまったw

演奏面を引っ張るのはmidorimi-yaのギタリストチームだが、midoriが顔の表情豊かにギターを弾いて動き回るのに対して、mi-yaはクールな佇まいであまり動くことはせず(シールドを使っていることもあるけど)、黙々と弾くタイプ。その二人をサポートするのがリーダーであるベースのmiho。どこか余裕のある弾きっぷりはバンドに安定感をもたらしているように思えて、harunaとグルーヴを奏でる。

そして、ボーカルのasamiは・・・話には聞いていたけど、凄い!声量タップリでライブの終盤まで衰えないハイトーンボイス。そして、ハイトーンボイス以上に魅力的な中低域な歌声は1曲目の"The Apocalypse"で堪能できる。ライブ中の仕草は完全にメタルは通っていないJ-POP感満載で、そこは何か微笑ましい(笑)常に笑顔を絶やさないその姿はこちらもハッピーになってしまう魅力もあり、なるほど、メンバーもインタビューでこのボーカルだったら・・という話も納得。

Perfumeでも無い限りヒールでは動き辛いでは?と思っていたけど、メンバーもそこそこ動いてパフォーマンスが地味ということは全くなく、その上でアンサンブルや演奏面もしっかりとしていたので、一番気にしていた演奏面はアルバム通りでしたね。一番の魅力である楽曲はとにかく、キラーチューンが多いので、全曲ハイライトと言ってもいいけど、ライブで特にゾクゾクしたのはmihoのベースから入り、ギターが1本、2本と入っていく"Scream For Me"の展開は実にカッコイイ。ライブだと尚更カッコよくて、終盤のギターソロ掛け合いもライブ映えする!そして、大好きな"Liar"はキャッチーなのでゴリゴリした曲が続く中では良いアクセントですね。

6月に発売されるミニアルバム"Battle From Damnation"からの新曲もこの日は披露。"The Crusade"といういかにもなタイトル(曲名でSAXONのカバーかと一瞬思ったw)で印象としてはストレートなパワーメタルという感じ。そこからスラッシーナ"Hammer Of Warth"に続く流れは正にハンマーで叩かれる如くのパワーがあり、非常にメタルバンドらしい展開。

IRON MAIDEN風味な"Don't Bite The Dust"で更に場内もヒートアップしたが、パワーバラードな"Edge Of The World"、疾走感ある"Bravehearted"と続く展開はアルバム本編と一緒ですね。最後まで余裕タップリのasamiの歌声は終盤3曲でも素晴らしかった!特にバラードパートからメタルパートに激しく展開する"Edge Of The World"は歌唱力の多様性を見せつける上でも真骨頂だったんじゃないだろうか。

アンコールはカバー2連発。1曲目は意外なMOTORHEADのカバーで"Overkill"!そういえば物販でMOTORHEADのオマージュが入ったTシャツを売っていたし、asami"We are LOVEBITES! We play Heavy Metal!"とレミーの例のMCを真似たことを言っていたので、その関係なんでしょうな。あとはmihoの趣味かな?女性が歌う"Overkill"はかなり新鮮。最後の締めもMOTORHEADのライブと同じ内容にしているところはグッド!
前回もHELLOWEEN"Eagle Fly Free"をやったいた模様でこちらは自分達のものにしている印象。asamiは余裕でこの曲を歌いこなしているので、彼女はやっぱり凄いボーカリストですな!アルバムを3枚ぐらい出したら、カバーアルバムを作っても面白いと思った。


とっても良いライブだったけど、その二日前には圧巻だったARCH ENEMYを観ていることもあって、それと比べるのは酷だと思うけど、ヘヴィメタルのカッコよさを体現するにはまだまだ伸び代があるといった印象が。それが具体的に何なのか言葉に表すのは難しいんだけど。
可憐な衣装とハードな音楽性のギャップをウリにしているところがあるが、そんなスケールの小さいギャップ萌えに頼らなくても楽曲の内容とパフォーマンスで十分戦えるのだから、今後はメタルな衣装でもいいと思うんだけどな〜。あの衣装で誤解している人も多いと思うから(私もそうでしたw)、音楽だけに耳に向けてもらうことも重要なんじゃないかとライブを観てふと思った次第。

まだこれからのバンドではあるが、今後はもっと良くなると確信しているので、今後も引き続き彼女達の活動はチェックしたいなぁと思っている。というわけで6月のO-EAST単独公演のチケットも買いました(笑)今度はもう少し観やすい会場で観たいし、O-EASTなら失礼な客がいても移動できるから、あんな不快な思いはもうしないでしょうww


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Setlist

01.The Apocalypse
02.Burden Of Time
03.Shadowmaker
04.Scream For Me
05.Inspire
06.Warning Shot
07.Liar
08.The Crusade
09.The Hammer Of Wrath
10.Don't Bite The Dust
11.Edge Of The World
12.Bravehearted

〜Encore〜

13.Overkill (Motorhead cover)
14.Eagle Fly Free (Helloween cover) 

【レビュー】LOVEBITES "Awakening From Abyss"

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11月の前半、よく聴いていたアルバムは?と聞かれたら、LOVEBITESのデビューアルバム"Awakening From Abyss"と断言できる。
それぐらい新人バンドでしかも国内バンドでハマったものは無かったかもしれない。国内メタルバンドでこうあってほしい!という願望があるけど、それを見事に体現しているというか、まあ、自分の好みに非常に近い内容だったので。最初はよくある女性オンリーのバンドとしか思っていなかったんだけどね(笑)

LOVEBITESという女性5人組の国内メタルバンド(ガールズバンドという言い方はあまり好きじゃないので敢えてこう書きます)がデビューすると聞いた時はルックス面含め、J-POP、アニソンの要素強めでメタルの影響といってもX-JAPANとかHELLOWEEN止まりのよくあるタイプなんだろうな〜と偏見がかなり入った失礼な見方もしていたので、「フーン」で済ましていた。

ところが、ベースのmihoがSNSでメタルTシャツを着こなす姿を見て(MANOWARとか!)、あっ、なんか他の国内女性メタルバンドとはちょっと違うかもしれないと感じ、ちょっと色々と調べてみると、ライブの開演前BGMも選曲しているらしく、そこで取り上げるバンドはNWOBHM系が多い!最近のバンドでそこまで掘り下げるのは珍しいかもしれない・・?そこから更に興味が沸いてきて、ちょうどよく1stアルバムがリリース。

アルバムのアートワークからしてメンバーの写真でなく、メタルメタルしているところからしても他の同系統バンドと違う。さて肝心の音はどうだろうか?
◯◯メタルと表現するなら「正統派メタル」という言葉が最も近しいかもしれない。JUDAS PRIESTIRON MAIDENといった基本を抑えながらも北欧系、ジャーマン系、シンフォニックメタル系、あと少しスラッシーな感じも入ってのメタルの王道を貫くその姿はジャパメタ要素、アニソン要素が強めな国内メタルバンドでよくあるパターンで無いところが、逆に珍しく映る。

曲としてもmidorimi-yaのツインギターの掛け合いやハーモニーを軸に、スリリングさがあって、そこにベースのmihoとドラムのharunaがうまく絡み素直にカッコイイ!と言えるサウンド。ヘヴィメタルを知らない人に向けてもヘヴィメタルってカッコイイんだ、と言いたいバンドの主張が垣間見れて、コミカルな要素や萌え系要素は皆無。日本語歌詞でも世界で活躍できるバンドは多くなった昨今だが、全編英語歌詞にこだわり、ジャパメタ要素は自然と出て来る感じが個人的には好きだなー。
アルバムは全12曲だが、軸はしっかりとしながらも楽曲はバラエティ豊かで終盤までダレることなく聴ける。どの曲もリフがしっかりとしているのが個人的にもポイント高し。国内バンドで陥りがちな様々な要素を突っ込んでしまったため、焦点がボヤケてしまうことも無いのは、バンドとして目指している音楽的方向性がしっかりとしているからだろうか。

逆に少し気になったのはボーカル。下手ではなくむしろ上手いんだけど、言葉を詰め込め過ぎな感があるので歌メロのフックが足りないように思えた。例えばEUROPEのようにシンプルなフレーズを入れてみるなどすればもっと良いのになぁーと思ったり。ボーカルのasamiはR&Bをベースにしているらしく、いくつかの曲ではそういったバックグラウンドを活かした歌い方を入れているので、あえてヘヴィメタル的な歌唱じゃないパートが増えるとこのバンドの独自性がより目立つのでは?とかそんなことを思ったりするので、ボーカル面含めて今後の展開が楽しみなバンドだと思う。

世界への視野を入れているバンドのようなので、今後もスケール感ある正統派メタルを突き進んでほしいなぁ。日本的な要素は自然と出て来るものだと思うので、無駄にアニメ系、アイドル系要素を入れる必要が無いと思っているので、このファーストアルバムで披露した軸をぶれていない王道で敢えて突き進んでほしい!と久々にこう応援したい国内バンドに出会えた気がする。衣装は白じゃなくて黒を基調としたメタルしている衣装の方が個人的には好みなので今後はイメチェンを希望(笑)


個人的にお気に入りな曲
"Warning Shot"
・・・ANTHEMを彷彿とさせるパワーメタル系な曲

"Scream For Me"
・・・歯切れが良くリズミカルなボーカルと終盤のギターソロ掛け合い含めてスリリングな曲の展開が素晴らしい

"Liar"
・・・最も歌メロが印象的な曲。ギターソロにつながる展開もカッコイイ

"The Apocalypse"
・・・オールドスクールメタル風な曲でasamiの幅広いボーカルワークが耳に残る

"Edge Of The World"
・・・哀愁バラード系で始まるが途中でシンフォニックなメタル曲に変わっていくスリリングな展開がかっこよい。

※アルバムの試聴用トレイラー


"Shadowmaker"





 
プロフィール

sekibow

熱苦しいハードロック、ヘヴィメタル、スラッシュメタル、ドゥーム・ストーナー系メタル、プログレ、そして70年代〜80年代のウエストコースト系ロックを愛するパフュメタラー。Sign of the Hammer Be My Guide

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