2017年の開催から6年振りとなったLOUD PARK。
ヘヴィメタルフェスと呼ばれるものはその間、DOWNLOAD FESTIVAL等があったが、日本のメタルファンとしてはやっぱりLOUD PARKが一番燃える!DOWNLOAD2019、2022も燃えたけど、心の中の奥底でこれらはLOUD PARKの代替という気持ちがあったから、正に待望の復活。
元々DOWNLOAD2023の開催予定がLOUD PARKに変わり、一応今回だけの復活らしいが、それでも盛り上がりと観客動員によっては今後の予定が変わるかもしれない。
そして、コロナによるマスク着用や声出し禁止の制限も事実上無くなったので、始まる前から非常にポジティブな雰囲気に満ちていたと感じていた。
私は娘の都合により、朝一から参加はできず、フェスの中盤辺りとなるAMARANTHEが始まった直後に会場に到着。
雨も強くて寒いし、もうめぼしいものは残っていない物販ブースは素通りしてとっとと入場。荷物をクロークに預けて、ビールを飲みつつAMARANTHEから。
AMARANTHE以降はどこで休みを取ろうか悩ましいタイムテーブル・・・
今回はGOLDチケットでしかいけない範囲が広く、一般チケットだと動線がわかりづらい・・・。
試しに前方エリアに行ってみて動線確認をすればよかったのだが、なぜか今回は最初からまったり見ようと決めつけていたので、ほぼ後方から観ており、そもそも前方エリアに行くという発想がなかった。今までそんなことはなかったのになぜだろう。。途中参加からだと感覚が狂うのかな^^;
とりあえず観たバンドの感想を!
AMARANTHE
2019年のDOWNLOAD FESTIVAL以来となるAMARANTHE。
あれ?グロウル担当のボーカルが変わった!?あとで調べたらLOST SOCIETYのボーカルがヘルプで参加しているのですねー。スラッシュメタルのバンドのボーカルがAMARANTHEとはなんか意外な気もするが、3人のボーカリストの動きと歌声のコンビネーションは大きな会場ではよく映える。
メタルとポピュラー音楽の橋渡しになるようなダンサブルでキャッチーな数々はさすが!2020年にリリースされた現時点の新譜"Manifest"の曲もフック満載なので、メンバー交代の多さはあれど、安定しているバンドだよな〜。エリーゼの伸びやかで柔らかいボーカルは爆音の中でよく聴こえる。
AMARANTHE Setlist
1.Fearless
2.Viral
3.Digital World
4.Hunger
5.Strong
6.Helix
7.Maximize
8.Amaranthine
9.The Nexus
10.Call Out My Name
11.Archangel
12.That Song
13.Drop Dead Cynical
CARCASS
CARCASSも来日も気がついたらかなり間が開いてしまってた・・・。
久しぶりとなる新譜"Torn Arteries"を引っさげて、どんなセトリになるかな?と気になっていたけど、そ新旧織り交ぜたセットリストでしたね。それにしても、彼らのギャロップビートとブラストが交互に来るこの独特のリズムは唯一無二!
ジェフ・ウォーカー、ビル・スティアは風貌的に少し歳を取った感があるけど、パフォーマンスは変わりなし。ビル・スティアのあの独特な小刻みなステップを踏みながら弾く姿はいつだってカッコイイし、味わい深さがあるギターソロにはやはりルーツはブルーズが根底にあるんだなぁと感じた。
終演後は掟ポルシェを見かけたけど、その後はTrooperブースでのCARCASSサイン会ではスタッフとして仕切っていた(笑)もう関係者じゃん!(笑)それでも関係者席で見ずに観客の一人として参加しているところは、私が初めてPerfumeライブを観に行った代々木体育館公演の際に関係者席でなく一般客として参加していた掟ポルシェを思い出した(笑)
掟ポルシェ、CARCASSサイン会を絶賛お手伝……警備中🤘#CARCASS#カーカス通信#LOUDPARK2023 pic.twitter.com/z3lw1DR45R
— ヘドバン編集部/𝐇𝐄𝐀𝐃𝐁𝐀𝐍𝐆 𝐌𝐀𝐆𝐀𝐙𝐈𝐍𝐄 (@savage_headbang) March 26, 2023
最後は列の最後尾に入り自分のサインをもらう掟ポルシェ!(笑)そんな掟さんが好きです(笑)
CARCASS Setlist
1.Kelly's Meat Emporium
2.Buried Dreams
3.Incarnated Solvent Abuse
4.This Mortal Coil
5.Gential Grinder
6.Exhume To Consume
7.Tomorrow Belongs To Nobody / Death Certificate
8.Dance Of Ixtab (Psychopomp & Circumstance March No.1 In B)
9.Black Star / Keep On Rotting In The Free World
10.The Scythe's Remorseless Swing
11.Corporal Jigsore Quandary
12.Ruptured In Purulence / Heartwork / Carneous Cacoffiny
13.Tools Of The Trade
NIGHTWISH以降は本当に休む暇がないぞ・・ということでCARCASSが終わって早い夕飯を取ることに。
出店しているROCK IN DICEのカレーを食べることに。アチャールオブデス辛口カレーはここまで辛いとは思わなかったが美味しかった。
STRATOVARIUSは"Hunting High And Low"だけ見れました〜(^_^;)
NIGHTWISH
NIGHTWISHは1月の単独公演がフロール・ヤンセンのガン治療の影響で延期となり、このLOUD PARKに実質組み直された感じですね。なお、来日直前にフロールは第二子を妊娠したことを公表!
で、実際にLOUD PARKに登場したフロールのお腹は結構大きく、このタイミングを逃したらしばらく活動は中止となるので、絶妙なタイミングでの来日だったかも・・・。
そんな状況なのに、フロールはヘドバンするもんだから、観ているこっちが心配になったりも(笑)
歌声もバッチリ出ていたから、そのプロ根性は凄いですわ。
マルコ・ヒエタラ脱退以降としては初の来日だったけど、やっぱり彼の存在は大きかったので、いないと寂しいですね・・・。マルコもボーカルを取って最後は大盛り上がりで終わる"Wish I Had An Angel"は当然演らないので、それは結構寂しかったり。でも最後は壮大な"Ghost Love Score"で締めて、これはこれで良い終わり方ですね。
それでも、欧米だったらフェスのトリを務めるクラスのバンドだからということもありますが、会場をNIGHTWISHの世界観にドップリと染めるその魅力はさすがでしたよ〜。フロールも妊婦云々・・は観ていくうち気にならなくなるほど熱量のこもったパフォーマンスで非常に良いショウが見れて満足!
NIGHTWISH Setlist
1.Noise
2.Storytime
3.Tribal
4.Èlan
5.Dark Chest Of Wonders
6.I Want My Tears Back
7.Nemo
8.Shoemaker
9.Last Ride Of The Day
10.Ghost Love Score
KREATOR
大好きなKREATORのライブと来たらフロアの前方に突っ込むしかないところだが、今回はPANTERAを一番に優先に観たかったので、PANTERA側で観ることに。あとで友人に聴いたらKREATOR側は結構前に行けたというのでチャンレジしてもよかったかな・・・(^_^;)
それでもKREATORのライブを観ていたら、それまで多少まったり気味に観ていた気持ちから火が付きましたよ!火が付くの遅かったけど(笑)、それだけ熱量の高い内容だった。
スラッシュメタルでありながら大きな会場が似合うスケール感の大きさが彼らの魅力で、パイロや赤い銀幕テープを飛ばすなど演出面も良かったし、何よりミレ・ペトロッツァの会場を煽るMCはいつだって最高。「Japanese Style Wall of Death!!!!!!!!」と煽っていたが、ジャパニーズスタイルWODってなんやねん!(笑)建前ではモッシュ等は禁止です、と運営側は言っているけど、本音はうまくやってねということを指しているのかなw
ただ、去年リリースされた新譜"Hate Über Alles"からはたった1曲しか披露されたなかったのは寂しかったし("Strongest Of The Strong"は演ってほしかったな・・)、他にも聴きたい曲は沢山ある。50分程度じゃ、非常に物足りないので、単独公演を希望!
パフォーマンスだけで言えば、KREATORとNIGHTWISHがこの日のベストアクトだったと思う。
KREATOR Setlist
1.Hate Über Alles
2.Hail To The Hordes
3.Enemy Of God
4.Phobia
5.Satan Is Real
6.Hordes Of Chaos (A Necrologue For The Elite)
7.666 - World Divided
8.Flag Of Hate
9.Violent Revolution
10.Pleasure To Kill
PANTERA
今回のLOUD PARKはかなり盛り上がったと思うが、やはりトリのPANTERAが構えていたことが一番の要因だと思う。私はリアルタイムで聴いていたが、ライブを観ることはできなかった。そして、観客の多くは彼らのライブを観たことが無い人の方が多かったと思う。アボット兄弟亡き後、PANTERAは伝説となった感があるので、その分期待度が増したような気がする。もちろん、ザック・ワイルド、チャーリー・ベナンテが参加していることも、彼らがどのようなパフォーマンスをPANTERAとして見せてくれるところに注目している人も多いと思う。
ここでなかなか会場で会えなかったメタル友達と合流することができて、一緒に盛り上がれる体制は整った!
PANTERAの過去の映像が流れ、冒頭の"Mouth For War"、"A New Level"でいきなりクライマックス!
私も頭のネジが吹き飛んだかのような感覚になりましたよ(笑)
フィル・アンセルモも歌声はかなり調子良さそうだし、レックス・ブラウンのコシがあるベースラインも健在(ちょっと痩せすぎような気がするが・・)。そして、ザック・ワイルドとチャーリー・ベナンテ
!特にザック・ワイルドは完全に自分の演奏スタイルを貫いていかにもザックの音なんだけど、PANTERAとして違和感が無いところが凄い。実はザック・ワイルドをライブで観たのはこれが初めてでした(^_^;)
また、スクリーンの映像やPANTERAの過去の映像やアボット兄弟を映して、まさにPANTERAのレガシーを称えるというところのを重みを感じさせるライブだったので、ザック、チャーリーが演奏面は自分のスタイルなれど違和感を感じなかったのはその辺のバランスも取れていたのだと感じる。
トリビュートバンドという位置づけでは無く、かといって、新しい曲をやるわけでない、PANTERAの曲を今の時代に蘇らせるという内容で、観ている方もPANTERAとして違和感を感じさせない内容だったと思う。
そして、セットリスト的にはもう知らない曲は無い!という内容でしたね。この2023年にPANTERAの数々の名曲をPANTERA名義で聴けるとは数年前は想像もしなかったので、ライブ中もなんだか夢心地な気分になりつつも・・・。
フィルがMCでそれほど難しくない内容なのに、カメラマン女史をステージに呼び寄せて通訳させたりと丁寧に自分の言うことを伝えさせたいという想いだったり、「昔PANTERAを観たやつはいるか?」「今回初めてPANTERAを観たやつはどれぐらいいるか!?」と言ってどちらのファンも讃えていたところなど、 ライブは全編通してとっても良い雰囲気が流れていたことが印象的でしたねー。
そこからBLACK SABBATHのカバーで"Planet Caravan"の時はアボット兄弟の映像を流して、これは泣ける内容だった・・・。元々、PANTERAをとしてカバーしていた曲だが、BLACK SABBATHのこの曲をカバーしていたというセンスがこれまた素晴らしいが、これをライブで聴けるとは・・・。原曲に忠実した内容でフィルもこういうスペーシーな歌い方は味があってよかった!
そんなしんみりとした雰囲気の中から終盤の"Walk"、"Domination"〜"Hollow"からのメドレー、そして最後の"Cowboys From Hell"の殺傷力は凄まじいほどの盛り上がりだった!最後はフィルのボーカルは結構抜けていて、ほぼ観客に丸投げはご愛嬌(笑)
そして、最後にもう1曲歌うぞとフィルが言い始めて「え!?」となったが"Stariway To Heaven"の一節を一緒に歌わせるお馴染みの光景が。今までDOWNでこの光景を観たけど、PANTERAでもやるんですね〜(笑)
PANTERA Setlist
1.Mouth For War
2.A New Level
3.Strength Beyond Strength
4.Becoming
5.I'm Broken
6.Use My Third Arm
7.5 Minutes Alone
8.This Love
9.Yesterday Don't Mean Shit
10.Fucking Hostile
11.Planet Caravan (BLACK SABBATH cover)
12.Walk
13.Domination / Hollow
14.Cowboys Frome Hell
復活した今回のLOUD PARK、PANTERAという強力なトリがあり、それに負けないぐらいのKREATORとNIGHTWISHの素晴らしいパフォーマンスがあり、復活に値する良いフェスだったと思う。それだけにGOLDチケットと一般チケットで観れる場所の格差が想像以上あり、会場全体を包み込むような盛り上がりには少し難があったように感じる。
今回はGOLDチケット用の高台がエリア中央にあったため、一般チケットの後方エリアはステージが今まで以上に見づらかったのはその要因の一つだと思う。あと、フェスは観るエリアを自由に移動できるのが魅力の一つだと思っていて、幕張メッセはその辺は良かったけど、こうもエリア分けを複雑にすると、これだったらスタンド席があるさいたまスーパーアリーナの開催がよかったと思った。
まあ、GOLDチケットを買っていたら、そんなことは思わなかっただろうけど!(笑)
「SEE YOU NEXT TIME!」の言葉を信じて、次回はいつになるかわからないが、次回があるとしたら、この辺はバランスを組み直してほしいかも。
でも開催されて本当に楽しかった!堂々と声出しできるし、コロナにもう怯える必要も無いから精神的にも開放された感がして、そういう意味でも復活に相応しいメタルフェスでしたね。