前作の”The Future Bites”はエレクトロポップに振り切った内容だったので、その変化に驚きもありつつその刺激的な音作りと安定した楽曲の良さもあり、大好きなアルバムとなった。
そんな大きな変化があったアルバムの次作が一番注目すべきポイントだと思っていたので、今作の内容はとっても楽しみにしていたが、アルバムの発表があったのは8月の終わりぐらい?だったの思うので、急な発表でビックリ!
スティーヴン・ウィルソン(以下SW)は他のアーティストのリミックスやマスタリングの仕事を沢山こなしているので、アルバムを作る時間がそもそもあるのか疑問だったが、それでもこんな素晴らしいアルバムを作るなんて、この人はやっぱり常人離れしている(笑)まあ、"The Future Bites"はコロナ禍の中でリリースしたアルバムでもあり、このアルバムに伴うツアーも無かったので、時間があったということかな??
意味深なテトリスのような10色ブロックに後ろに聳え立つビルが印象的なアートワークで、どんな音なのかわくわくしてたが、いざ聴いてみると、前作のようなエレクトロポップな曲もあれば、バリバリのプログレな曲も復活しているなどかつてないほどバラエティー豊かな内容だと思った。そこに彼ならではのダークでアンビエントな色彩が散りばめられているので(前作はまた違った暗さがあったけど、今作はそれとは違う。うまく言葉で表現できないけど・・・)、新旧のファンにとっても違和感なく聴ける内容だと思う。
その時もクレイグが第一候補のような気がする・・。まあ、そのクレイグはスティーヴ・ハケットのツアードラマーでもあるので、もしかしたら、その辺の兼ね合いが出てきてすぐにツアーというわけにはいかないかも。今のところツアーの話は出ていないようだし。
SWをサポートするメンツもお馴染みのミュージシャン(ニック・ベッグス、アダム・ホルツマン、ニネト・タイブ等)が多く参加しているが、再びドラムのクレイグ・ブランデルが参加しているのが嬉しいところ。"To The Bone"ツアー時で観た際も彼のドラムは素晴らしかったし、やはり多くの曲でクレイグが参加しているということは、彼がSWにとって、ドラムとしては一番手なんでしょうかね?
いずれ今作に伴うツアーもあると思うけど、アルバムの曲の話になるけど、今作はプログレな曲が復活したのは個人的に嬉しい!
その象徴的な曲とも言える"Impossibe Tightrope"は10分ほどある長編曲だが、キーボードのアダム・ホルツマン(今作でもガッツリ参加しているので、SWのソロに欠かせない人ですね)のスリリングなインストパートもあり、サックスも入っているなど聴きどころが満載。
その象徴的な曲とも言える"Impossibe Tightrope"は10分ほどある長編曲だが、キーボードのアダム・ホルツマン(今作でもガッツリ参加しているので、SWのソロに欠かせない人ですね)のスリリングなインストパートもあり、サックスも入っているなど聴きどころが満載。
他に長編曲がもう2つあるが("The Harmony Codex"、"Staircase")どれも作風が異なる内容で、それはこのアルバム内の曲全てに言えるけど曲毎の作風がプログレな曲にもエレクトロな音が入っているなど、前作の要素もあるので、単に昔に回帰しただけじゃなく、進化させているところが刺激的だと思った。
エレクトロな音も耳障りにならない柔らかい感じがして、そこはアナログシンセを沢山使ったインタビューで言っていたので、スゥ~と耳に入ってくるという柔しさという感触があり、だからこそ違和感なく聴けるのかなと思っている。
Youtubeで先行公開された”Economies Of Scale”は前作に近いエレクトロポップだな~ぐらいしか思っていなかったが、アルバム通して聴くと、思った以上に良いじゃないか!となるので、やっぱりアルバムで通して聴くということは重要だなと思ったwそういう意味でも彼の最近のトレンドな曲も自然な感じで同居しており、
Youtubeで先行公開された”Economies Of Scale”
日本盤は今回もリリースされない模様(涙)のため、日本からのインタビューはあったとしても数多くないような気がするが、作品を作った背景や歌詞、アートワークの意味合い等知りたい話が沢山あるので、どこかでぜひインタビューしてほしいですね〜。
とりあえず、新作について語っているインタビューはネットでいくつかあったので、紹介してみる。
↓は新作については製作アプローチだったり、音作りに関してが中心の内容でで歌詞等についてはほとんど触れていないが、それでも興味深い話は沢山あった。
気になった発言の一部を意訳
↓は新作については製作アプローチだったり、音作りに関してが中心の内容でで歌詞等についてはほとんど触れていないが、それでも興味深い話は沢山あった。
気になった発言の一部を意訳
・いつも方向性を決めてから製作していたが、今回は方向性を予め決めないことが方向性
・前作と違って今は結婚して、二人の連れ子がいるので、家にあるスタジオに行ったりきたりの生活をしていて、集中して仕事をするとしてもせいぜい30分ぐらい。それが逆に曲に新鮮さを出しているのかも
・前作と違って今は結婚して、二人の連れ子がいるので、家にあるスタジオに行ったりきたりの生活をしていて、集中して仕事をするとしてもせいぜい30分ぐらい。それが逆に曲に新鮮さを出しているのかも
・アナログシンセを沢山使った
・完璧なサウンドよりあえて不完全なところが魅力的である(完璧なピアノサウンドにテープで再生しているようなプラグインソフトを使ったりもした)
やはり今作はSWにとって、結果的に(?)今までの音楽スタイルの集大成的な作りのようですね。それに相応しい充実した内容で今年のベストアルバム候補に名乗り出たと思うほど、素晴らしい内容だと思ってます。
あと、これは新作とは関係のない今年の始め頃のインタビューだけど、こちらはリミックス、マルチチャンネルに関する仕事も含めて更に興味深い内容が盛り沢山だった。どんなに完璧なリミックスをしても、1曲のこのパートだけ少し定位をオリジナルと変えていたら、Amaoznレビューに星1つで付けられてしまった、とかの話があって、マルチチャンネルのリミックス制作過程は大変だと思うが、SW自身はめっちゃ楽しそうにしているのが印象的でしたね。
やはり今作はSWにとって、結果的に(?)今までの音楽スタイルの集大成的な作りのようですね。それに相応しい充実した内容で今年のベストアルバム候補に名乗り出たと思うほど、素晴らしい内容だと思ってます。
あと、これは新作とは関係のない今年の始め頃のインタビューだけど、こちらはリミックス、マルチチャンネルに関する仕事も含めて更に興味深い内容が盛り沢山だった。どんなに完璧なリミックスをしても、1曲のこのパートだけ少し定位をオリジナルと変えていたら、Amaoznレビューに星1つで付けられてしまった、とかの話があって、マルチチャンネルのリミックス制作過程は大変だと思うが、SW自身はめっちゃ楽しそうにしているのが印象的でしたね。
今回もCD、レコード、そしてBlu-ray Audioと各種フォーマットを購入。
SWに関してはもはや複数フォーマットで欲しくなってしまっているので、よくないですね(笑)
SWに関してはもはや複数フォーマットで欲しくなってしまっているので、よくないですね(笑)
レコードはオレンジVinylでアートワークが特に映える!音に関しても、低音部分に厚みがあるので、CDとはまた違った良さがあるし、
アナログ盤をBurning Shedから購入したらポストカードのおまけ付きだった
Blu-ray Audioの5.1chミックスは解像度がグッと上るので、細かい音がよくわかり、これもまた聴いていて楽しい。SWならではのバランス感覚でリアスピーカーに音を振りつつも遊び過ぎない丁寧なミックスが今回も素晴らしいと思った。
Blu-ray Audio盤は96/24kHzのステレオサウンド、96/24kHzの5.1chミックス、そして48/24kHzのアトモスミックスとPV2曲も収録
各曲ごとに用意された静止画で再生
アナログ盤をBurning Shedから購入したらポストカードのおまけ付きだった
Blu-ray Audioの5.1chミックスは解像度がグッと上るので、
Blu-ray Audio盤は96/24kHzのステレオサウンド、96/24kHzの5.1chミックス、そして48/24kHzのアトモスミックスとPV2曲も収録
各曲ごとに用意された静止画で再生
いつかはドルビーアトモスミックスも聴いてみたいが、天井か壁にスピーカーを設置しないといけないから、そこは大きなハードルだな〜。2番目に紹介したインタビュー動画でSWは「多くの人は7.1.4chの環境は無いので、ドルビーアトモスといった環境で聴けるセッションを多く開催したい」という発言をしていたので、日本でもアーティスト主催のそういった催しが開催されると、良いですなー。