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THE DOOBIE BROTHERSは結成50周年を祝うツアーをアメリカで開催しているが、このツアーの目玉はかつてメンバーだったマイケル・マクドナルドが参加しているところ!そして、この編成のツアーがとうとう日本にも来た!


彼らのライブは過去2回観ている。1回目は2006年のあのUDO MUSIC FESTIVAL、次はそれから11年経ってからの2017年の日本武道館公演の時。どちらの公演も最高だったが、今回はやはりマイケル・マクドナルドがツアーに参加しているということは、正にこのバンドのオールタイムベストが体験できる!!

私は世代的に完全なる後追いだけど、THE DOOBIE BROTHERSを最初に聴いたアルバムは"The Captain And Me""Minute By Minute"だった。
特に後者のソウルフルでAORなサウンドにはツボを刺激されまくり、マイケル・マクドナルドがいるTHE DOOBIE BROTHERSを観るのは夢でもあったが、その夢がとうとう現実に。


今回のツアー・メンバーは以下の通り。
・パット・シモンズ:ボーカル、ギター
・トム・ジョンストン:ボーカル、ギター
・ジョン・マクフィー:ギター、ヴァイオリン、ハーモニカ
・マイケル・マクドナルド:ボーカル、キーボード、マンドリン
・マーク・ルッソ:サックス
・ジョン・コーワン:ベース、バッキングボーカル
・エド・トス:ドラム
・マーク・キノーネス:パーカッション、バッキングボーカル

前回ツアーでは参加していたビル・ペインは抜けていたんですね。てっきり一緒に来てマイケル・マクドナルドとのダブルキーボード体制だと思っていた(^_^;)
パットトムジョン・マクフィーマイケルの主要メンバー以外のツアーメンバーもお馴染みのメンツでほとんどレギュラーメンバーのようなもんですね。パーカションだけ2018年から参加している方に変更といった具合。

日本武道館公演は月曜日だったけど、2階席までビッシリと人が入っていて、今回の公演における期待の大きさが感じる。


ライブは1stアルバムからの"Nobody"でスタート!
50周年を記念するツアーとしては納得のオープニング曲。
私は幸運にもアリーナ前方の席だったけど、それより前のお客さんは座ったままだったので、まるで最前列で観ているかのような状況だった(笑)見易くて有り難いけど、メンバーは盛んに観客を煽っていたので、立ち上がってほしかったんじゃないかなぁ・・。

ライブの楽しみ方は人それぞれだが、ドゥービーのドライブ感溢れるロックソングに座ってみるなんて耐えられないので、立ってノリノリで楽しんでましたけどね!
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"Nobody"は牧歌的な味わいがあるので、2曲目の"Take Me In Your Arms (Rock Me A Little While)"でライブ本番という感じだった。"Stampede"からの選曲はこの曲だけだったが、衰えないが見えないパット・シモンズトム・ジョンストンのプレイはさすが。パットは見た目はやはり歳を重ねたな・・とわかるが、トムは2017年に観た時から何も変わっていないのでは!?というぐらい風貌・プレイ共に変化が無いように感じた・・。


そして、次があの"Minute By Minute"のオープニング曲"Here To Love You"が来たー!
当然、歌うのはマイケル・マクドナルドなわけで、あのソウルフルな歌声がTHE DOOBIE BROTHERSライブで聴けたのは正に夢がかなった瞬間!!

2011年にTHE DUKES OF SEPTEMBERとして来日公演した時にマイケルは観ているけど、やはりドゥービーのドライブ感あるサウンドの中で歌うマイケルを観たかったので、早くも感無量(笑)
THE DUKES OF SEPTEMBERの時よりも歌声にパワーがあるように思ったのは気の所為かな・・・
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続けて同じアルバムから"Dependin' On You"という流れは"Minute By Minute"が好きなのでたまらない流れだった。この曲ではバックボーカルに回るマイケルの歌声が実に良い感じで、彼がいる意味合いの大きさを感じるし、この曲のパットのギターソロはツボを抑えたメロディラインがあるので、地味に見えて見どころ満載な曲だと思うからライブで聴くことができてよかった曲の一つ。

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"Rockin' Down The Highway"でケツを蹴り上げてくれるような雰囲気になり、次はまたマイケルが主役となる"You Belong To Me"へ。正にムーディーなAORな曲だが、アルバムだとサラッと聴いてしまう内容と違ってライブはグルーヴがしっかりとして、なおかつ、マイケル以外のバックコーラスの美しさが際立つな内容となっている。ドラム以外は皆でコーラスを取る編成だけど、やっぱりコーラスはテープじゃあかん!と思うよな〜。コーラスワークがテープだとわかると途端に興ざめするので、ライブできっちりと歌うドゥービーしか勝たん!


さて、ここからは昨年リリースされた久しぶりの新作"Liberte"からの曲が入ってくる。そのアルバムからの一発目の"Easy"はノリが良くて誰もがすぐに歌えるキャッチーさがある良曲で、単にノスタルジーに浸るだけのバンドじゃないぞ!と示してくれる。
新譜からは他に"Better Days"、"Don't Ya Mess With Me"と計3曲を披露。どの曲もライブでも中だるみせず、しっかりと存在感がある曲。ベテランバンドでも新曲を沢山やってくれるのは嬉しいところ。

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もちろん、往年の名曲もこれでもか!というぐらい繰り出してくるので、ライブ中は常にハイライトという感じだった。その中でもこの曲をやるとは!という通好みな曲があるのも見逃せないポイント。
"It Keeps You Runnin'""Real Love"マイケル時代からの曲だが、前者はかなり通好みだと思う。後者もライブアルバムには収録されたことがある曲だが、マイケル時代の最後のアルバムとなった"One Step Closer"は個人的に大好きなアルバムなので、このアルバムからの"Real Love"をライブで聴けるのは胸アツだった・・・・。


ライブだと主要4人以外にツアーを支えてくれるメンツも各プレイ存在感があって、相変わらずよい仕事をしていたと思う。特にサックスのマーク・ルッソは正式メンバーなんでは!?と思うぐらいプレイとパフォーマンスに存在感があった。サックスはこのバンドにとってはとっても重要なパートだから当然といえば当然だけど!

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今回はどうしても、ソウルフルでAORな要素があるマイケル時代の曲について一番注目していたけど、"South City Midnight Lady"、"Clear As The Driven Snow"、"Another Park, Another Sunday"、"Eyes Of Silver"といったドゥービーならでは牧歌的かつ土着的なアメリカンなサウンドはいつ聴いても良いぐらいの安定感がある。

ライブ全編に渡ってそうだったけど、とにかく音がとっても良い!特にトムパットのギターの音色はクリアかつ、味わいがあり、そしてエネルギッシュ。楽器本来のナチュラルな音色を奏でてくれるので、このギターサウンドだけでもライブに来る価値があったと思う。
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2010年にリリースされた"World Gone Crazy"からのタイトル曲はライブで定番になった感があるけど、そこからの名曲しか無い素晴らしかった流れだった。

マイケルの特徴的なキーボードサウンドがある"Minute By Minute"、骨太なギターサウンドと後半のリズム隊のグルーヴ感、みんなで歌える箇所がある"Without You"。
観客の温度も高くなり、次の"Jesus Is Just Alright"でやっと私の前に客達が立ち上がって、盛り上がりも最高潮になってきた(笑)
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そして、とうとう来たー!"What A Fool Believes"!!!
ドゥービーが本当に好きになったキッカケの曲でもあるけど、先にTHE DUKES OF SEPTEMBERマイケルが歌うところは生で観ているが、ドゥービーの一員として演るところを観ることに大きな意義があるんです。マイケルの歌声もちょっと辛いところが出てきたかな・・と思ったけど、THE DUKES OF SEPTEMBERの時よりも歌えていたので、個人的にはオーライです(笑)

この曲のパットのギターソロをハイライトだと思っている人は私ぐらいなもんだと思うが、ライブでしかやらないこの曲のギターソロをライブで聴けたのはこの日一番のハイライト!
ライブの度にソロの内容が変わるので、私が一番良いソロだと思っているこのライブバージョンと今回のライブで内容は違っていたけど、ソロの終盤の構成は不変だった!
あと、この曲は最後にビシッ!と終わるところがライブならでは良さですねー。



ライブ本編の最後は"Long Train Runnin'""China Groove"
トムのカッティング、ギターリフはどれもキレ味が鋭く、そして聴いていて非常に気持ちが良い。
豪快なギターソロも彼らしくて好きです。

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アンコールはそうそう、まだこの曲をやっていないぞ!ということで"Black Water"
ジョン・マクフィーのヴァイオリンもここで登場。"Mississippi Moon〜♪"のところは"Tokyo Moon〜♪”に変わるところはお馴染みで牧歌的だけど、ライブで大合唱が起きるから非常に盛り上がる。
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そして、これもやっていないから今日は無しだったらどうしようと実はドキドキしていた(笑)"Takin' It To The Streets"!この曲はマイケルがいない時も常にライブで演っていたから、毎回聴いていたが、今回はオリジナルシンガーとしてマイケルが歌っているのを初めてライブで観た!これに尽きる。
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さすがにライブ終盤となるとマイケルもパワーで押し切る感じでかなりラフな歌い方になっていたように感じたが、歳も歳だし、こうして歌ってくれるだけで十分。
マイケル以外の主要メンバーは皆70代だし、ツアーメンバーも60代だったりするわけだが、少なくとも演奏面においては衰えは全く見られないは凄いことだ思う。
繰り返しになるけど、その中でも風貌面でもあまり変わっていないトムは凄いけど。


そしてライブの最後はやはりこれしかない、"Listen To The Music"
ドゥービーの音楽アンセムというべき曲を観客全員で大合唱し、大きな満足感と共にライブは終了。

先月のSTINGの時にも思ったが、これが観るのは最後かな・・と思ったが、全くそんなことはなく、こんなにエネルギッシュなライブだったら、もう少し現役バリバリでできると思った。しかも、2時間以上のライブですよ!


たまたま、10年ぐらい前のBAC COMPANYの来日公演記事を度読んでだが、高齢者ロックの勢いが凄い云々と書いてあった。あれから10年以上が経ち、高齢者ロックの勢いはますます凄くなっている。世界はジジィに乗っ取られる!という不安が確信となったと書いてあったが、それは間違いでなかったことを証明してくれたライブだった(笑)



Setlist
1.Nobody
2.Take Me In Your Arms (Rock Me A Little While)
3.Here To Love You
4.Dependin' On You
5.Rockin' Down The Highway
6.You Belong To Me
7.Easy
8.South City Midnight Lady
9.Clear As The Driven Snow
10.It Keeps You Runnin'
11.Another Park, Another Sunday
12.Eyes Of Silver
13.Better Days
14.Don't Ya Mess With Me
15.Real Love
16.World Gone Crazy
17.Minute By Minute
18.Without You
19.Jesus Is Just Alright
20.What A Fool Believes
21.Long Train Runnin'
22.China Groove
〜Encore〜
23.Black Water
24.Takin' It To The Streets
25.Listen To The Music


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リベルテ (SHM-CD)
ドゥービー・ブラザーズ
Universal Music
2021-10-29