IMG_8998
今やフランスを代表するヘヴィメタルバンド、GOJIRAが11月24日〜25日に日本ツアーでやってきて、初となる単独公演に行ってきた。


2022年のHELLFESTではトリを務める等、海外では大物バンドとなった彼ら、日本での初来日は2015年のLOUD PARKとその年のヘッドライナーのSLAYERの単独公演のサポートアクトだけだったが、それ以降にリリースしたアルバム"Magma""Fortitude"でバンドとして何段もレベルアップしている。

ただし、地理的な問題等も含めて日本にはその熱がいまいち伝わっていなかったように思う。今回、オーストラリアツアーの前に急遽組み込まれた日本ツアーということもあったが、プロモーター側が仕切りに宣伝を繰り返していたので、集客に苦労していた模様で、前日の大阪公演は実際、集客があまりよくなかった・・・?

実際はどうだったんでしょうか。


東京の会場は豊洲PIT。スタンディング会場としてはキャパ3,000人と大きい会場。私はこの会場に行くのは初めてだったけど、フロア後方は段差があるし、動線の広さ含めて見易いところですね。

物販はTシャツ1種類、トートバッグ1種類のみと寂しい内容だったが、Tシャツと"Magma"のアナログ盤を購入。アナログ盤は2,600円ほどだったのでこれはお得だった。
IMG_8990D

心配していた集客だが、ほどよくフロアが埋まって絵になる形になったかな・・?といってもせいぜい6割ぐらいのような気がする。
GOJIRAの海外での人気を考えると寂しいところだが、逆にGOJIRAをこの規模の会場で観れるのはなんともお得!そういえば、外国人の観客も多かったが、フランス語を話す方が大部分を占めていたように思う。


会場が暗転し、フロア内のディスプレイでカウントダウンが始まりライブがスタート。
のっけから、体感的にもズシリと来るヘヴィなサウンドが襲いかかってくる!
GOJIRAの音楽性を説明すると非常に難しい。ヘヴィメタルというカテゴリーになると思うが、デス、プログレ、グランジ、スラッシュメタルといった要素を万遍なく入れ、それを独自のサウンドにしている。リズムの重さも含めてオシャレなSEPULTURAといえばいいだろうか。なんか違うかもしれないけどw


要するに、これはその身を持って体験してみないとわからないと思う。私はアルバムを聴いてファンになったが、ライブでの音を体感しないと本当の意味で彼らの凄さがわからなかった。単独公演のおかげか音響がとてもよく、クリアで重量感があり殺傷力満載のリフに切り刻まれるかのような感覚になるぐらい、音に重さと鋭さがあった。
IMG_9049

そのサウンドの中心はもちろん、フロントマンであるジョー・デュプランティエ。細身なのに、野獣または怪獣のような迫力あるボーカル。そして金属的な響きが独特なギターリフが非常に特徴的だが、そのサウンドを奏でるギターはテレキャスターとか使っている。テレキャスターであんなヘヴィな音を出しているの!?というギャップが更に魅力。
IMG_9061

IMG_9034


その屈強なリズムを支えるのはジョーの弟のマリオ。一つ一つの音がズシリと重く、それは兄弟ということもあって、イゴール・カヴァレラを想起させる。
IMG_9040

ちなみにこんな小ネタも用意してくれて嬉しい(笑)
IMG_9053

写真は無いけどベースのジャン=ミシェル・ラバディは身体全身と使ってのパフォーマンスとマリオと呼応するベースラインが更なるヘヴィネスを生み、ギターのクリスチャン・アンドリューは派手さは無いものの、ジョーとのキレ味あるリフワークのコンビネーションで二人ともGOJIRAとしての肝であるリズムワークには欠かせないメンバーと改めて認識。
二人ともデュプランティエ兄弟と比べると地味だが、バンドとしての縁の下を支えている。
IMG_9055


セットリストの大部分は前作"Magma"、新作"Fortitude"から占められ、やはりこの2枚は彼らの新たなスタンダードとなる作品なんだなと思った。プログレッシブな感性が光る"Magma"からの曲と、よりキャッチーな歌メロと今までにないパターンの曲を入れてきた"Fortitude"の曲があるからこそ、ライブの多様性が増し、決して一辺倒な構成にならない。

それを象徴するのが、キャッチーな歌メロの"Another World"、観客に一緒に歌ってもらうことを前提とした"The Chant"で、このバンドが大きな会場向けになっていることを示す象徴的な曲だと思った。



視覚的にも大量のスモークを使ったりと映えることを意識したライブ内容となっており、これはO-EASTクラスの会場より、大きなライブハウスである豊洲PITだからこそ、よりカッコよく映える演出だったと思う。正直、日本での人気を考えるとO-EASTクラスの会場がちょうどよかったのでは、、、と思ったが、バンド・プロモーター側でバンドがより魅力的に映える場所に拘ったから、この会場なんだな!今回の演出を観て、会場が豊洲PITでよかった。本来はそういった大きなスケールを持っているバンドなんですよね。
IMG_9047


IMG_9014D



彼らとしたら日本での扱いは欧州のように決して大きないが、それでもフルキャパシティのライブを手抜きなく見せてくれて、これぞワールドクラスのバンドとしての存在感を見せつけてくれた。
やっぱり、この手のバンドはライブを観てなんぼ!なんでしょう。
その野獣のような凶暴性と知性を感じる繊密なアレンジと展開の妙がこのバンドの持ち味で、それが一体となって襲いかかってくるサウンドに何度も「凄い!」と思わず言ってしまうことが何度もあった。


ライブ最後の"Amazonia"は新譜からの曲だが、SOULFLYっぽいトライバルなリズムとうねるようなヘヴィネスが圧巻の曲で、ライブだとアンセムになりうる曲だなと実感!



IMG_9066


IMG_9042


今回のGOJIRAライブ、観れて本当によかった!やはり百聞は一見にしかず!!

ジョーが力強く「また日本に戻ってくる!」、「この国が一番GOJIRAの発音が上手いよ」という発言からして、彼らも今回の来日公演に手応えを感じてくれたと思いたい。


何度も言うとけど様々なメタルのサブジャンル的な要素を持っているバンドなので、音を文字にして説明するのが難しいから、ライブを観て判断してもらうのが一番早いというところ。ただし、日本だとどうしても欧米と比べてライブに触れる頻度が低いし、GOJIRAの急成長っぷりがオンタイムで体感できずにいるので、この来日公演をキッカケにSUMMER SONIC、KNOTFESTやDOWNLOAD FESといった
日本の大きな舞台に出てもらい、多くの人にそのサウンドを体験してほしいな〜〜と強く思った次第。

IMG_9026D

IMG_9025D

IMG_9068



Setlist

1.Born For One Thing
2.Backbone
3.Stranded
4.Flying Whales
5.The Cell
6.Love / Remembrance
7.Grind
8.Silvera
9.Another World
10.L'enfant Sauvage
11.Toxic Garbage Island
12.The Chant
13.The Gift Of Guilt
〜Enocre〜
14.New Found
15.Amazonia