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MR.BIGの代表作とも言える1991年にリリースされた2ndアルバム"Lean Into It"が30周年記念盤として、再リマスターされて、MQA-CD、SACD Hybrid、アナログレコードと各種フォーマットで再発された。私は5.1chマルチチャンネルを収録したSACD Hybrid盤を購入。

一般的にこの2ndが彼らの最高傑作とされている節があるけど、個人的にMR.BIGの最高傑作は1stアルバムだと思っていて、総合的に全アルバムの中でも楽曲のクォリティ的には1stアルバムが頭一つ抜き出ている。しかし、バンドにとってマーケットを開拓して多くのファンを惹きつけたという点においては、2ndが圧倒的に一番ではないだろうか。ドリルを使ったユニークなギミックがありなおかつ勢いのあるハードロックナンバーから、ポップでキャッチーな曲、ブルージーな曲、そして誰もが一度は聴いたことがあるアコースティックナンバーで全米1位に上り詰めた"To Be With You"と、HR/HMファンで無い方を多く惹きつけた、その間口の広さはこの"Lean Into It"が一番だと思う。


そんなアルバムの30周年記念盤でなおかつ日本と強い結びつきがあるバンドだけに当然、国内盤がリリースされると思いきや、なんと輸入盤のみ!そして、evoxsという聞いたことがないレーベル!
更に、パッと見で国内盤にしか見えない帯付きで、しかも伊藤政則のライナーノーツ付き!もうよくわからない(笑)

国内盤・輸入盤の垣根をぶっ壊す内容になるとは思わなかった!このevoxsはどうやら香港のレーベルらしいけど、MR.BIG関連のアルバムの権利を持っているということかな?バンド側もオフィシャル作品として大々的に発表しているし。
しかし、日本のレーベルだとSACD Hybridというフォーマットは採用しなかったと思うので、そこは香港のレーベルっぽいなー。

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とにかく、肝心なのは音!
この手のハードロック系バンドで5.1chミックスはレアだから、どんな音になっているかが気になっていた。
クレジットを確認すると、5.1chミックスはChris Bellが担当しているが、ちょっと調べてみたら、今はDolby Atmosを中心したミキシングエンジニアらしい。

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この"Lean Into It"の5.1chミックスはリアスピーカーも十二分に活用とした内容で、ちょっとビックリ。
わかりやすい事例で言うと、"Daddy, Brother, Lover, Little Boy"のソロが終わってドリルでギュイーンギュイーンとするところはリアも含めて360度包み込み内容だったり、"To Be With You"の後半でエリック・マーティンがコーラスに覆いかぶさるように"I'm the one〜♪"や、"Feel it too〜♪"と歌うところはリアから出てくるので、なかなか面白い。
5.1chミックスするなら、リアは残響音だけではつまらないと思う派なので、ここまで5つのスピーカーをフル活用する内容なら、十分アリなミックスだと思う。

そして、センタースピーカーから出てくるエリックの歌声も更に生生しくなっており、各楽器の響きの情報量も以前のリマスター盤と比べて(2009年の日本独自リマスター)多いので、これは買ってよかった!何度も聞いたアルバムだけど、更に魅力を掘り下げる良い機会でもあった。まあ、MR.BIGファンでSACDの5.1chミックスまで聴くという人は少数派かもしれないが、そんな少数派にとっては嬉しい内容。
なお、この5.1chミックスボリュームを絞るとパワーが足りないので、ボリュームを上げて聴くことをオススメします。


しかし、Amazonで買った時は2,222円だったので、ここまで安いと国内レーベルの立場が・・・。