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フィンランドのオルタナ・プログレッシブバンドと言われるWHEELが今年リリースした彼らの2ndアルバム"Resident Human"

彼らを知ったキッカケというのがPROG MUSIC DISC GUIDEというディスガイドブック。
ディスクガイドはあまり買わないけど、その中でもいわゆる70年代のプログレッシブロックではなく、現在のプログレッシブ・ロック、プログロック(この2つの言葉の違いはイマイチよくわからないが・・・ほぼ同義語と思っている)に焦点を当てたこの本は面白い一冊だと思う。日本だと情報が十分に入ってこない現代のプログシーンの流れを主要バンドに焦点をあてつつ、そこから音楽的に関連があるバンドのアルバムを紹介しているので、この手の音楽に興味がある人なら、取っ付き易くかつディープに探求する手助けになると思う。また、スティーヴン・ウィルソンマイク・ポートノイといった、ビッグなアーティストのインタビューの他にOPETH等のマネジメントを手掛けるアンディ・フェローのインタビューがこれまた面白い!商売の裏側についての話が豊富で、ANATHEMAが活動停止した理由の一つ(いや、本質かもしれない)も語っているので、ANATHEMAファン的にもオススメ。




その本の中で紹介されていたのがWHEELが2019年にリリースした彼らのデビューアルバム"Moving Bakwards"
Moving Backwards
Wheel
Groove Attack
2019-02-21


フィンランドのバンドだけど、あのTOOL直系のサウンドで、デビュー後は数多くのフェスへの出演依頼が殺到したという話を聞き、何よりTOOLは大好きなバンドなので、どんな音なのか知りたくなった!
ほんと、TOOL直系のサウンドで、ボーカル含めてアクが強く無いTOOLという感じだった(笑)北欧っぽさはほとんど感じられず、そこはせいぜいボーカルの発音ぐらいかな?
TOOLのアクの強さは良くも悪くも彼らの特徴で、個人的にそのアクの強さは彼らの魅力の一つと思っているけど、人によってはWHEELの方が聴きやすいかもしれない。なので、個性的とは言えないかもしれないが、デビューアルバムでこのクォリティの高さは驚異的としか言いようがない。






そして、WHEELの2枚目となる"Resident Human"
Resident Human
The Wheel
Odyssey Music
2021-03-26



まずサウンドプロダクション面での向上しており、それも含めてギター、ベースとドラムが一体となってうなるグルーヴが前作以上に心地良くかつパワフルになっている。ボーカル面での迫力が増し、メイナードっぽい歌声も出てきたり(特にタイトル曲)、デビューアルバムからパワーアップしている様は頼もしさも感じる。静と動のコントラスト含めてますますTOOLに近づいたかのようなサウンドは、バンドの個性という意味では良いんだが悪いんだかそこは微妙な気持ちになるが(笑)、曲の良さと中毒性があるそのサウンドはやはり特筆すべきものがある。

TOOLに近づけば近づくほど、音楽だけじゃないアートワーク含めて五感に攻めてくるその音楽的魔力の大きさの偉大さが際立ち、WHEELを絶賛したいという気持ちがある反面、先程のTOOLと比べたら・・というそのジレンマをどうにかしてほしい(笑)単純にクォリティの面ではいえば、これは凄い!!!名盤!!!と叫びたい。タイトル曲は今作の中でも一番TOOLっぽいけど、楽器隊が一斉に襲いかかってくるかのようなリフと展開の妙はカッコよいしなぁ。
インタビューではTOOLへのリスペクトもありつつ、独自の音楽を確立という想いも感じられるので次作の3枚目が勝負になると思うし、そこでWHEELといえばこれ!というものを出してほしいなぁ。新しいバンドの中では特に応援したいので、ブレイクスルーを期待しています。次作は予算が増えてアートワークにも力を入れてほしいところ。今作はうーん、ちょっと微妙w