Heart Of Steel

買ったアルバムの感想を語る場

2017年09月

「メタルファンは、死ぬまでメタルファンなんだ。パーマネントに『あ~○○年の夏はSLAYERをよく聴いたよな~』みたいな聴き方をする奴は一人もいないよ」byロブ・ゾンビ

【ライブレポ】CHAOS ASSAULT VOL.1@GARRET Udagawa 2017.9.23


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ワードレコーズ主催のメタルライブイベント、CHAOS ASSAULT VOL.1。国内を中心とした非常に濃いバンドが集まり、そこにドイツの二人組MANTARが参加したこの催しの場所は渋谷にあるGARRET Udagawa。二日間の開催で初日はBORISMANTARSIGH。二日目はMANTARCHURCH OF MISERYSIGHDOOMという組み合わせ。

私はCHURCH OF MISERYのライブは今まで体験したことが無かったので、ここはもちろん、二日目に参戦!CHURCH OF MISERYはまさに世界基準というべきバンドでもあるし、ドゥームというジャンルの中では最も音楽的に豊かなバンドだと思うほど好物なのに今までライブを観る機会が無かった。バンド自体もリーダーの三上さん以外が脱退してしまい、中々後任メンバーが決まらなかったが、やっと決まり、今年の10月以降は欧州ツアーへ。その前に日本でのライブは年内これだけ!(のちに年末近くに単独公演が発表されましたが)ということで、新生CHURCH OF MISERYはどんな感じになるのか!?含めて楽しみにしていた。

ライブ前にはCHURCH OF MISERYの物販を物色。新作に伴う物は無かったけど、過去のTシャツやCDが格安だったので、思わずTシャツとなぜか持っていなかった2ndアルバム"The Second Coming"のリマスター盤を購入。値段の安さもあって、CHURCH OF MISERYの分だけ物販は売り切れていたかな・・?

トップバッターはDOOMDOOMは初めて観るバンドで、予習もしようと思ったができず、彼らの音楽はほぼ初めて聴くことに。最初は後方で様子見だったが、GARRETの段差のところで人が詰まっているらしく後ろは息苦しいので前に移動。前は結構スペースができていて快適。
DOOMは・・・・ほんと、音が格好良かった!
ヒネリがあるけど、思わずエアギターしたくなるカッコイイリフがこれでもか!と連発され、スリーピースバンドの特性を活かした音の隙間と非常にタイトなアンサンブルは素晴らしかった。思わず前に行っちゃいますね、こりゃ。ちゃんと予習してくればよかった、ゴメンナサイ!
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2番手はSIGHSIGHALCESTEMPERORの前座で何度か観ているけど、今まで観た中で一番盛り上がっていたかも?というぐらい観客のリアクションがあって、ちょっとビックリ。Dr.Mikannibalもこれでもか!と煽りを入れて、ステージダイブしちゃうんじゃないかというぐらい前に出てくるし、バンドもついこの間、MAYHEMの前座も努めていたから、コンディション的には良い感じだったんじゃないでしょうか。
先程のDOOMと比べるとバンドのアンサンブルやら演奏面やらはやっぱり弱いんだけど(笑)、その緩さはSIGHの良いところでもあるから、とっ〜〜〜ても地味なリズム隊も含めてそれがSIGHの個性かな?w
基本は川嶋さんとDr.MikannibalがSIGHのエンタメ部分を担っているので、お約束的なパフォーマンスはキチンとやってくれたし、Dr.Mikannibalは本当に2児の母親というのが信じられないほど(EMPERORの前座の時はお腹がかなり出た妊娠後期状態でもパフォーマンスしちゃうぐらいの人だから・・・)、狂気なパフォーマンスでその時は自然と撮影大会になってしまう(笑)
ライブの内容と関係無いけど、個人的にDr.Mikannibalのお子さんが着ているSIGHのベビー服が欲しい!あれ、物販で売ってくれないかなぁ。喜んで買って娘に着せたいんだけど(笑)
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写真は良いものが撮れなかったので、当日のライブの模様がアップされてこちらがわかりやすいです







さて、3番手は個人的大注目のCHURCH OF MISERY!先程のSIGHでも前方エリアには人が詰めかけてきたけど、CHURCH OF MISERYの時は更に人が多く詰めかけてきた!やっぱり気になっている人が多かったんだろうね。セッティング中にベースの三上さんが脇から煽ってくるわ、観客とビールで乾杯し始めるわ、とってもご機嫌な模様。やっぱりライブが再開できる喜びが自然と出てきちゃうんでしょうね。ドゥームバンドなのになんだか、ハッピーな気分になるし、こんなに煽りを入れてくるバンドとは聞いていないぞ(笑)

初めて観たCHURCH OF MISERYは本当にカッコよかった!日本が世界に誇るドゥームメタルバンドだけど、ドゥーム以前にロックとしてカッコよいんだよね。ライブも三上さんのストラップが異常に長いベースを弾く姿は独特だし、弾き出す音と髪を振り回しながら弾く姿はカッコイイ!さすがに一線級のプロは違う!ぶっとい音ながらも温かみがあって、ヘヴィなベースサウンドはこのバンドの根幹。

他のメンバーは全員新加入だけど、気合が入ったパフォーマンスで熱かった。特にドラムはグルーヴ感溢れるドラミングで三上さんとの相性もバッチリ(もしかして、ドラムって、EMPIREの人??ド)。注目の新ボーカリストのTAKANOさんは町中であったら絶対に避けたいと思う(笑)狂気なパフォーマンスでこちらも気合が入った感じ。やっぱりこのバンドはボーカルが日本人だと、このバンドならではのカビ臭さ(良い意味で!)が増すから、今後も期待できそうなラインナップのようですね!

ドゥームバンドで熱いって表現は似合わないけど(笑)、先程書いたように、このバンドはドゥーム以前にロックとしてカッコよい音を出すバンドなんで、ドゥームに偏見を持っている人は是非聴いてほしい。根は真っ当なBLACK SABBATH直系のバンドだし、単にヘヴィなだけでなく、音楽的表現がとっても豊かなバンドはそうそういないと思う。

この日のライブ自体は5曲のみで40分ほど?とてもとても、物足りない!
しかし、12月23日に隣の渋谷サイクロンで単独公演が発表!!!うおー、これは行きたい・・・!だが、スケジュールを確認したら、この日は子守しないといけない日なので、彼らの単独公演は2018年に期待かな。もう皆さん、脱退しないでくださいね(笑)

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この日のCHURCH OF MISERYのライブの模様(フル収録)はYoutubeのバンド公式チャンネルで アップされているので、細かい云々は置いておいて観てください!
 


CHURCH OF MISERY Setlist

01.El Padrino (Adolfo Constanzo)
02.Make Them Die Slowley (John George Haigh)
03.I, Motherfukcer (Ted Bundy)
04.Candyman (Dean Corll)
05.Murderfreak Blues (Tommy Lynn Sells)



この日の最後はドイツからの二人組のMANTAR。ギター兼ボーカルとドラム兼ボーカルの二人だけという構成で、メタル版ROYAL BLOODWHITE STRIPESとか呼ばれているけど、メタルというよりもっとノイジーでパンクな音を出すバンド。アルバムだとメタル成分が多いように思えたが、ライブはもっとノイジー部分が多め!
ライブの立ち位置も独特で、ドラムはステージ前にセットされ、ギターとドラムはステージ横に向きながら演奏するという内容。ギター兼ボーカルのハンノはステージでジッとしている時はほとんど無いと言ってぐらい動き回り、エリンチのドラムの音はとってもデカく、ズシンと来る。

ただし、先程のCHURCH OF MISERYで私の集中力は切れてしまったので、MANTARは後方でマッタリ観てました(^O^;)ライブはノイジー成分が多めなこともあって、ちょっとライブは個人的に好みで無い音になっていたかなぁ。もう少し早い出番だったら、また見方が変わっていたかもしれないが。。


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終盤は自分はガス欠になってしまったけど、どのバンドも非常に濃い内容でよい組み合わせのライブだったと思う!個人的にSIGHDOOMも見れて楽しかったけど、なんといってもCHURCH OF MISERYのライブをやっと観れたことに尽きるわけで。これからの活動は順調に進んでほしいと切に願ってますよー!
ちなみに、このメタルライブイベント、VOL.1となっているけど、VOL.2はあるのだろうか・・・?

【ライブレポ】DREAM THEATER @日本武道館 2017.9.11

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9月11日はDREAM THEATERの3年振りとなる来日公演の武道館公演に行ってきた。
今ツアー名はズバリ!"Images Words & Beyond"。そう、あのDREAM THEATERが一気にシーンのトップに立つキッカケとなった超名盤"Images And Words"がリリースされてちょうど25周年を記念し、その"Images And Words"完全再現が組み込まれたツアー。

DREAM THEATERは2ndアルバム"Images And Words"をリリースしてからはアルバムをリリースする度に必ず来日公演があったけど、 現時点での最新アルバム"The Astonishing"ツアーではなんと、来日公演がなかった・・・。ストーリーと歌詞に趣きを置いたアルバムだけに言語の違いからなる取っ付きにくさのせいで来日公演は無かったのか。。個人的に悪くないアルバムだと思うけど(最高とは思っていない。ディストピア感がよくあるパターンなんで、ストーリーが魅力薄かなぁと思っている)。
まあ、その後にこんなツアーが用意されていたら、観客はそっちに行ってしまうから仕方ないかな?(^O^;)

バンドにとって武道館公演は、2008年の"Sytematic Chaos"ツアー以来だから、9年振りかー。あの時は武道館公演一日だけという来日公演でしたね。

会場に入って座席はアリーナのペトルーシ側。会場に入って、いつもと違うな?と思ったのは幕などでステージは隠さずにいたこと。いつもは幕をかけて凝ったステージセットを隠していたが、ライブが始まっても、見たところ今回はいつになくシンプルなステージ。後ろにあるのはスクリーンだけ・・?(のちにスクリーンではないことが判明)
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〜Act 1〜

さて、今回のツアーも二部構成で第一部は普通の形式のライブで進行。ヘヴィな"The Dark Eternal Night"でライブはスタート。2008年の武道館公演で見た時はスクリーンの映像が凝った内容だったが、今回はなし。2部でスクリーンを使うのかな?と思ったら最後までそんな演出は無かったので、今回は音とパフォーマンスを見てほしいというバンド側の意思表示なんだろうか。
多分、その2008年以来に聴く曲だったけど、ヘヴィだが、キャッチーなサビとスリリングなインストパートはやっぱりいい曲だ。ここでいきなり、ジョーダン・ルーデスのショルダー・キーボードが登場!あれ???キーボードじゃなくて、ショルダーiPad?(笑)
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2曲目はガラリと変わって、セルフタイトルアルバム"Dream Theater"から"The Bigger Picture"。とってもメロウな曲でジェイムズ・ラブリエの魅力満載な曲。このアルバムの時のツアーで演奏されなかった曲だから、ファンとしてはこれが聴けて嬉しい。曲自体、久しぶりに聴いたけど、良い曲だよなぁ〜と再認識。
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続いてはインスト"Hell's Kitchen"。続けてアルバム通りに"Lines In The Sand"に繋げてほしいところだが、それは無し。残念!(笑)

"The Astonishing"ツアーでは来日は無かったが、そこからは2曲。アルバムの実質的なオープニングナンバー"The Gift Of Music"とこれまた実質的なクロージングナンバーの"Our New World"を続けて演奏。うーん、これって、"The Astonishing"の超短縮バージョンってことかwwでも、特に"The Gift Of Music"はアルバムで聴くより数段躍動感があり、更にマイク・マンジーニのドラムのキレッぷりが聴いていて実に気持ちよかった。やっぱり"The Astonishing"ツアーの来日公演も行うべきだったんじゃないかなぁ、と思ったりも。

今回は珍しくジョン・ミュングのベースソロコーナーもあり(ジャコ・パストリアスのカバー)、彼のベースは今回は良く聴こえたような気がする。いつもは全体のサウンドに埋もれてしまうケースが多かったので、彼の妙技も堪能。
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ベースソロから、更に歪みを効かせたベースサウンドに切り替え、それがヘヴィメタルナンバーの"As I Am"のイントロとなって曲に繋げていく構成はお見事!今やライブで盛り上がるタイプのナンバーとなった感がある曲だけど、途中でMETALLICA"Enter Sandman"のカバーを入れてくるもんだから、更に盛り上がる。第一部で一番盛り上がった&シンガロングあったのはここだったかもしれない(笑)

第一部の最後はマイク・マンジーニ加入後はライブで欠かさず演奏する"Breaking All Illusion"("The Astonishing"ツアーは除く)。12分ほどの長編曲だが、最後までダレることなくキャッチーかつスリリングな内容で突き進むこの曲はマンジーニ加入後の代表作と言ってもいいほど。第一部の最後を飾るのにピッタリの曲。

結局、第一部はここ数年のツアーで披露していない曲を中心といった内容で、この辺はファン向けといった選曲のようにも思えるけど、この辺の選曲はニヤリとさせてくれる。どのみち王道曲は第二部で連発されるので、これぐらい通好み的な選曲が良い。本番は第二部のはずなのに、既に幸福感が凄い。

20分のインターミッション中、前回来日公演時ではスクリーンに抱腹絶倒な映像を流していたけど、今回はそのようなものは無し!視覚面でいえばひたすらシンプルに徹している感がある。インターミッション中のBGMはSTEELY DANTOTOTHE DOOBIE BROTHERSといったAORナンバーだけを流していたがの印象的。個人的に好みのバンドばっかりだったので俺得でしたw

〜Act 2〜

いよいよ、第二部は"Images And Words"の完全再現!
アルバムがリリースされた1992年のヒットソングが次々と流され、最後はおそらく当時のラジオで"Pull Me Under"を紹介するDJの掛け声とともに"Pull Me Under"でスタート!第二部でもスクリーンの演出は無いけど、この演出はほぼリアルタイムでDREAM THEATERを体験している身としては堪らないものがある。いつもはライブ終盤に出てくるこの曲をライブ中盤で聴くのはどこか新鮮な気分だ(笑)

次の来る曲は言わなくてもわかっているけど、第二部が進むにつれ第一部以上の幸福感に包まれる!
今までのライブで"Images And Words"からの選曲は本当に少なく、ライブによっては選曲すらされない時もあった記憶がある。普通のバンドなら一番ヒットしたアルバムからの選曲を沢山入れたライブを行うところだが、DREAM THEATERは常に最新作をフィーチャーしたライブを行ってきたから、今回のツアーのスペシャル感は他のバンドのアルバム完全再現とはちょっと違う。そんなアルバムからの曲がこうして連発されていくのは堪らない!!

曲によっては若干アレンジを変えていたり、ソロパートを引き伸ばして演奏する、"Metropolis Pt. 1:"の途中ではマンジーニのドラムソロを入れたりといった、細かい変更はあるがそれはライブならでは醍醐味。
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ラブリエのボーカルは厳しい見方をすれば色々あるかもしれないが、第一部含めてメリハリを付けて、上手い見せ方をしていると思うので、決める時は決めるし、何よりも改めて彼の中音域は本当にウットリするほど。重箱の隅をつつくのもアリだが、ライブはトータルでどう魅せるのかといった総合点で堪能したいと思っているので、ラブリエのボーカルは本当にお見事。
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DREAM THEATERライブに数多く行ってきたので、"Images And Words"からの曲はライブでも一通り聴いてきたが、唯一ライブで聴けなかったのはアルバム最後を締める"Learning To Live"。ライブでも長い間演奏されなかったナンバーでもあり、この曲をやっとライブで観れるのは感慨深い!"Wait For Sleep"からの続いてはこの曲じゃないとね!ラブリエのボーカルも毎日移動の3連チャンにも関わらず、要所要所を決めてきて、決め所?のハイトーン箇所は見事に歌いきって、思わず拍手喝采。
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何百回聴いたのかわからないほどのアルバムの完全再現の分だけ、マンジーニのドラムはついつい、マイク・ポートノイと比べてしまうところも。ここはこう叩いてほしい!とかオリジナルドラマーとの違いがよく表れていたように思えるけど、そこは人が違えば当然、個性も変わるので仕方ないところか。VAN HALENでサミー・ヘイガーの曲はサミー・ヘイガーが一番しっくりくるけど、デイヴィッド・リー・ロスの曲はデイヴィッド・リー・ロスが一番しっくりくるといったことと一緒だと思っているw

〜Encore〜

"Images And Words"完全再現でもうお腹一杯だが、アンコールが残っている。アンコールの曲はなんと!"A Change Of Seasons" !!!こちらも全パート演奏するのでアンコールは25分強もあるという内容(笑)この曲をライブでフルで聴くのは初めてなんで、感激するはずが、さすがに疲れましたwwラブリエのボーカルは結構お疲れ気味なところはご愛嬌。こういう過剰なところはこのバンドらしくて好きなんですけどね。

というわけで、19時ピッタリにスタートして終わったのはこれまた22時ピッタリという3時間に及ぶライブは終了。3時間幸福感に包まれっぱなしのライブで、例えセットリストが同じでももう1、2回観たいと思う内容だったと思う。マイク・ポートノイがいた時はセットリストは毎回変えてくるので、複数日観たいと思うのだけど、彼が脱退した後はセットリストは固定。その分、パフォーマンスに磨きをかけることに集中しているように思えるし、どっちがいいのかは好みが別れるところだけど。

ライブで一番気になったのはますますマッチョになって、髭の増量がアップしたジョン・ペトルーシ!(笑)見る度、ドンドン印象が変わっていく人だ・・・。前回来日はもうちょっとスマートな感じだったのに。
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Setlist

〜Act 1〜

01.The Dark Eternal Night
02.The Bigger Picture
03.Hell's Kitchen
04.The Gift Of Music
05.Our New World
06.Portrait Of Tracy(Jaco Pastorius cover) (John Myung solo)
07.As I Am (Including Enter Sandman : Metallica cover)
08.Breaking All Illusions

〜Intermission〜 

〜Act 2 (Images And Words)〜

09.Pull Me Under
10.Another Day
11.Take The Time
12.Surrounded
13.Metropolis Pt. 1: The Miracle And The Sleeper
14.Under A Glass Moon
15.Wait For Sleep
16.Learning To Live

〜Encore〜
17.A Change Of Seasons 
  I.The Crimson Sunrise
  II.Innocence
  III.Carpe Diem
  IV.The Darkest Of Winters
  V.Another World
  VI.The Inevitable Summer
  VII.The Crimson Sunset 

P.S.
今回はスクリーンの演出は無かったとはいえ、ギターとキーボードのユニゾンパートはスクリーンに映してほしかったなぁ。ジョーダン・ルーデスのキーボードにも前回のようにカメラを付けて上から弾いている姿がまた観たかった(笑)
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【レビュー】ARCH ENEMY "Will To Power"

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ARCH ENEMY
の通算10作目となるアルバム"Will To Power"アリッサ・ホワイト・グルーズが加入しての2作目であり、前作"War Eternal"ツアー中に元NEVERMOREジェフ・ルーミズが加入しての1作目に当たる。

ARCH ENEMYは基本的にマイケル・アモットクリストフォー・アモットの兄弟コンビが作曲の中心だったが、前作"War Eternal"製作前にはクリスが脱退したため、マイケルと当時の新ギタリストだったニック・コーデルがソングライティングの中心だった。ということは、新作"Will To Power"NEVERMOREの中心人物でもあったジェフ・ルーミズが加入したから、もしや・・・マイケルとジェフの豪華ギタリストコンビのコラボレーションが出るのでは!?と思ったら、ジェフはソングライティングには一切関わっていないという。。
Burrn!最新号のインタビューを読むと、ジェフはマイケルと一緒にじっくり腰を落ち着けて曲を書く機会がほとんどなく、マイケルはドラムのダニエル・アーランドソンとサッサッと作ってしまっていたので、ソロを弾くだけとなってしまった模様。次作は音楽面のインプットをしたいという発言もあったので、その辺は次作に期待!(しばらくツアー三昧になるから、次作は数年後かな?w)
BURRN! (バーン) 2017年 10月号
シンコーミュージック
2017-09-05



よくよく考えると、SLAYERゲイリー・ホルトが加入しても作曲の中心はケリー・キングのままだったから、他のバンドのメインソングライターが加入しても、そう簡単に共作まで行くのは色々とハードルがあるのかもしれない。

"Will To Power"のクレジットを眺めていたら、2曲ほどクリスの名前が載っていたので、クリスがスウェーデンに帰ってきた時に(彼は現在アメリカ在住)、マイケルと一緒に曲を作ったということで、新加入ギタリストとの共作は無いけど、脱退した弟との共作はあるという内容(笑)アモット兄弟あるあるな感じですねww

さて!肝心の内容だけど、全体を通して、前作"War Eternal"が縦方向への突進力に優れたアルバムとすると、"Will To Power""War Eternal"から更にスケール感をアップさせ、水平方向に広ったイメージがある。メロディの充実度、プログレ的展開、ストリングスの利用に関しては前作にあった要素を更に発展させた内容。

それでも、エクストリームメタルバンドらしい、極端なまでにアグレッシヴな"The Race"で始まり、今まではイントロSEから曲本編に入る展開が多かったので、この始まり方はちょっと新鮮。どうやら、この曲が1曲目なのは日本盤のみでそれ以外はイントロSEの"Set Flame To The Night"から"The Race"に繋がる構成のよう。日本盤だと"Set Flame To The Night"は本編アウトロSEとなっている。個人的には新鮮味を感じる日本盤の曲順が好みかな。

"Blood In The Water"はジェフのスリリングなソロもあれば、マイケルらしい哀愁メロディたっぷりかつノリの良い展開がある曲なので、もっとも安心して聴ける曲かもしれない。同じタイプの曲は6曲目の"Murder Scene"もそうで、ファンなら嫌いになる要素は見当たらないと思う(笑)哀愁のメロディを奏でながら疾走するナンバーは何度聴いても燃えちゃうなぁー。

"Blood In The Water"


最初のPVとなった"The World Is Yours"はメインリフがヨハン・リーヴァ在籍時のARCH ENEMYを彷彿とさせる内容で、サビに繋がる部分は現在のARCH ENEMYらしい展開。中間部分でスローダウンするところは形は違えども、1stアルバムからの"Bury Me An Angel"をちょっと思い出し、ヘドバンできそうなブレイクするパートは"Nemesis"を彷彿とさせる。ARCH ENEMYの美味しいところをギュッと詰め込んだ1曲。ただし、サビのメロディは明るさを感じさせるところが今までとチョット違うし、歌詞もポジティブな内容。ツインギターハーモニーの裏でメロディアスなベースラインを聴かせるシャーリーのベースがカッコイイ!

"The World Is Yours"
 

もう1曲、PVが作られた"The Eagle Flies Alone"はこのバンドのミッドテンポ曲にしても少々弱いかなー。といっても、"Revolution Begins"などと比べたらの話なので、並のバンドだったら素晴らしい!内容になると思う。

"The Eagle Flies Alone"


今作の新機軸と言えば"Reason To Believe"はバンド初となるパワーバラードソングで、アリッサがクリーンボーカルで歌っている!ARCH ENEMY自体にしてもクリーンボーカルを主軸とした曲はこれが初めて!THE AGONISTKAMELOTでもアリッサは普通に歌っても素晴らしいシンガーであることは証明済みだけど、個人的にARCH ENEMYはボーカルはブルータルなままにしてほしいと思っていたので、最初は不満を感じていたが、この曲はサビがデスボイスという普通とは逆の展開なため、曲を聴き終えた印象としては違和感をあまり感じない。この辺のバランス感覚の妙はさすがだなー。

"Reason To Believe"


プログレ的な色合いが強い曲としては、前作"War Eternal"から"Time Is Black"(これは名曲だと思う)があるが、それを更に発展させたのが"Dream Of Retribution"。今作はキーボードを結構入れているパートが多く、よりシンフォニック度合いが高まったところが印象的で、この曲はまさしく、そう。なんだかクリスが作りそうな曲だなーと思ったら、やっぱりマイケルとクリスとのアモット兄弟の共作でしたw
ちなみにこの曲のキーボードはあのイェンス・ヨハンソン

"Dream Of Retribution"


他にはストリングスを大胆に入れている"A Fight I Must Win"といった曲もあるので、全体的にストリングスやキーボードの比重が今までで一番多い。

日本盤ボーナストラックはPRETTY MAIDSのカバーで"Back To Back"G.B.H.のカバーで"City Baby Attacked By Rats"が収録。アリッサが加入してからパンク系のカバーが増えましたね。アリッサの声質ともマッチするし、マイケルのルーツの一つでもあるので、違和感は感じないカバー。"Back To Back"のサビはアリッサのクリーンボーカルも重ねて撮っているので、こちらもオリジナルとそれほど違和感ないかもしれない。アリッサのボーカルの幅は本当に素晴らしいし、彼女はデスボイスでも様々な歌い方ができるから、多様性がタップリある今作とのピッタリなシンガーですな。

アルバム全編通してみて、今作も素晴らしいし、愛聴盤なるでしょう。ARCH ENEMYはエクストリームメタルバンドだけど、ハードロックの要素を抑えているので引き出しが豊富であることが、他のエクストリームメタル系バンドとは違うところで、その要素は毎度のことではあるが、今作は音の隙間を敢えて作った印象を受け、シャーリー・ダンジェロのベースが際立つパートもいくつかある。
その反面、アグレッシヴな側面を強く求めるファンにとってはちょっと物足りない印象があるかもしれない。前述通り、ストリングスやキーボードが入るパートが増えたからだと思うが、個人的には、それよりも気になったのはクリスが抜けた後のARCH ENEMYは、ギターソロの掛け合いパートやソロを繋げてスリリングさを強調するところが減ってしまった印象がある。"War Eternal"はアグレッシヴな側面が強いアルバムだったのであまり気にならなかった。今作はとっても良い内容なんだけど、何か足りない気がする・・と思って考えていたら、そういうことなのかな??

やっぱりマイケル・アモットジェフ・ルーミズと一度腰を落ち着けて共作すべき!と強く思った次第(笑)
しつこいですが、大事なことなので二度言いますww

ウィル・トゥ・パワー
アーチ・エネミー
(株)トゥルーパー・エンタテインメント
2017-09-01


 

【レビュー】STEVEN WILSON "To The Bone"


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STEVEN WILSON
といえば、PORCUPINE TREE、ソロ作品で現代のプログレッシブロックシーンを引っ張る存在のアーティストだが、それだけはなく、KING CRIMSONを始め、数多くのプログレリイシュー作品でリマスター・リミックスを担当していることでも有名。最近はTEARS FOR FEARSなど、80年代ポップスのリミックス作品も手掛けているなど、活動の幅が更に広がっている模様。こういった経歴を踏まえて、現在進行系の音楽を作りつつ、なおかつ過去作品のリイシューを手掛けていることをしているので、私は彼を数少ないプログレ界において、現在と過去を見事に繋いでくれているアーティストだと思っている。そんなSTEVEN WILSONの最新ソロ作品は今までの作風とちょっとどころか、だいぶ違うらしいので、どんな変化があるのかとっても楽しみにしていた。

まず、一つ大きな違いを挙げるとすれば、レーベルが今まで所属していたKscopeからCarolineに移ったことでしょう。Caroline所属のアーティストを見ると、Kscopeとは全く違ったアーティストばかりで、ここにスティーヴン・ウィルソンが入るの?とビックリ。そしていきなり3曲もPVが作成され、この3曲は今までのスティーヴン・ウィルソンのカラーと異なる曲でコンテンポラリーといってもいい曲。

"Pariah"

女性ボーカリスト、Ninet Tayebとのデュエット曲。男女のデュエットと曲調からしてピーター・ガブリエルがケイト・ブッシュとのデュエット曲"Don't Give Up"が想起される。


"Permanating"

アルバムの中で最もポップかつダンサブルな曲でそのキャッチーさが一際目立つ。とにかく、耳に残る曲調と歌メロが個人的にドンピシャ!この曲は何回もリピートしても飽きない。ABBA"Mamma Mia"のオマージュのように聴こえるけど(笑)ボリウッドダンサーが沢山出てくるPVを見ていると思わず踊りたくなる。そして、ニコッ!と笑うスティーヴン・ウィルソンがこのPVのポイントw

"Song Of I"

モダンでダークな曲でSophie Hungerというシンガーとのデュエット曲。ダークな曲はスティーヴン・ウィルソンの曲で数多くあるが、この曲はSTORM CORROSIONを更に洗練させコンテンポラリーにした曲のよう。

アルバムを代表する今までとカラーが異なる曲を3つ挙げたが、アルバム全体通して聴くと、それほど今までのスティーヴン・ウィルソンの音楽と変わらない印象を受ける。そこで、"Raven That Refused To Sing"や前作の"Hand.Cannot.Erase"を改めて聴いてみると、サウンド面ではやっぱりカラーが変わっている。今作の"To The Bone"は音の輪郭が総じてマイルドな作りという印象でメタリックで尖ったパートは控え目。そういう意味では若干、取っ付き易いのかな?

もちろん、従来路線の曲もあるので、全体のバランスは取っている印象。ところどころインストで聴かせるパートもキッチリと抑えているので、セルアウトしたアルバムになっているわけでもない。"Nowhere Now"の中間部分のインストパートはグッ!と盛り上がるので最高!

"Nowhere Now"


"Detonation"

この"Detonation"は終盤のハイライト曲でもあるが、スティーヴン・ウィルソンの王道的な曲で今作で最も長い9分台の曲でDavid Kollarというの弾きまくるギターソロとスペイシーなバックが気持ちいい。アルバムの中で一番王道プログレ的な曲かもしれない。プログレしている曲は他にもあって、"The Same Asylum As Before"はエッジのある音と展開が豊富な曲調は安心するかも?w

というわけで、まとめると、サウンドは聴きやすい方向に舵を取りつつも、今まで培ってきた路線をキープしつつ、スティーヴン・ウィルソンが好きな80年代のポップス要素を入れて、新たな境地を迎えたアルバムと言えるかも。まあ、PINK FLOYDというか、デイヴィッド・ギルモアやロジャー・ウォーターズっぽいところは色濃く出ているところもあるので、そこは相変わらず好きだなぁ〜とニンマリするか、またそのパターン?とちょっと斜めに構えるかでちょっと印象は変わるかもしれない。
私?個人的にはとっても楽しんでいるアルバムだけど、もっと変化していると思ったので、そこはもっと変化してほしかった気持ちもあります。

話を最初に戻して、スティーヴン・ウィルソンはプログレ界において現在と過去を見事に繋いでくれているアーティストだと思っていると書いたけど、日本だとなんか人気がイマイチのような気がしてならない。。PORCUPINE TREEであのUdo Music Festivalの惨状が尾を引いてしまっているのか・・・。私はその場にいて最初の数曲は聴いてましたが、メインステージで新生ALICE IN CHAINSが気になってしまい、そっちに行ってしまったので説得力は無いかもしれないけど(爆)チッタさんとか呼んでくださいー!!!


トゥ・ザ・ボーン
スティーヴン・ウィルソン
Hostess Entertainment
2017-08-18

 
プロフィール

sekibow

熱苦しいハードロック、ヘヴィメタル、スラッシュメタル、ドゥーム・ストーナー系メタル、プログレ、そして70年代〜80年代のウエストコースト系ロックを愛するパフュメタラー。Sign of the Hammer Be My Guide

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