Heart Of Steel

買ったアルバムの感想を語る場

2017年06月

「メタルファンは、死ぬまでメタルファンなんだ。パーマネントに『あ~○○年の夏はSLAYERをよく聴いたよな~』みたいな聴き方をする奴は一人もいないよ」byロブ・ゾンビ

【レビュー】ANTHEM "Engraved"(Deluxe Edition CD+DVD盤)

ANTHEMの約3年振りとなるニューアルバム"Engraved"。森川さん、田丸が加入してのラインナップとしてはこれは2作目。アルバム制作に入るものの、スケジュールを延期して改めて制作したと聞いていたので、今作は今までと作風が大きく変わったりするかな?と良い意味で期待していた。
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アルバムを聞いて1周目であれ?今までとはちょっと違うぞと。ANTHEMはAC/DCやIRON MAIDENのように金太郎飴的なアルバムを毎度作るようで、ちゃんと聞いてみると実は色々と変化があると思っている。今作も安定のANTHEM流メタルサウンドなんだけど、今までとは異なるカラーの曲が多いように思った!

ブックレットを確認すると半分は作曲に清水さんのクレジットはあるし、付属DVDで柴田さんのインタビューからも清水さんに作曲するよう脅し要望をしたと発言があったので、なるほど〜。
清水さんが手掛けた楽曲は柴田さんの楽曲とは違うキャッチーさがあって、なんだか、IRON MAIDENにおける"Somewhere In Time"的な位置付けのようなアルバムにも思えてきたぞ・・。終盤の"Don't Break Awasy"はそういった清水さんのキャッチーさが全開となったような曲で、清水さん作曲の中で私はこれが一番好きです。リフとギターソロはカッコイイとしか言いようが無いですなぁ。

そして、最も変化を感じたのはインスト曲"Sacred Trace"。まるでマイケル・アモット・・・いやこの正確なギターワークはクリストファー・アモット的といった方が良いかもしれない哀愁さ満載のインスト曲は新しい。おそらくお互いルーツとなるのはマイケル・シェンカーのように思えるので、アモット兄弟っぽいと思ったのはそのせいだなw なぜか、ブックレットのクレジットは柴田さん作曲となっていたので?????と思ったがライナーノーツとDVDで柴田さんが清水が作った曲と発言があったので、ブックレットの誤植だな!(笑)

柴田さんの手掛けた楽曲で、最初の1曲目"The Artery Song"はANTHEMならでは胸を掻きむしるかのような熱い曲でガツンと来るが、2曲目の"Far Away"はイントロが今までにないパターンでそこからのリフがかっこいいし、キャッチーなギターソロがこれまた素晴らしい。 まだまだ引き出しは沢山あるバンドだなぁ〜って思った。このアルバムで一番肝になる曲はこれかもしれない!

そして、ミキシングは再びクリス・タンガリーデイスが担当したせいなのか、詰め込み過ぎない音作りで森川さんがいるANTHEMにはこの音作りが一番合っていると思う。清水さんのギターサウンドはいつになく分厚くてキレの良さがあるので聴いていて非常に気持ちいい。ANTHEMのサウンドメイクは良質がナノが多いけど、今作は特に聴いていて気持ち良いと思う。
ちなみにDVDにはイギリスでのミキシングの様子も出ているけど、これは柴田さんの撮影なのねw(さすがに監督は来れないかw)

というわけで、色々変化を感じるANTHEMのアルバムという印象で、繰り返しになるけど、個人的に今作はIRON MAIDENにおける"Somewhere In Time"的な位置付けのようなアルバムだとやっぱり思います。



ENGRAVED(デラックスエディション)(初回限定盤)(DVD付)
アンセム
ユニバーサル ミュージック
2017-06-21

 

【レビュー】ROGER WATERS "Is This The Life We Really Want?"

純粋なオリジナルスタジオアルバムとしては"Amused To Death"以来、25年振りとなるROGER WATERSの新譜"Is This The Life We Really Want?"
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まるで検問が入ったかのような黒く塗り潰された文章の数々に思わずギョッ!とするジャケがインパクトあるけど、肝心の音はどうだろうか?新解釈のThe Wall完全再現ライブを経て、満を持してのオリジナルアルバムなので、私は結構期待していました!

音楽面では驚くほど奇をてらうところはない、ロジャー・ウォーターズ節満載の歌メロとサウンド。特にロジャー在籍時のPINK FLOYD・・・"Animals""The Wall"のダークなところをセルフオマージュしたようなパートが満載でここまでセルフオマージュしているアルバムは初では・・? 個人的には"Animals"からだと、"Dogs"、"The Wall"からだとアルバム中盤辺りの"Empty Spaces"〜"Hey You"ぐらいまでの楽曲をバラバラにしてもう一度再構築したイメージかな。

今までのソロアルバムでは女性バックコーラス隊がボーカルパートに華を添えることが多かったけど、今作のボーカル面は基本的にロジャー・ウォーターズのボーカルのみでコーラスも控えめというシンプルさ。こんなところも余計にロジャー在籍時のPINK FLOYDを想起させる音作りのように思える。

そして、何よりも今までとの一番の違いはギタリストに対するアプローチ。フロイド脱退以降はデイヴィッド・ギルモアへの対抗心からかエリック・クラプトンやジェフ・ベックという大物がゲストで登場していたが、今作は特に大物のゲスト参加は無し。そして、ギターパートもあくまで楽曲のサポートに徹する内容。だから、前作の"Amused To Death"や前前作の"Radio K.A.O.S."にあったような音楽的カタルシスが無く、最初に聴いた時は、想像以上に地味なアルバムだ!と思いましたよ(笑)集中していないと、えっ!?もう終わり!?という印象だったけど、何度か聴き込むうちに、ロジャー節が段々とクセになっていくから、そこはさすがロジャー・ウォーターズ!かなw

というわけで、やっぱりこのアルバムは今まで以上に歌詞に重点に置かれて、ロジャーが歌詞で言いたいメッセージをいかに読み解くのがポイントなんでしょうね。今作はストーリーに基づくアルバムではなく、一定のテーマに基づくコンセプトアルバムであり、そのテーマは昨今の世界事情に基づく、紛争、差別、政治などに関して。今まで以上に噛み付くかのような歌詞の鋭さがありながらも、逆に音楽はゆったりとしている面が多いのため、静かな怒りがそこに感じられる。

歌詞カードと対訳をにらめっこさせながら、自分なりに歌詞を読み解いていくのだけど、セリフが多く入ったSEを多用していることと、対訳を読んだだけでは、わからない表現や言葉が出て来るので、どうしたもんかと思ったら、こういう時はインターネット様を活用すればいいじゃん!(笑)
たまたま見つけたのが、このサイト。
GENIUS.COM
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歌詞のWikipedia版のようなものかな?ユーザが歌詞に関して色々と解釈を付け加えていくもので、ものによっては元ネタとなる曲などの動画サイトのリンクが貼ってあるなど、画面を切り替えることなく情報にアクセスできるのは結構便利(英語のサイトですけどね)。特にこのアルバムは時事ネタ含めてそんな要素が満載だからピッタリ。もしかしたら、間違った解釈が載っているかもしれないけど、それはそれで一つの考え方として。

https://genius.com/albums/Roger-waters/Is-this-the-life-we-really-want

SEのセリフに関しても掲載しているのは結構ポイント高し!
一番わかりやすいところで言えば、タイトル曲"Is This The Life We Really Want?"の冒頭SEのセリフはトランプ大統領がCNNのインタビューで答えている一節が載っているし、元ネタの動画も載っている。
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また、"Last Refugee"については、溺死してしまったシリア難民の男児の写真が世界に衝撃を与えた話がありましたよね?おそらくそれに関して触れている解釈が写真付で載っているなど、文章だけでなく画像と動画も含めて、関連情報ソースに触れることができるという意味では、様々なテーマが入り組んで、あちこちにネタを散りばめているこのアルバムの理解を深めるには一番かもしれない。
(THE BEATLESネタが結構入っているという解釈が散見されるけど。。)

それにしても、ロジャー・ウォーターズも70歳というのに、まだまだ世界に対して言いたいことがあるという意味では、未だエネルギッシュな方であるのは嬉しいことだし(ツアーもバリバリこなしていますね。果たして来日公演はあるのか?)、それだけ世界情勢に対して危機感を募らせている証拠かも。

アルバムの題材は決して遠い国の話でなく、日本も将来に対して不安になるような話が一杯ですよね。日本にロジャー・ウォーターズのように信念を持って吠え続けるアーティストはいるのか?私が知らないだけもしれないけど、残念ながら見当たらないのが日本の現状かもしれない。
と、このアルバムを聴いていると、そんなことを思ってしまう。

このアルバムの音楽面をもう一度振り返ると、単純に曲として、好きなのは後半の"Smell The Roses"。それまでの淡々とした流れの中からハッ!とさせられるサウンドが特徴で、中間部分はちょっとフロイドの"Dogs"に似ているかな?と思ったら その中間部分に犬の鳴き声が入っているじゃないか!(笑)

この曲のように、気付くとちょっとクスっとしてしまうようなギミックがあるので、歌詞は明るくないが、音楽面では遊びの部分があるところに、ロジャー・ウォーターズのアーティストとしての姿勢に改めて気付く一枚かもしれない。


でも、やっぱり印象的なギターフレーズは欲しいなぁと思う(笑)ただし、ロジャー的には余計な装飾はいらず、自分の言いたいことを伝えたい・感じ取ってほしいことに焦点を当てたアルバムだから、今回はインストが目立つことは選択しなかったのかなと解釈。 

好きなアルバムだけど、何か足りないような気もするモヤモヤとしたアルバムですね(笑)来日公演があれば、映像もバリバリ使うと思うし、アルバムの内容もより理解できそうな気がするから、来日公演が決まれば傑作!と言うのでよろしくお願いしますw

【レビュー】ANATHEMA "The Optimist"(CD+Blu-ray Audio盤)

ANATHEMAの3年振りとなる新作"The Optimist"はバンド初のコンセプトアルバムで、なおかつ、2001年にリリースされた"A Fine Day To Exit"の終わりから始まるというストーリー。
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ちなみに"A Fine Day To Exit"を含めてMusic For Nations時代のアルバム3枚はバンド自身によってリマスターされ、ライブDVD(PAL仕様ですが)も同梱されたものとして"Fine Days 1999-2004"という作品でリイシューされているので、未聴の方はこれが便利だと思う。なお、" A Fine Day To Exit"に関しては曲が足されて、曲順もオリジナルと変わっているので、バンド自身も手を加えたい気持ちがこの"The Optimist"にも繋がってきたのだろうか?
ANATHEMA
ZOMBA
2015-04-10

 
 
話を戻して、新作"The Optimist"は"A Fine Day To Exit"のジャケット写真の場所の座標を示す"32.63N 117.14W"からスタートし場所はアメリカのカルフォルニア州サンディエゴ郊外のシルヴァーストランド・ステイトビーチ)、主人公(ジ・オプティミスト)が旅を開始するというストーリー。細かいストーリー云々は聞き手が解釈すればいいので、ここでは敢えて書きません。

前作"Distant Satellites" 後半でキーとなったプログラミングされたビートといったエレクトロ路線を引き継ぎなおかつ、自然なANATHEMA流として構築した"Leaving It Behind"で本編がスタートし、次に静かな展開からリー・ダグラス嬢の優しい歌声が染みる"Endless Ways"に入るという流れにノックアウト。序盤のこの構成はここ数作ANATHEMAの十八番というべき流れで、動から静へのコントラストが一層曲をドラマティックにしていく。
"Endless Ways"は多幸感が味わえるリーの優しい歌声からバッ!と盛り上がっていくところは個人的にANATHEMAかくあるべし!といったポイントだと思っているので、要するに序盤から最高だってことです。と思ったら次の"The Optimist"もこれまた最高な曲なんで、今作はうーん、凄い。。





中盤はインスト曲"San Franciso"からほぼインスト曲といってもよい"Springfield"を挟み、

そこから後半は今までありそうでなかったタイプの曲が多く、異なるカラーを見せてくれるところは
前作"Distant Satellites"でも見られた構成。特に"Close Your Eyes"はジャズっぽい曲で、これはかなり新鮮!でもちゃんとANATHEMAしているので、違和感は感じない。ここから終盤はグッ!と盛り上がると思ったら意外と淡々とした感じ進んでいくけど、それでもドラマ性を感じるところはこのバンドの特筆すべき点。
歌詞的には明確に何かを示すものは多くなく、聴き手の想像に任せる余地を敢えて残しているように思えるのでストーリーを補完するためにブックレット内の写真の数々が手助けしてくれるかな〜?と思ってめくったら歌詞は載っておらず、日本盤も対訳・歌詞とも入っていない(苦笑)アルバムの解説文を読んで補完しましょう!(笑)
最後の"Back To The Start"で主人公は旅を経て戻ってきたのかそれとも・・・?はこれまた聴き手に委ねる内容なので、本編終わって三分間ほどの無音から流れてくるSEがヒントになる!?

個人的はこういった聴き手に想像を膨らまてくれるアルバムは大好きで、なおかつ独立した楽曲的に素晴らしいし、それが流れで聴くと更に素晴らしいので今作もやっぱり最高という言葉しか思い付かない。このアルバムで描かれている旅は自分探しの旅なのか、それとも現実からの逃避行なのか、人それぞれ解釈があると思うけど、ツアーは二部構成で、スクリーンの演出も使ったアルバム完全再現を行うらしいので、どんな演出や映像が流れてくるかも楽しみ!インタビューを読むと再来日公演には意欲的らしいので期待したいですなぁ。

【インタビュー】アナセマ、新作は「ハードでモダンでアンビエントでエレクトロニック」
https://www.barks.jp/news/?id=1000143020#utm_source=tw_BARKS_NEWS&utm_medium=social&utm_campaign=tw_auto

なお、Blu-ray Audioで5.1chバージョンを聴いたけど、エレクトロニックなビートはリアに回って包まれるようなサウンドとなり、SEはより立体的となるので、映画的な雰囲気をグッと強くなる。サラウンドのリニアPCMは96KHz/24bitなんで、CDよりも鮮度あるサウンドで聴いていて気持ちが良い!曲毎にモニターに映し出される風景が変わっていくので、映像含めて"The Optimist"を体験できるから、個人的にはBlu-ray Audioサウンドをオススメします。
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【ライブレポ】STING@日本武道館 2017.6.7

STING57th&9thの日本ツアー、日本武道館公演二日目に行ってきました。
2008年のTHE POLICE再結成ツアーで初めてSTINGを見て、その次はSymphonicitiesツアーの時だったので、純粋な?STINGソロライブを観るのは今回が初めて。
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前座はSTINGの息子のジョー・サムナー&THE LAST BANDOLEROSだったが、前回来日(THE POLICE再結成ツアーの時以来)の時と比べて風貌も親父そっくりになっちゃったなぁ~と思ったらSTING本人がいきなり出てきたので、勘違いしちゃいましたよww メインアクトが前座に出るって、前代未聞!しかも、ドミニク・ミラーもギターで出てきているしwそこは親子ならでは演出といったところでしょうか。
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結局、最初の1曲だけの親子共演だったので、あとは息子ジョーの弾き語りコーナー。声はかなり親父似でパワフルで上手い!だけど、見た目は結構ポッチャリ気味で、鍛えてた体を誇示している親父と違う。しかし、息子のジョー42歳ということを知り、私とそんなに変わらないことに、ジョーのことを笑っている場合ではないぞ!と危機感を感じた次第。そのことに気づいただけでも、この前座の価値があった(笑)
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ちなみに、ジョー3曲ぐらいで早々と退散し、あとはTHE LAST BANDOLEROSが前座のメインアクトだったという流れ。観客の大半はえっ!?ジョーはどうしたの??という戸惑いが多かったと思うので、THE LAST BANDOLEROSにどうリアクションしたらいいのかわからない感じのようだった気がする。演奏もしっかりとしてなおかつバンドだったから、息子よりは楽しめたんだけどね。カントリー風味のあるバンドかな?
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さて、本編のSTING。去年リリースした新譜"57th&9th"はロック回帰作という宣伝ほどそこまでロックしているわけではなかったし、THE POLICE再結成時と比べてもロックしているとは思っていなかったので、ソロの名曲の数々が本来のバンド形態で聴ければ十分と思っていたら、想像をはるかに超えてロックしているライブで、これはとっても嬉しい驚きだった!
 

”Synchornicity II””Spirits In Material World”THE POLICEナンバーからスタートし、だれるようアレンジでもなく、非常にキビキビとした演奏がとっても印象的。THE POLICEの曲も思った以上に沢山やるという内容で、しかも演奏面が非常にタイト!下手にキーボーディストがいないためか(曲によって、THE LAST BANDOLEROSのアコーディオン担当が出て来る程度)、新譜も余分な装飾を取り除いた内容だったこともあるのか、ドラム、ギター二人、コーラス隊(息子のジョーTHE LAST BANDOLEROSがコーラス担当)、ベース&ボーカルというシンプルな編成もあって、変にジャジーなアレンジになるとかそんなことはなく、オリジナルに対する再現度合いが高かったと思う。

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ソロでは長年の相棒となったギターのドミニク・ミラーがいるけど、ドラムともう一人のギターは若手。ギターはあとで教えてもらったけど、ドミニクの息子さんだったんですね。親父と一緒にギターハーモニーする場面もあれば、ソロも結構弾いていたので、なかなかの実力者?バックコーラス隊にはSTINGの息子ジョーと、THE LAST BANDOLEROSの面々が務めているので、結局、これってファミリーツアーかよ!ww
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話が少し逸れたけど、ドラムは後で調べたら、ジョシュ・フリースだったのですね。GUNS N’ROSESにも一時期在籍していたというドラマーで、他にはNINE INCH NAILSSLASHのアルバムなどにも参加していた、どちらかというとHR/HM畑系なドラマー?そのパワフルなドラミングでバンド全体を後押しをするもんだから、やっぱりどう演奏してもロックな曲になるしかいないということかな。その分、THE POLICEとの違いが逆に明確になった分、”Message In A Bottle""Walking On The Moon"などはソリッドなドラミングより、スチュワート・コープランドのようなしなやかなドラムとあのフィルインが欲しくなったことも事実。しかし、”Roxanne”はそのソリッドなドラムがかなりマッチしていて、本編のハイライトだった気がする。贅沢を言えば、今のSTINGTHE POLICE再結成がもう1回あれば、前回再結成時より更にシャープな音で聴けたら、もう言うこと無いですね。”Next To You”は再結成THE POLICEよりもテンポ早かったような気がするし、この勢いがあって思わずエアギターしたくなるタイトな感じこそ、本当の ”Next To You”を聴けた気がする。


STINGのソロ曲に関しては当然、新譜からの曲が多めだったけど、アルバムで聴くよりライブだと「Raw」な魅力が増してライブ映えして結構良かったし、観客も盛り上がっていたように思えた。それにコントラストを付け加えるかのように、往年のソロ名曲群はしんみりとしたタイプの曲が多かったように思えたけど、この辺のバランスの妙もあって、STINGも最後までパワーを保っていたし、もうすぐ66歳って本当?と思うほど若々しさを感じた。本編途中でも息子のジョーと絡むシーンがあったけど、どっちが親父?って思えるぐらいだし(笑)
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アンコールは2回あり、最後の最後はSTINGのナルシストっぷりも存分に出てなおかつ最高に美しい"Fragile"でしんみりと締める構成は息の飲むほど、素晴らしかった。STINGのアコギの音も素晴らしかったし。
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初めてSTINGを見た2008年のTHE POLICEライブから9年で、STINGはその間、一回年相応に老けてしまったが、また往年のパワーを取り戻したところが凄いですね。ロッカーとしてまだまだやるべきことがあると感じているように思えるので、ファンが楽しめる期間は確実に更に延びたと言えるでしょうね!そんな幸福感に包まれたライブだったと思う。
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Setlist

01.Synchronicity II (THE POLICE)

02.Spirits In The Material World (THE POLICE)

03.Englishman In New York

04.I Can’t Stop Thinking About You

05.Every Little Thing She Does Is Magic (THE POLICE)

06.One Fine Day

07.She’s Too Good For Me

08.Mad About You

09.Fields Of Gold

10.Petrol Head

11.Down, Down, Down

12.Shape Of My Heart

13.Message In A Bottle (THE POLICE)

14.Ashes To Ashes (DAVID BOWIE Cover)

15.50,000

16.Walking On The Moon (THE POLICE)

17.So Lonely (THE POLICE)

18.Desert Rose

19.Roxanne  / Ain’t No Sunshine

1st Encore~

20.Next To You (THE POLICE)

21.Every Breath You Take (THE POLICE)

2nd Encore

22.Fragile


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 英国人、ペットボトルの水でなくティーカップ(笑)

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【レビュー】FLEETWOOD MAC "Tango In The Night"(2017年リマスター盤 Expanded Edition)

ここ1年間のFLEETWOOD MAC関連のリイシュー攻勢が凄い。去年は”Mirage”のリマスター盤がリリースされ、続いてSTEVIE NICKSのソロアルバム2枚も初のリマスター盤として発売。今年は初CD化となるBUCKINGHAM / NICKSと来て、そして、極めつけはFLEETWOOD MAC”Tango In The Night”が「初」リマスター盤で登場!!オイオイ、この攻勢はもしかして来日ある?(ありません苦笑)
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後追いFLEETWOOD MACファンでありながらも、この”Tango In The Night”には手を出しておらず、理由はリマスター盤が出るのをずっと待っていたから!(笑)だから、こうしてリマスター盤を手にすることができたので、私も堂々と語れるぞ!(笑)FLEETWOOD MACの万華鏡的なきらびやかさが80年代的サウンドで更に磨かれ、色々意味で今までのFLEETWOOD MACのアルバムとは異なり、彼らのアルバムの中でも特にユニークな一枚という印象!


ユニークと感じたのは、先程のサウンド面でもそうだが、歌メロが80'sしているのが多い印象!特にそれが際立っているのが"Isn't Midnight"。今までのクリスティン・マカヴィーの曲は牧歌的なものが多かったが、これは80'sハードポップでビックリ。個人的にとっても好きな曲ですけどね。
 

そして、やっぱり一番目立っているのがリンジー・バッキンガム。ギタープレイ・ボーカルもそうだけど、プロデュースも担って孤軍奮闘?1曲目の"Big Love"のギターワークはやっぱり非凡なものを感じるし、彼のギターが今まで一番目立っているかも。


どうやら、当初はリンジーのソロアルバムとして作っていたが、そのうちFLEETWOOD MACとして・・となったようだからそれも納得。そんな背景も踏まえて、今までのアルバムと同様、リンジー、クリスティン、そしてスティーヴィー・ニックスが受け持つ楽曲数比率に大きな変化は無いが、このアルバムはリンジーとクリスティンの印象が強くて、逆にスティーヴィーの影が薄く感じてしまう。
スティーヴィー・ニックスがメインボーカルの"Seven Wonders"は名曲だけど、スティーヴィーのソロという印象が強い曲だし、同様にメインボーカルの"Welcome To The Room...Sara"はあのSaraの名前が出て来る曲だが、後のスティーヴィーのソロで出てくる"Rooms On Fire""If Anyone Falls In Love"の原型のような曲でFLEETWOOD MACと少し距離を取っているようにも思える。

"Seven Wonders"


ライナーノーツを読むと、スティーヴィーの当時のクスリの問題や、この"Tango In The Night"はリンジーの自宅でレコーディングしていたため(しかもボーカルはリンジーの寝室でレコーディング!(^O^;))、製作に1年を費やした中でスティーヴィーが出てきたのは2週間のみだったようで。ライナーノーツのスティーヴィーの言葉として印象的だったのはちょっと載せてみる。

「Tango In The Nightは大好きなアルバムよ。ある程度客観的な視点から言えるわ。実際のところ、私はほとんどその場にいなかったから」
「さらに話を複雑にしたのはTango In The Nightをリンジーの自宅で作ったことだった。彼のガールフレンドがいて、私がその場にいるのは奇妙な感じだった。ボーカルは文字通り彼らの寝室でレコーディングしたもので、そのとき頭がボンヤリしていた私ですら、これは変だと気付いた」

そんな状況下で製作したのにも関わらず、認めるべきものは認めるプロフェッショナルな姿勢はさすがですね。3人のうちどちらかがリードボーカルを取っても、残り二人が存在感があって、なおかつ曲の一部として完全に機能しているコーラスワークはFLEETWOOD MACならでは!そういう意味ではクリスティンがリードボーカルの"Little Lies"はその代表的な曲かも。リンジーとスティーヴィーのバックボーカルが無いとこの曲は成立しないぐらい見事ですし。

"Little Lies"


相変わらず一筋縄ではいかないバンド事情にも関わらず、結果的にリンジーが製作の音頭を取ったこともあって、今までのアルバムの中で非常にまとまりがあって、隙が無いアルバムだから、帯の「噂」を超えてという煽り文句もウソじゃないかも!しかし、制作後、バンドから脱退してしまったのは、なんたる皮肉というかべきか。その辺の詳しい内容はライナーノーツに詳しく書いてあるけど、このライナーノーツも読み応えがある。FLEETWOOD MACって、ほんと、ソープオペラなエピソードが事欠かないバンドだよなぁ。。

さて、肝心なリマスターとしては最近の傾向に倣って音圧を控え目にし、その分、アンプのボリュームノブをグッと廻しても音の幅に余地があるタイプ。この時代ならでは抜けの良い音と相まって、いいリマスターなんじゃないかと!
そして、Expanded Editionのディスク2枚目はデモ音源やB面曲集。デモ音源は80年代的な装飾を施す前なので、Lawな味わいがなかなか興味深い。その中で、おや?と気になったのは"Ooh My Love"のデモバージョン。スティーヴィー・ニックスファンだったら、"Ooh My Love"は彼女のソロ"The Other Side Of The Mirror"に収録されている曲だが、このデモは全くの別物。・・・と思ったらテンポとサビ部分はまるで違えども、歌詞と歌メロは同じ!(正確には最初のヴァースだけですが)結局、この曲は本編に採用されなかったので、スティーヴィーが自分のソロとして完成させたってことですかね?

スティーヴィー・ニックスの"Ooh My Love"


他には本編ラストを飾る"You And I, Part II"のフルバージョン、"You And I Part I & II"も収録。Part Iはどこいったんだ!というツッコミに対して、応えてくれている内容ですが、結局、Part Iの部分はイントロのようなもんなんで、本編がPart IIだけにしたのは正解だったかも(笑)そんな視点からでも楽しめるExpanded Editionということで、ファンならせめてExpanded Editionのがいいのかも!?

これで一連のFLEETWOOD MACのリイシュー攻勢は落ち着きますかね。Stevie Nicksのソロリイシューは2ndアルバムで止まっているので、3枚目以降も再開してほしいなぁ。


タンゴ・イン・ザ・ナイト エクスパンデッド・エディション<SHM-CD>
フリートウッド・マック
ワーナーミュージック・ジャパン
2017-05-24

 

プロフィール

sekibow

熱苦しいハードロック、ヘヴィメタル、スラッシュメタル、ドゥーム・ストーナー系メタル、プログレ、そして70年代〜80年代のウエストコースト系ロックを愛するパフュメタラー。Sign of the Hammer Be My Guide

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