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JUDAS PRIESTFirepowerジャパンツアーは追加公演となったTOKYO DOME CITY HALLへ行ってきた。ティム・リッパー・オーウェンズ時代のDemolitionツアーからプリーストのライブは欠かさず観に行ってきたが、前回のRedeemer Of Soulsツアーは引っ越しの関係もありに行けず、6年振りとなるプリーストライブとなった。そして、今までのプリーストライブの中で最もエモーショナルな気分となったライブだった・・・・。


追加公演にも関わらず、東京本公演よりも先にソールドアウトとなったが、立地的・会場キャパ的にそうなるのは必然。しかも、11/28は東京で他にKAMELOTHARDCORE SUPERSTARBRITISH LIONKING CRIMSONのライブが被っているという日。みんな集めてフェス開催にすればよかったかも?HARDCORE SUPERSTAR以外の主催はクリエイティブマンだし(笑)

さて、JUDAS PRIESTはご存知のように今ツアーからグレン・ティプトンがパーキンソン病のため、ツアーは不参加。プリーストがプリーストたるところは人それぞれだと思うが、個人的には音楽的支柱でもあるグレン・ティプトンがいないプリーストライブなんて想像も付かないし、何を期待すればいいのかわからなかったのが正直なところだった。K.K.ダウニングの不在はリッチー・フォークナーが十分過ぎるほどその穴を埋めてきたが、それはやっぱりグレンがいてからこそと思っていたので。

ライブはBLACK SABBATH"War Pigs"をイントロSEとして鳴り響き、新譜1曲目からの"Firepower"でスタート。ライブが始まった途端、前述した懸念はどこかに吹き飛んでいた・・・。メンツ云々じゃなくて、楽曲のパワーがそれを上回るということか!?
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続いて、一気に時代は遡り、"Running Wild"へ。まだハードロックの香りがあるこの曲、セットリストに再び入ったのはリッパー時代以来?ライブは軽快な"Grinder"から、次はなんと、"Sinner"というクラシックプリーストナンバーを連発。ロブ・ハルフォードは今まで観た中でも特に声が出ていたし、K.K.の後釜だけでなく、今回のツアーではグレンの穴埋めまでも行うリッチーの二人は特にライブをグイグイと引っ張っていく存在として、気合がいつも以上に入っていたように見えた。"Sinner"のクレイジーなギターソロは全盛期のK.K.を彷彿とさせる動きが印象的だった。


サポートギタリストとしては”Firepower"のプロデューサーでHELLのギタリストでもあるアンディ・スニープが努めており、サポートっぽく、一歩引いた感のパフォーマンスだが、ソリッドなリフワークでしっかりと音の屋台骨を支えていた。リッチーとアンディのギターワークのおかげなのか、サウンドに躍動感や鋭さは今までのプリーストライブの中でも特に際立っていたように思う。災い転じて福となすとはこのことか・・・?(アンディ、次はHELLで来日してね!)
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イアン・ヒルスコット・トラヴィスのリズム隊は長い間見た目が変わっておらず、この二人を見るとなぜかホッとするw会場の音響も良好なのでイアンのベースもよく聞こえる!
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前回ツアーは観ていないからわからないけど、今回のツアーは映像による演出がしっかりとしており、今までのチープ感が無いことにビックリ!(笑)プリーストの映像演出は今まで、A級感になれないもどかしい感があったが、今回ので、ようやく標準になったというか。
"The Ripper"では切り裂きジャックに関する映像を出し、そのおどろおどろしさを演出
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往年の名曲はアルバムジャケを映して、ファンの高揚感を煽るところは今まで通り。
"Desert Plains"だと、"Point Of Entry"のジャケだが、個人的には別バージョンの方が馴染みあるかな
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"Turbo Lover"からはもちろんタイトル曲!
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なぜか"Green Manalishi"ではメタリオンが登場。二本の角があるからかな・・・?
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なお、ロブは曲によって様々なコートを着替えていた
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スターウォーズのライトセーバーのようなちょっとした演出も!どう観てもジェダイの騎士というよりドゥークー伯爵にしか見えないw
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"Hell Bent For Leather"ではおなじみのバイクに跨っての登場。
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こうした泣く子も黙るプリーストクラシックをたっぷりかつツアー毎にオオッ!この曲を演るのか!というちょっとした驚きも入れるところがニクイ。今回は"Running Wild""Sinner""Night Comes Down"といったところか。

そんなプリーストクラシックに負けないぐらい新譜"Firepower"からの楽曲がライブでも素晴らしかった。新譜からは"Firepower"、"Lighting Strike""Never Surrender""Rising From Ruins"の4曲だったがその中で"Never Surrender"は映像に映し出されるPVに出てくるグレンの映像や歌詞からして、今のバンドの気持ちを最も強く表現しているようでグッと来るものがある。
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ライブを観ていて、ここまでグレンの不在を大きく感じることはなかったことに気付く。これはステージにいる5人が100%じゃなくて120%の気持ちを持ってライブしているからじゃないだろうか。最初に書いたとおり、ロブのボーカルは今まで観た中で最も凄みがあり、グレンがいない中で彼が更にバンドを引っ張っている感がある。まあ、"Freewheel Burning"のサビ丸投げや"You've Got Another Thing Coming"は歌メロを大きく崩して歌っていたところはあったが、そこは重箱の隅を突くところかな(笑)
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そしてロブ以上にバンドを引っ張っていた感があるのがリッチー。最も若いメンバーでありながら、グレンが不在の中、ギターパートで最も重要な存在となったが、立派に役目を果たしたと思う。ライブ本編最後の"Painkiller"ではグレンのギターソロパートでは映像にグレンが映る中、彼のあのソロを忠実に再現。このシーンだけでも目頭が熱くなるのに、曲の終盤のK.K.のソロパートもアンディではなくリッチーが弾くという!なんて、熱い展開なんだ!!!

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そんな流れで本編が終了し、アンコール1曲目は"Hellion"〜"Electric Eye"かな、と思ったら"Metal Gods"から始まり、そこに登場したのはグレン・ティプトン!!!!!!
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地方公演では出演しなかったグレン、事前にTwitterで東京公演に合わせて来日していたのは知っていたので、出てくるとは思っていたが、なにせその日の体調次第・・という面があるから、彼がわざわざ日本にまで来てくれただけでも感激なのにライブにも出演するだけで、目に涙が・・・

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さすがに以前のような動きはできないが、ソロを弾く場面もあり、そしてトリプルギターフォーメーションを見せるなどまだまだ元気な姿を見せてくれた!
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ロブ、リッチーと一緒にフォーメーションするシーンは特にこの日のハイライトといっていいでしょう!
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グレンとリッチーが顔を合わせながら弾いているシーンはちょっと目頭がやばかったなぁ・・・
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そして、ロブと肩を組んでいるシーンはこのバンドの歴史を考えると更に感慨深い!!!
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グレンはアンコール全3曲に登場。パーキンソン病と戦っている中、たとえ以前のように身体が動かなくても、"Never Surrender"なところを日本のファンにも見せてくれて、その心意気、バンドへの姿勢、音楽への情熱はちっとも衰えていないところが多くの人を勇気付けてくれる。冷静に考えてグレンがツアーに出れない状態はバンドの危機であるが、このままじゃ終わらない、終わらせてたまるか!という気持ちがグレンやバンド側にあるんだと思う。

ヘヴィメタルを聴く理由は人それぞれだと思うが、単に楽しいだけでなく、人生を鼓舞してくれる音が最も詰まっているのがヘヴィメタルだと思う。そのヘヴィメタルの歴史ともいうべきJUDAS PRIEST、今回のライブでなぜ自分がヘヴィメタルが大好きなのかを再認識させてくれた。

来年はバンド結成50周年を迎えるがまた新作を作ってツアーで来日してくれると信じている。グレンもその時に出演してくれたら、こんなに嬉しいことは無い。METAL GODは引き続き、"Pure Fucking Heavy Metal"を演ってくれるに違いない!!


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最後はグレンも列に入って、映像には"The Priest Will Be Back"の文字が!ファンはいつでも待っているぞ!!
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Setlist
01.Firepower
02.Running Wild
03.Grinder
04.Sinner
05.The Ripper
06.Lighting Strike
07.Desert Plains
08.No Surrender
09.Turbo Lover
10.The Green Manalishi (With The Two Prong Crown) (Fleetwood Mac cover)
11.Night Comes Down
12.Rising From Ruins
13.Freewheel Burning
14.You've Got Another Thing Coming
15.Hell Bent For Leather
16.Painkiller

〜Encore〜

17.Metal Gods (with Glenn Tipton)
18.Breaking The Law (with Glenn Tipton)
19.Living After Midnight (with Glenn Tipton)